【もっと、光る君へ】チーフ演出 中島由貴ディレクター

24/12/31まで

もっと、光る君へ

放送日:2024/04/07

#大河ドラマ#映画・ドラマ

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大河ドラマ『光る君へ』をもっと、楽しむためのコーナーが「ラジオ深夜便」で放送する「もっと、光る君へ」。キャストやスタッフが、ドラマの現場から制作チームのこだわりをお伝えします。案内役は、ドラマの芸能シーンに携わる、芸能考証・指導の友吉鶴心(ともよし・かくしん)さんです。

【出演者】
友吉:友吉鶴心さん(薩摩琵琶奏者・『光る君へ』芸能考証・指導)
中島:中島由貴ディレクター(チーフ演出)

千年前も心の中は変わらない

友吉:
案内役の友吉鶴心です。きょうは、チーフ演出の中島由貴ディレクターとご一緒にお送りします。
『光る君へ』は、紫式部が主人公。今までの大河ドラマとは、ちょっと違った感じがしますが…いかがでしょうか。

中島:
紫式部が主人公ということで、源氏物語を読んだりしているんですけども、千年前と、人って、あんまり変わらないなっていう感じがして。現代にも通じるっていうか、心の中は変わらないっていうことをすごく意識してやっているので、そういう意味では、もしかしたらちょっと現代っぽいテイストになっているのかもしれないなと思います。

友吉:
このドラマの大きなテーマっていうのは、ありますか?

中島:
テーマと言っていいのか分からないんですけども、やっぱり人間っていうものをすごく大事にしたいなと思っていて、人が生きていく様というか。
人って、そんなにかっこいいことばっかりやってられないと思うんですよね。そういう醜さとかも含めて、いろいろな人間ドラマを展開させたいなと思っていて。それは主人公だけではなく、主人公を取り巻く人たちにもそれぞれに光を当てながら、渦巻いていく、ドロドロもありますし、恋愛的な要素も入ったりしますけど、時代劇だから、携帯電話とかがない世界だからこそできる、人間の本能とか動物的な感じとかも含めて、ドラマの中で盛り込めたらいいかなと思ってやっています。

友吉:
平安時代の日記を読んでいて、ここがおもしろいとか、あるんですか?

中島:
道長の『御堂関白記』を読んだりするんですけど、あまり日記自体には、そんなに本音が描かれてないというか、備忘録に近いことだったりとかする。それでも、(藤原)実資の日記の中にちょっと悪口が書いてあったりしているみたいなんです。そういうのは人柄が出ておもしろいなと思って、ドラマの中にも取り入れたりしていますね。

友吉:
実資さんは、ロバートの秋山(竜次)さんが演じていらっしゃいますね。奥さんに愚痴を言うと、「あなた、それ日記に書けばいいじゃないの」って言われてしまうんですね(笑)。

友吉:
とっても人物の描き方が繊細だと思って見ているんですけど、どういうふうに(登場)人物と向き合っています?

中島:
「人」っていうのは、表に見えることと、内側にあるもの、それもいくつも内側にあると思っていて。
ドラマの中では、その内側がちらっとでも表に出てこないかなと思って、演出はしてるんですけども。
ひと言のセリフの中に、表の顔と内面っていうのが複雑に絡み合っていると思うんです。そんなに人は、すぐ内面を見せないと思っていて、だけどドラマの中では、ぐっと出てくる…そういう瞬間をつかまえたくて、多層的に芝居をしてもらえるように、俳優には話をしたりしています。

友吉:
まひろさんと道長さんとの間柄の演出でいうと?

中島:
11回の最後のシーンで、しばらく会えなかった2人が廃虚のようなところで再会するシーンを撮ったんです。「北の方は無理だ。妾(しょう)になれ!」みたいなことになり、すごくまひろが傷つくシーン。そのとき、道長がつい声を荒げてしまい、まひろも気持ちはあふれたいのに我慢している…みたいなやり取りを撮ったときに、道長もどなっちゃったけど、どなっちゃった自分に対する恥ずかしさとか、瞬間に自分でも反省しながら、だけど思いは…みたいな。そういう気持ちのせめぎ合いみたいなものが絶対あるはずで、そこはふたりともそういう話をしたような気がします。

友吉:
おかげさまで、このドラマは芸能・文化が豊かなんですが、そこに何か願目はありますか?

中島:
平安時代を彩るいろんな要素があるとは思うんですけども、絵巻とかを見たりとかして、貴族の生活はもちろん描いていくんですけど、庶民側をどうやって描こうかなと思ったときに、「散楽(さんがく)」っていうのがあるなと思って、ドラマの中で、かなり創作しているものなんですけども、それが庶民の代弁者としてうまくいかされるんじゃないかなと思って、散楽をやったり。貴族の生活の中でも、雅楽とか箏、琵琶、笛など、それも絵巻に出てくるんですよね。そういう音楽的な要素から平安の香りというか、においっていうのを出していきたいというねらいはありました。

友吉:
最後に、今後の見どころをぜひ。

中島:
やっぱり山場は、源氏物語がいかにして作られるかっていうところだと思うんですね。これについては、学者の方々もいろいろ思うところがあると思うんですけども、私たちは私たちなりの解釈で、こういう感じだったんじゃないかなと、ドラマの中に盛り込んでいこうと思いますので、そこをぜひ楽しみにしていただけたらと思います。

友吉:
きょうは、チーフ演出の、中島由貴ディレクターとお送りしました。


【もっと、光る君へ】高階貴子役 板谷由夏さん(2024/03/03放送)

【もっと、光る君へ】藤原斉信役 金田哲さん(2024/03/17放送)

【もっと、光る君へ】藤原伊周役 三浦翔平さん(2024/03/31放送)

光る君へ

日曜日 [総合] 午後8時00分/[BS・BSP4K] 午後6時00分

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【放送】
2024/04/07 「ラジオ深夜便」

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