大河ドラマ『光る君へ』をもっと、楽しむためのコーナーが「ラジオ深夜便」で放送する「もっと、光る君へ」。キャストやスタッフが、ドラマの現場から制作チームのこだわりをお伝えします。案内役は、ドラマの芸能シーンに携わる、芸能考証・指導の友吉鶴心（ともよし・かくしん）さんです。
【出演者】
友吉：友吉鶴心さん（薩摩琵琶奏者・『光る君へ』芸能考証・指導）
三浦：三浦翔平さん（藤原伊周役）
伊周は甘やかされて育った!?
友吉：
案内役の友吉鶴心です。きょうは、藤原伊周（ふじわらのこれちか）を演じる、三浦翔平さんとご一緒にお送りします。
伊周は、井浦新さんが演じる藤原道隆の嫡男で道長のおい。漢詩も和歌も弓も「何でもできるイケメン」。箏も弾けて、歌（和歌）もうたって、舞も舞って、できないことはないですね？
三浦：
何もないですね。
友吉：
かっこいい！
三浦：
でも、ほんとに大変でしたよ。弓もやりましたし、馬も乗りましたし、箏もやりましたね。先生（友吉さん）にもお世話になりました。
友吉：
早かったですね、覚えていただくのが。たぶん、一番早かったんじゃないですかね。
三浦：
ほんとですか!? （箏の絃は）指で弾いた方が、弾きやすくはないですか？
友吉：
本当はね。でも、昔は独特の爪で弾くんですね。
友吉：
伊周の人物像とか、魅力っていうのは、どう考えています？
三浦：
最初に（脚本家の）大石静先生から、「伊周はきらびやかで秀才だから、最初はすごくキラキラしていてほしい」っていうお願いをいただいて、「決してヤンキーみたいにはならないでね」みたいな事を言われたんです。台本をいただいてから、きらびやかな秀才で序盤出てくるんですが、先の台本をいただくにつれて、「なんて伊周は甘やかされて育ってきたのか」と。
友吉：
実はお母様、板谷由夏さん演じる高階貴子（たかしなのたかこ）さんが、「娘は厳しく育てましたが、息子はちょっと甘やかし過ぎてしまったかな」とおっしゃっていました（笑）。
三浦：
まさにそうなんですよ（笑）。この間、一緒に撮影したとき、感情の高ぶりもあったんですが、どうしても、母に甘えてしまう伊周というところがありまして。
もちろん、母だけではなく、父上にも甘やかされて育ってきたのかなというイメージを持っているんですよ。
なぜかというと、きっと何でも教わったら、すぐにできてしまったんだと思うんです。それに対して、弟の隆家は何事も集中せず、すぐにたぶん嫌になってしまうような性格なので、伊周は真面目に、きっと「父親と母親に褒めてもらいたいがために頑張ってきたんだな」っていうイメージですね。
出世街道を用意していただいたんですが、果たしてこれがどうなっていくのか…。
友吉：
どうなっていくんですか？
三浦：
大人の会話の中に10代の小僧が、ちょっと生意気なことを言い始めて。「おやおや、こいつはなんて自信家なんだ」と、なっていったやさきに長徳の変がありますので。自分では対応しきれないところが出てくるんでしょうね。
友吉：
波乱万丈な時代の流れの中に、このイケメンがどう生きていくか、というところですよね。
三浦：
少しでもボタンをかけるのが違っていたら、もし父が生きていたら、あそこでああならなければ…きっと中関白家は、天下をとっていたんじゃないかなと思うんですけど。ちょっとした過ちが、ちょっとしたタイミングのずれが、まさかの悲劇になってしまうという。
友吉：
現場で印象深いことって、ございますか？
三浦：
セット自体がすごいじゃないですか、平安時代を映し出している。それもすごいんですけど、やっぱり衣装を着て全員がそろっていると、不思議と平安時代だなっていうのは毎回思いますね。１人で楽屋の鏡をパッと見た時には、何だろうっていうのはあるんですけど、不思議なもので、セットに入って全員がそろっていると、全然違和感がない。これはやっぱり、衣装部、結髪さん、美術部の力、これはすごいことだなって思いますね。
友吉：
スタジオの魔力というか、スタッフの総力というか。
三浦：
平安時代を生きてますね。
友吉：
今後の見どころは？
三浦：
伊周でいえば、やっぱり長徳の変を機に、きらびやかでいた伊周がどんどんと落ちていく様が、切なくもあり、はかなくもあり。でも、「人間ってこうだよね」っていうところが出せていればいいかなと思います。
友吉：
きょうは、藤原伊周役の、三浦翔平さんとご一緒にお送りしました。
【もっと、光る君へ】装飾 大角啓太郎さん（2024/02/18放送）
【もっと、光る君へ】高階貴子役 板谷由夏さん（2024/03/03放送）
【もっと、光る君へ】藤原斉信役 金田哲さん（2024/03/17放送）
【放送】
2024/03/31 「ラジオ深夜便」
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