大河ドラマ『光る君へ』をもっと、楽しむためのコーナーが「ラジオ深夜便」で放送する「もっと、光る君へ」。キャストやスタッフが、ドラマの現場から制作チームのこだわりをお伝えします。案内役は、ドラマの芸能シーンに携わる、芸能考証・指導の友吉鶴心（ともよし・かくしん）さんです。
【出演者】
友吉：友吉鶴心さん（薩摩琵琶奏者・『光る君へ』芸能考証・指導）
板谷：板谷由夏さん（高階貴子役）
貴子は現代女性にも通じる、芯の強さをもっている女性
友吉：
案内役の友吉鶴心です。
きょうは、高階貴子（たかしなのたかこ）を演じる、板谷由夏さんとご一緒にお送りします。
貴子さんは、道長の兄である藤原道隆の奥さん。道隆を演じるのは井浦新さん。
宮仕えの経験もあって、和歌や漢詩の教養満載。当時、大変に有名な女性だったようですが、ドラマの中では貴子さんはどんな女性ですか？
板谷：
貴子さんって、現代女性に近い気がしていて。旦那さんを立てていらっしゃる方だけど、自分自身の芯をきちんと持って、「自分はこうなんだ」という考えがあった女性のような気がするんです。女性がこうありたいと思う像に近いというか。どの時代も女性はやっぱり、そうありたいと思っている人たちがいるはずじゃないですか、そこは通じているというか。女性の芯の強さみたいなものを出せたらいいなと思って、演じています。
友吉：
伊周（これちか）さんとか、お子さんたちを育てる、お母様としてはいかがでしょうか。
板谷：
定子（さだこ）が庭で転んだ時に「自分で立ちなさい」ってぴしゃっと怒ったじゃないですか。あの、厳しさを持っていたら、伊周にも厳しくしたのかもと思うんですけど、伊周の甘えっぷりを、大人になった伊周を近々の撮影をしながら見てみると…もしかしたら、「定子は天皇家に行かなきゃいけないから厳しく育てたけど、男の子たちに対しては甘かったのかもしれないな」って。過保護だったのかもって、最近ちょっと思っています。「女子には厳しいけど、男の子たちは甘やかしちゃったんじゃない？ 貴子どう？」って（笑）。あの伊周の感じを見ていると、もうちょっと厳しく育てればよかったなと思ったりしています。
友吉：
どうですか、（藤原道隆役の）井浦新さんは？
板谷：
昔から役者友達としても仲がいいんですけど、旦那さんっていうのが初めてだったので、「やっと夫婦を演じられたね」って、そういう話はしましたね。
友吉：
お酒をたくさん召し上がる？
板谷：
そうなんですよ（笑）。いつも私、道隆さんにお酒をついでいるんです。で、すすめられちゃうんです。「一緒にどうだ」って言ってね。
友吉：
話は変わりますが、お箏を演奏してくださって。
板谷：
お箏、本当に楽しかったです。
この年になって、初めての習い事をするって、一歩踏み出さないとできないんだけど、ラッキーなことに、それがお役でできるって、「ツイてるわ、私！」と、思いながらやっていました。
やっぱり、楽器って、いいですよね。
友吉：
そうですね。
このドラマの中では、役者さんが（楽器を）弾いてくださることをできるだけリアルに、その音をドラマの中で使わせていただけたらと思っているので、貴子さんのお箏は貴子さんの音色で。
板谷：
まさか、音色まで採用してもらえるとは。あの時に先生（友吉さん）が、お香をたいてくださったじゃないですか。あのすばらしいセットの中で、お香の香りがして。スタジオだけれど夜の匂いがして、そこで（箏を）弾いた経験は貴重でした。
友吉：
今後の見どころは？
板谷：
私、本当に一視聴者としてハマってるんですよ。
道長とまひろちゃんの切ない恋愛というか、ソウルメイトのことが流れつつも、藤原家のあのドロッとした政権争いが同時進行で流れている。なのに、どこかでつながっている台本の巧妙さ。それが１本のドラマになると、すごく際立ちますよね。
友吉：
淡い恋なのか、思いなのか…。
板谷：
そう、あれが切ない。
友吉：
くっついたり離れたり、お互いの立場というものもあって。
板谷：
でも、心はつながってるって感じがね。
胸キュンなんですよ、見ていて。
友吉：
皆様もきっとそんな思いでご覧いただいているかと思いますが、今後も楽しく見ていただければと思います。
きょうは、高階貴子役の板谷由夏さんとご一緒にお送りしました。
【もっと、光る君へ】藤原為時役 岸谷五朗さん（2024/01/21放送）
【もっと、光る君へ】所作指導 花柳寿楽さん（2024/02/04放送）
【もっと、光る君へ】装飾 大角啓太郎さん（2024/02/18放送）
【放送】
2024/03/03 「ラジオ深夜便」
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