大河ドラマ『光る君へ』をもっと、楽しむためのコーナーが「ラジオ深夜便」で放送する「もっと、光る君へ」。キャストやスタッフが、ドラマの現場から制作チームのこだわりをお伝えします。案内役は、ドラマの芸能シーンに携わる、芸能考証・指導の友吉鶴心（ともよし・かくしん）さんです。
【出演者】
友吉：友吉鶴心さん（薩摩琵琶奏者・『光る君へ』芸能考証・指導）
岸谷：岸谷五朗さん（藤原為時役）
まひろ（紫式部）と為時、今後の親子関係が見どころのひとつ
友吉：
案内役の友吉鶴心です。
きょうは、主人公のまひろ/紫式部のお父様、藤原為時（ふじわらのためとき）を演じる岸谷五朗さんとご一緒にお送りいたします。
岸谷：
先生がラジオをやっているなんて！ 岸谷たちは稽古場で厳しい鶴心先生の指導を受けて、この大河ドラマをやっているんですが、多才ですね、先生！
友吉：
いやいや、とんでもございません。皆様のおかげでございます。
どうですか、為時を演じていらっしゃって。たくさん漢詩をよまないといけない（笑）、いかがですか？
岸谷：
大変です、本当に。先生が細かく丁寧に、ためるところとか、大事な部分はここだから少しゆっくりとか、いっぱい指導してくださって、そのおかげです。
でも、それを自然に、いつもやっていることとして表現していかなければいけないということが、やっぱりとっても難しいですね。
友吉：
そうですね、“上下”とか“レ点”とか“一二”っていう、文字を移動してよんでいきますので、それがみなさんに伝わらないと、漢詩をよんでいるように見えないじゃないかなと思いまして。ちょっと細かく申し上げてしまって、申し訳ございません。
岸谷：
鶴心先生が言ってくださっていることが、本当によく分かります。
今回、平安（時代）に挑戦するにあたって、端々にある言葉をなじませることは、もっとしっかり時代劇を演じるために気にしているところですね。為時さんというのが、やっぱり言葉に対して学んで、学問として学んでいる人なので。
平安時代の衣装の美しさとか、色彩とか、それから何といっても、漂う空気感みたいなものが、戦国とは全く違う。そこは大河ドラマという枠ではあるけど、本当に全く違うドラマが今作られているなって思いますね。
友吉：
建物も随分違いますから、抜けている空気が何かまた違った感じにも拝見できますしね。
岸谷：
ほんとそうですね。
住居とか建物とか、全く構造が違いますし、逆に我々はやっていて時代をワープさせてもらって、楽しいですけど。
友吉：
ずっと、素足ですしね（笑）。
岸谷：
素足なんです。しかも、我が藤原為時邸、紫式部のおうちなんですけれども、非常にまあ貧乏であるという、貴族でありながら…。（撮影が）終わると、足が真っ黒なんですよね（笑）。
岸谷：
普通、メイクを落とす道具があって、顔を拭くタオルをメイクさんが置いてくださるんですけど、もう１個、左側に雑巾があって。全員、そこで足を拭くという（笑）。それぐらい、私の家は汚いので。
ぜひ、今の藤原為時邸の美術さんのこだわっているところとかを見てほしいですね。
友吉：
１話をご覧になった方は、衝撃的な場面から…。
岸谷：
１話の展開は、僕も台本を読んでびっくりしました。こんなラストなんだって。
それに対して、紫式部と父親の藤原為時の確執が生まれて、２話からしばらくの間、なかなか親子関係がうまくいかないという時期に突入して。それが、またなじんでいって、愛情がお互い分かりだして…っていう、父子の関係というのは、いつの時代もやっぱりある事なんだなと。
友吉：
今後の見どころを。
岸谷：
この時代でいうと、女性がそんなに頭が良くなくてもいいんじゃないか…みたいなものが、この平安の時代にはあって。たくさんせりふで出てくるんですが、「お前が男子であったらよかったのに」って、女性である式部があまりにも優れた才能を持っているということに、為時は気が付いていて。
だんだん、やんちゃであった紫式部が、気が付けば父を抜いていき、家族を一番思い、どんどんしっかりしていく。その親子関係というのは、私が演じる為時側からみると、お客様に見てほしいなという。気付けば、式部が家を支え出すという。
友吉：
やっぱり、家族のすてきさっていうのも、あるんですかね？
岸谷：
そうですね、これは遠い千年昔の平安も今も、変わらないことだなという。
友吉：
きょうは、藤原為時役の岸谷五朗さんとご一緒にお送りいたしました。
【もっと、光る君へ】制作統括 内田ゆきチーフ・プロデューサー（2023/12/30放送）
【もっと、光る君へ】紫式部／まひろ役 吉高由里子さん（2024/01/07放送）
【放送】
2024/01/21 「ラジオ深夜便」
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