暮らしを豊かにする達人たちにお話を伺う「ライフスタイル 令和つれづれ草」。
アフロヘアーがトレードマークの元新聞記者・稲垣えみ子さん。今回は、ホームステイをして感じた、メキシコの家庭の食事についてお話しいただきます。(聞き手・村上里和アンカー)
【出演者】
稲垣:稲垣えみ子さん(元新聞記者)
暮らしを豊かにする達人たちにお話を伺う「ライフスタイル 令和つれづれ草」。
アフロヘアーがトレードマークの元新聞記者・稲垣えみ子さん。今回は、ホームステイをして感じた、メキシコの家庭の食事についてお話しいただきます。(聞き手・村上里和アンカー)
【出演者】
稲垣:稲垣えみ子さん(元新聞記者)
――きょうは、メキシコの話だそうで。
稲垣:
メキシコに半月くらい行ってきました。人生初のメキシコ、人生初のホームステイを体験しました。
――前々から計画されていたのですか?
稲垣:
そうですね。もともとメキシコという国を意識することはなく生きてきましたが、毎朝、近所のカフェにモーニングを私と同じように食べにくるメキシコ出身の方がいて、同じ時間にカフェで顔を合わせるうちに、仲よしになりまして、メキシコを意識するようになりました。
海外に定期的に行きたいと思っていたので、メキシコを調べたりして、そのメキシコのお友達にも相談をしたら「うちに泊まればいいじゃない」と言われて。「うちと言っても、実家よね? あなたがいるわけじゃないよね?」と。しかも半月だったので、ずうずうしいじゃないですか? でも「全然大丈夫だよ」と言われて。ただ、どのくらい甘えていいのか分からなくて、泊めていただければ十分なので、あとは自分で勝手にやっていればいいかなと思っていたのですが、本当に全力でよくしていただいて。
メキシコは、ピラミッドとか、古代のマヤ文明がいっぱいあって、そういうところに連れて行っていただいたりとか、海辺に別荘を持ってらっしゃるようで、そこにも連れて行っていただいたり、ダウンタウンやマーケットやレストランも連れて行っていただき、あとバレエ学校をされているので、職場にも連れて行っていただき、子どもたちの踊りを見せていただいたり、親戚にも紹介していただき、近所の人にも紹介していただき……(笑)。
――「うちの子と結婚する人です」ぐらいの勢いで!
稲垣:
そのくらいの勢いですよね。「せっかく来てもらったから、メキシコのことをよく知ってほしいし、メキシコを好きになって帰ってもらえたらうれしい」と言われて。すごくよくしてもらえたので、本当にメキシコが好きになりました。
――言葉は大丈夫でしたか?
稲垣:
スペイン語、まったくできないんですよ。「グラシアス(ありがとう)」くらいですよ。
――でも、楽しめたのですね。
稲垣:
英語を話せる方もいたので。私は片言ですが。でも温かい方々だったので、楽しく過ごせました。
――どんなところが、一番気に入りましたか?
稲垣:
印象に残ったことがいくつかありまして、きょうは、メキシコの食卓の話を。
ホームステイって、そのお宅の方と毎日一緒にご飯を食べるのですが、なかなか外国で普通の家庭の食卓を経験しないじゃないですか?
――レストランとかになりますよね。
稲垣:
外食になりますよね。
メキシコの食卓はすごく素朴で、ワンパターンなんです。主食がトウモロコシ。トルティーヤって聞いたことありますか? うす焼きのパンケーキみたいな。そのトルティーヤを基本的に食べるのですが、毎日「トルティーヤ、何枚にする?」って聞かれて、それを温めてくれます。おかずもだいたい決まっていて、まずは豆ですね。お父様が好きみたいで、だいたい黒豆です。
――黒豆が煮てあるのですか?
稲垣:
塩とオリーブオイルで煮ただけですね。あとは、鶏肉をゆでたものがときどきあったりなかったり、ごはんが日本とは違って長いお米なのですが、それを細かく切った残り野菜と一緒に塩味でゆでたものが付け合わせとしてあったりなかったり……。あと、ライムをかけたサラダなどがあって、それをトルティーヤの上に乗せて、好きなソースをかける。サルサソースなのですが、緑と赤の2つありまして、それを乗せて食べる。
日本の「ご飯に好きなものを乗っけて食べる」に似ているところがあって、すごく馴染みがあって、素朴でまったく飽きないんですよ。全部薄味なので、味付けは自分でソースをかけます。なので、すごく合理的で簡単でいいなと思いました。
昔から食べてきた普通の料理を、毎日満足して食べている人たちで。ついつい日本人は、ごちそうとか、食べたことないものを求めがちじゃないですか? 足元の幸せを知るというか……そういうのを知っている人たちで、安定感をすごく感じていいなと思いました。
――きょうは、メキシコの食べ物の話を伺ったところで時間が来てしまいましたが、メキシコのお話、たくさんあると思うので、またゆっくり聞かせてください。
稲垣:
ありがとうございました。
【放送】
2024/03/14 「ラジオ深夜便」
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