ほむほむのふむふむスペシャル~ほむほむと短歌を楽しもう! 入選作品を紹介

ラジオ深夜便

放送日:2023/11/30・2023/12/01

#短歌

11月30日(木)午後11時台から12月1日(金)午前0時台にかけてご紹介した作品です。

みなさん、ありがとうございました!

<紹介した作品>
省線降り都電乗り場はハチ公前新橋6番須田町9番   吉沢 孝

若き日の通勤列車の人混みに大根漬の匂う弁当   吉池 富貴勇

抵抗し嘶くも貨車に積みしとふ「軍馬慰魂碑」十勝野に古る   加藤 ハル子

乗り換えた東西線のシートから雨の匂い。あ、海から来たのか   森川 泉

「外回りの 山手線は 酔います」と 言い張る君と乗る4号車   ぽてと

下肥えを乗せたリヤカーあとをおすでこぼこ道はそっと行ってよ   安達 まさえ

焼け出され姉乗るリヤカー父が引き母我を孕み雪の中逃げき   初宿 信子

「乗り物」に反射するがに蘇へる七十年経しトロッコ遠足   浅沼 せつ子


父帰宅スーパーカブの荷台にはクリスマスツリー小雪に濡れて   シマミケ

慌てて切ったハンドルが軽トラを 揺さぶる 子ぎつねが立ちすくむ   山内 しじみ

長すぎるトレーラーの切り返し待つていたとき一度地球が終わったやうな   公木 正

除雪車のゆきかう音がこの町のすべての音である冬の夜   北山 文子

衣替え 古いコートの ポケットに ミニカーひそむ 懐かしあの頃   チャレンジばあば

地を離れオペ室は大気圏外へ 帰りは記憶の海に不時着   nanaho

定位置に いない彼女を 案ずるも 陽光にふと 気づく卒業   まあぼう


酔うからと行かれなかった遠足を時々思う古希の今でも   ねこ姫

パンクした自転車を曳く夜の道野犬が囲みジュースまき去る   白井 良彦

二十年過ぎて艶めく自転車は白狐となって我を誘ふ   雲井 淡水

補助輪を取れば転がる自転車に沈む夕日が頑張れと言ふ   髙橋 義治

観覧車輪廻転生した気分前世の記憶残したままで   山田 知明

盛大にコーヒーカップ回されて3秒くらいで嫌いになった   安達 萌菓

シャンシャンと馬ソリで登校吹雪く朝 真っ赤な両手に息吹きかけて   髙橋 千賀子

カーテンをサッと開ければ元担任レントゲンバス間接抱擁   そんなぢゅんこ

キャンピングカーを買いたい牧さんとふたりで害虫駆除の現場へ   海老沼 夕


<ほむほむ賞>
パンクした自転車を曳く夜の道野犬が囲みジュースまき去る   白井 良彦

ラジオ深夜便

[R1] 毎週月曜~日曜 午後11時05分
[FM] 毎週月曜~日曜 午前1時05分

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【放送】
2023/11/30・2023/12/01 「ラジオ深夜便」

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