【大竹しのぶ サイコロ回顧録】撮影中に金縛りにあった

24/03/06まで

大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”

放送日:2024/02/28

#ライフスタイル#映画・ドラマ#舞台

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24/03/06まで

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<7歳の娘が、5歳のときに初めて“スピーカーズコーナー”を聞いてから、この番組が大好きになり、私がラジオでニュースを聞いているときでも「大竹しのぶ、聴きたい」とほぼ毎日聴き逃しで何回も何回も聴いています。聴き終わってからは、番組で流れる80年代、90年代の歌を口ずさんでいます>というお便りに、「え、すごい! 80年代、90年代の歌を歌ってくれるなんて! じゃあ、もう前世は、前からつながっていたかもしれませんね!」としのぶさんのOPトークからスタート。


大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”
R1・ラジオ第1 毎週水曜日 午後9時05分~9時55分

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1981年は、テレビドラマ7本出演に舞台、CDも

私、大竹しのぶは去年(2023年)の秋、なんとデビュー作のドラマ『ボクは女学生』の放送開始から50年を迎え、……自分で言いたくはないんですけど、全然うれしくもないんですけど、芸能生活50周年イヤーに入っています。そんな節目の年を迎えたこれを機に、これまでの活動を振り返ってみよう、そしてお世話になったみなさんに感謝を伝えていこう、というのがこのコーナーでございまして。

今、スタジオには、年代別に私の出演作などをまとめたリストと、サイコロが2つ用意されています。サイコロは、1つが、私がデビューした1970年代の“197”から2020年代の“202”までの数字が書かれた六面体、もう1つが、0から9までの数字が書かれた十面体。この2つのサイコロを振って、出た目の年代の作品について振り返ってみたいと思います。

前回は私が22歳のときの、1979年の映画『あゝ野麦峠』のお話をしました。

【大竹しのぶ サイコロ回顧録】1979年 女工哀史ならぬ女優哀史?(2024/01/31放送)

今回は何年が出るのでしょうか? ではサイコロを振って…。

カラカラカラカラ~♫(サイコロを振る)
えっ? 1981年?!

えっ…?! そんな昔からもうやってんの! もうやだ、私(笑)。いや~、私1981年ってもう9年もやってんの? やだー! もう、本当、やりすぎでしょう。1981年は何をしたかというと、24歳の時ですね。ドラマ『和宮様御留』(かずのみやさまおとめ)、『かげろうの死』、『母たることは地獄のごとく』、『遥かなり、マイ・ラブ』、『タクシー・サンバ』、『山を走る女』、『出航』。すごいね、テレビ。スペシャルドラマばっかりですね。1、2、3、4、5、6、7本、これ、ほとんどスペシャルドラマでした。

それから舞台、『息子の結婚』というので、宇野重吉さんが演出ですね。そして『クマのプーさんとクリストファー・ロビンの歌』というCDを出していますね。

すごいですね。これ…。え~! どうしよう、これだけでね、1時間ぐらいしゃべれるな~。何をしゃべろうかな? 舞台『息子の結婚』で宇野重吉さんと出会ったことも、大きな、大きな喜びで、そこで奈良岡朋子さんと一緒に地方の舞台を回ったことも大きかったんですけれども。

『和宮様御留』という、あの有吉佐和子さん原作のドラマ、お正月のドラマだったと思うんですね。私は、和宮様の身代わりみたいな、貧しい、貧しい少女だったんですけれども、拾われて、宮中に入られて、「和宮になれ」って和宮を守るために、私は和宮の衣装を着せられていて、ちょっと精神を病んで、最後おかしくなってしまうという…。

で、祇園さんのお祭りが大好きで、祇園祭のコンコンチキチンを聞くと、外に行きたいのに宮中に入れられて、家の外に行けないっていうようなすごくかわいそうな少女、少女の役をやりました。

すごい今でも覚えているのが、そのコンコンチキチンコンチキチンという祇園祭の声が聞こえて、で、すごくその精神が破壊されているのが、はっきりわかるっていうシーンを初めて撮るときに「祇園さんや、祇園さんの音が聞こえる」みたいなことをいって、ちょっとそこから踊りだすみたいなシーンがあるんですけども。その付けられた演出が、どうも自分は違うんじゃないかと思って…。

その井戸にうずくまって、“音が聞こえる、そして、踊りだす”っていう、つけられた動きが「ちょっと違うんじゃないかな」って思いながらも、24歳、まだ9年目、若い娘役ということで、言えなかったんですね。そのリハーサルのときとか…。

でも、カメリハ、ランスルーで、次が本番になって、次はちょっと精神状態がおかしい女の子にならなくちゃいけないわけだけど。自分の中でこう心と頭がちょっと違うっていうのは分かっていてですね、で「用意、スタート!」ってかかったときに、金縛りになっちゃったんです(笑)。

本当に、本当の、金縛りで。自分で「動かなくちゃ」って思いながらも、顔も手も足も本当に凍っちゃったみたいに…。みんなびっくりして、フロアディレクターの人が、キューを出して、ヒュッヒュッって台本を振っているんだけど、金縛りの私は、そのまんま立ち尽くして、そのままガッチガチに凍っちゃった人間みたいになっちゃって、本当のただの金縛りになっていて、「ストップ! ストップ!」ってもうVTRが止められて。

みんなザワザワして、そのまま氷のように固まっていて、それで少しずつ金縛りが解けて(私が)言った言葉が「これ、違うと思う」って言ったんですよ。ひどいよね。監督さんに…(笑)。

「だったら最初から言えよ!」と思うんだけど。(監督が)「どうしたの? 大丈夫?」って言われて「これ、違うと思う」って言って…。あとで私は、「この動きは、違うと思います。ここをこう、こうこう動きたい」って言って、「ああ、もう、自由にやって!」って言われて…。ほんとに…。言いたいことは、最初から言う、言った方がみんなに迷惑がかからないなっていうことを学んだのがこの『和宮様御留』でした。

24歳のときの私、そこからは自分の思ったことは「私はこう思います!」って言わなくちゃって、私、大竹しのぶは学習しました。ああ~、もう。いっぱいいろんな話ができるのに、この年こんなにたくさんのドラマで忘れられないことが、たくさん、たくさんありました。でももう時間がないので、今度またこの年が出たときにお話ししたいと思います。「ああ、おもしろかった!」ということで、今回は1981年を振り返りました。

大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”

ラジオ第1
毎週水曜日 午後9時05分~9時55分

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【放送】
2024/02/28 「大竹しのぶの“スピーカーズコーナー”」

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