放送を聴く
24/02/20まで

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音楽クリエイターのヒャダインさんが最新の音楽情報を紹介する<ヒャダインの音楽室>。今回は、声を張り上げず、幻想的に歌うケニア・グレースと、作曲家・筒美京平さんも「大好きな三大ボイスのひとつ」と語る、松本伊代さんです。

2月の注目曲 ケニア・グレース「Strangers」

ケニア・グレースは、イギリスのシンガーソングライターで、音楽プロデューサーです。「Strangers」は、去年9月にリリースされた楽曲で、全世界で大ヒットしています。

ここ数年はやりの、シンセウェイヴと言われる、80年代後半のような音と、リズムは「ズンズンカッ」というような、いわゆるドラムンベースです。ドラムンベースは、90年代後半~2000年代前半にはやったビート。なので、まさに今はやりのY2Kを意識している楽曲だなと思って聴いておりました。

日本では、2000年代の時は、m-floが、ドラムンベースや、ツーステップと言われるビートをやっていました。私も、40代でございますので、「このビートちょっと懐かしいな」と感じるのですが、ファッションも、音楽も、「すべての流行は繰り返すんだな」と感じました。僕が20代の時も、大人の人達が「流行は繰り返す」なんて言っていましたが、それを感じる側になってしまったのだなと、自分の老いも感じた瞬間でございます。

このケニア・グレースのボーカルもすてきですよね。声を張り上げず、幻想的に歌う歌唱法。ビリー・アイリッシュもそんな感じですよね。ボソボソボソと歌う感じ。
昔のディーバ(歌姫)のイメージと言えば、マライア・キャリーや、ホイットニー・ヒューストンみたいに“張り上げてなんぼ!” そんなイメージだったのですが、最近のディーバは違いますね。幻想的に、抑えて抑えて。「え、何か言った?」ぐらいの音量で歌うのが、今っぽいのかなと思いました。肩の力が抜けた感じが、新しい歌姫の形なのかなと思いますね。人気になっていきますので、ケニア・グレースをぜひチェックしてみてください。

2月の気になる人 松本伊代

♪松本伊代「信じかたを教えて」

松本伊代さんは、いわずと知れた80年代に活躍したアイドル。「信じかたを教えて」は、1986年発表の19枚目のシングルレコードです。この曲を昨年、作曲家の林哲司さんのコンサートに行った時に、ゲストで松本伊代さんがいらっしゃって、歌っていたのを聞いて、松本伊代さんのボーカルは本当にすてきだなと改めて思いました。

声質が独特で、大作曲家・筒美京平さんも「大好きな三大ボイスのひとつ」と言っているんですよね。ちなみにもうお二人は、郷ひろみさんと、平山みきさん。松本伊代さんの声に関して、「ちょっと甘えっぽく、少年的でもある伊代さんの声が私は大好きです」と評されています。たしかに、「センチメンタル・ジャーニー」の語尾のはね方や、ちょっと鼻にかかったような歌声が、すごく天真爛漫(らんまん)で、「ネアカ」な曲と合うなと思っていたのですが、今聴いていただいた曲はすごく意外で、しっとりした曲も歌えて合っているんですよね。「センチメンタル・ジャーニー」は「16だから~」だったわけですよね。16歳の頃から成長されて、大人っぽくなったからこそ歌えた曲ですよね。

なので、私が最近やっていることは、デビュー曲のイメージで止まっているアーティストの、数年後のアルバムを聴いて「勝手に成長を感じよう」ということをやっておりまして、最近は松本伊代さんを聴いております。

音楽室で待ってます。ヒャダインでした。


【放送】
2024/02/10 「マイあさ!」

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