放送を聴く
23/12/25まで

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音楽クリエイターのヒャダインさんが、最新の音楽情報を紹介する<ヒャダインの音楽室>。今回は、大人気韓国のグループBTSのジョングクと、大ヒット映画の世界観にぴったり合った音楽を手がけた作曲家のブライアン・タイラーです。

12月の注目曲 ジョングク「3D(feat. Jack Harlow)」

こちらの楽曲は、大人気韓国のグループBTSのジョングクが、アメリカのラッパージャック・ハーロウを迎えて、ことしの9月に発表した楽曲で、今世界的にも大ヒットしています。

BTSはみんなで集まってもすごいですし、ソロでもすごい成績を収める。この曲を聴いたときに、ジョングクさんが歌っているとは思わず、ネイティブの英語話者が歌っていると思ったんですよね。そのぐらい英語の発音もきれいです。

私が気になった点なのですが、この曲を聴いたら2010年代を思い出すんですよね。最近Y2Kなんて言葉もはやっておりますが、要するに2000年代がすごくはやっているんですよね。2001年・2002年とかの音楽やファッションがはやっていますが、この曲は2010年代なんですよね。2010年代の音楽をいち早く新しいものとして取り入れていて、ジョングクさんの感性はすごく早いですよね。

一時期、シティ・ポップがはやって80年代の楽曲を取り入れたりとか、90年代初頭のちょっとバブリーなサウンドを取り入れたりするのは、もう当たり前になっていて、その後Y2Kサウンドやハイハットなどを取り入れ始めている中、ジョングクさんは、2010年代を引用しているのはおしゃれですね。感性が本当にとがっているなと思った1曲でした。

12月の気になる人 ブライアン・タイラー

♪「Welcome to the Mushroom Kingdom」/ブライアン・タイラー
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』より

ブライアン・タイラーは、『ランボー』や『アベンジャーズ』といった、映画やテレビドラマの音楽を手がけてきたアメリカの作曲家です。今聴いていただいたように、ゲーム音楽を壮大な映画音楽にアレンジするといった活動もされています。

世界的に大大大ヒットしました『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。この映画は3回見ましたね。あまりにもおもしろくて、映画館でも見ましたし、飛行機の中でも見ましたし、いろんなところで見ましたね。よくできているんですよ。もちろん皆さんご存じの「スーパーマリオ」を主題としているのですが、最新のCGテクニックを使いつつ、ストーリーも爽快ですし、ピーチ姫の扱い方も、ただ守られるだけのお姫様じゃなくて、今っぽくアジャストされているすばらしい作品だったのですが、音楽がこれまたすばらしかったんですよ。

今聴いていただいたように、昔のファミコン、そしてスーパーファミコンの「スーパーマリオ」の楽曲をうまいこと使ったり、元々のファミコンの音をそのまま拝借して使ったプラス、新しいアレンジを加えるという、すごく高度なことをしていて、しかも1曲の中に何曲も引用を入れているんですよね。

オーケストラの使い方も本当にすばらしくて、やっぱり熟練されているので、ただオーケストラを漫然と使ってるわけではなく、一個一個の楽器がすごくエネルギッシュに聞こえるんですよね。これされたら何もできんよという。私もゲーム音楽をリミックスして、新たな感覚で提供する活動をやっていましたが、「これにはかなわん」と思って白旗降参。大拍手ですね。

サンプリングの技術もすばらしいし、何より映画の世界観にぴったり合った躍動的な音楽、ぜひぜひ皆さん、映画だけではなくて、サウンドトラックも聴いていただければ、楽しさが3倍~4倍にもなりますので、聴いてみてください。

音楽室で待ってます。ヒャダインでした。


【放送】
2023/12/16 「マイあさ!」

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