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2020年7月28日(火)放送より

――加齢臭はどんなニオイなのでしょうか。

関根さん: ニオイのサンプルをお送りしましたので、嗅いでみてください。

――小さな瓶に入っています。ふたを開けてみます。何のニオイだろう……、かなり強いのですが、表現できない……。

関根さん: 一般的に加齢臭は、「枯れ葉・古本・古い畳のようなニオイ」と表現されることが多いです。

――枯れ葉のニオイと言われると、そういう感じがします。古い畳、換気の悪い和室に入ったような感じでしょうか。かなりきついニオイです。
加齢臭はどうして出るのですか。

関根さん: 加齢臭の原因は、皮脂(ひし)、つまり皮膚の脂が太陽の光などを浴びて変化してできる「2-ノネナール」という成分です。

――どのくらいの年代の人に多いのでしょうか。

関根さん: 加齢臭は、大体50代を超えると気になり始めます。年齢を重ねると皮脂の分泌量そのものは減っていきますが、脂の種類が変化して、2-ノネナールができやすくなるんです。

――若い人の脂は変化してもにおわないけれど、年齢を重ねた人の脂は変化したときににおってしまうのですね。

関根さん: そのとおりです。これはすべての人に当てはまりますので、皮脂が酸化すれば加齢臭が出てしまうんです。女性は皮膚の脂の量が男性の8割ほどといわれていますが、男女でそんなに差がありません。

――加齢臭を防ぐには、よく洗って脂を落としたほうがいいのでしょうか。

関根さん: 実は、そうでもないんです。
硬めのナイロンタオルといったものを使ってゴシゴシ洗いますと、「体をきちんと洗えた」という感じはしますが、皮膚の脂を落としすぎると、加齢臭対策としては逆効果なんです。そもそも皮膚の脂は皮膚を守るために分泌されているものですから、落としすぎてしまいますと逆に分泌量が増えてしまうんです。

――ニオイが気になるからといって、ゴシゴシ洗ってしまうのは逆効果なのですね。

関根さん: そのとおりです。体を洗うときは、泡立てたせっけんを体全体に手で伸ばすように、優しくマッサージするように洗うほうが加齢臭予防には効果的です。せっけんをつけて洗えば、優しく洗っても加齢臭のニオイ成分は十分洗い流せます。

――ほかにも加齢臭を防ぐ方法はありますか。

関根さん: 抗酸化作用の高いものを食べることで皮脂の変化を防げることが分かっています。イギリスで行われた研究ですが、抗酸化作用がある「アントシアニン」を多く含んだカシスという果物を1週間毎日6グラム食べると、加齢臭の原因の2-ノネナールが47%も減少しました。

――かなり効果があるのですね。ただ、カシスはなかなか売っていません。

関根さん: 確かにカシスはあまり見かけないかもしれません。カシスに近い果物ですと、ブルーベリーにもアントシアニンが多く含まれています。生で食べなくてもいいので、例えばブルーベリージャムといったものでも効果が期待できます。1日にスプーン1杯でも食べれば十分です。パンやヨーグルトと一緒に食べてみてください。

マイあさ! 健康ライフ「体のニオイとの上手な付き合い方①」

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2020年7月28日(火)放送より