ながおそうへいくん(6歳・神奈川県)からの質問に、「動物」の田中理恵子先生が答えます。(司会・柘植恵水アナウンサー)
【出演者】
田中先生:田中理恵子先生(埼玉県こども動物自然公園園長)
小林先生:小林快次先生(北海道大学総合博物館教授)
そうへいくん:質問者
――お名前を教えてください。
そうへいくん:
そうへいです。
――どんなことが聞きたいですか?
そうへいくん:
ドラゴンの画像があるんですけど、それは本物ですか? フェイク画像ですか? ドラゴンの画像を見たときに思いました。
――「フェイク」という言葉、知っているの?
そうへいくん:
はい。
――にせもの、みたいな?
そうへいくん:
はい。今まで本や図鑑をいっぱい読んできたんですけど、テレビでも見た。
――いろいろ見てそう思ったんですねぇ。「動物」の田中先生に聞いてみましょう。お願いいたします。
田中先生:
こんにちは、そうへいくん。
そうへいくん:
こんにちはー。
田中先生:
ドラゴンの画像は何で見たの? もう1回教えてもらえる?
そうへいくん:
テレビ。
田中先生:
どんな絵だったか教えてもらっていい?
そうへいくん:
はい。えーっと、中国で空を飛んでいるドラゴンの画像が撮られて、それを僕、見たんだけど。
田中先生:
なるほど。それは例えば頭はどんな感じでした?
そうへいくん:
頭は明らかにみんなの知っている動物ではない頭で、そして羽が生えてて、めちゃくちゃ大きくて、そしてしっぽがあって、まさに“ドラゴン!”って感じだった。
田中先生:
なるほど(笑)、そうですか。そうへいくんはドラゴンは実際にいると思う?
そうへいくん:
思う。
田中先生:
うん。あのね、たぶんドラゴンは、人間が想像した、つくりものの生き物なんです。実際にはいないと私は思います。
そうへいくん:
でも、でも……昔にはいたらしいよ。
田中先生:
あぁ、いたらしいのね。ツノもあったよね、きっと。
そうへいくん:
はい、ありました。
田中先生:
体が長くて羽があって、足もあった?
そうへいくん:
はい。
田中先生:
強そうだった?
そうへいくん:
はい。あと、フェイクにしては、CGにしては、すごく羽とかリアリティーが大きいんですけど。
田中先生:
なるほど。見てみたいなぁ。実は世界中でいろいろな人が、いろいろなドラゴンをいっぱい描いているんです。でも、まだ写真は見たことがないよね。
そうへいくん:
写真、見たことありますよ。
田中先生:
えっ、あるの?
そうへいくん:
うん。
田中先生:
そうへいくん、見たことあるの?
そうへいくん:
はい。えーっと、ドラゴンの頭とか竜の骨とか、いっぱい見たことありますよ。
田中先生:
そうか、そうなのね。たぶんそれは……えーっと……例えば化石の骨とかワニの骨とかそういうのを、ドラゴンだったんじゃないかと想像した人がいたと言われています。
そうへいくん:
でも、でも……なんか、まぁ竜っぽいことがあって、竜じゃなくて、羽がなくてツノがあって、そして目は化石になんないからないけど……あれっ? 昔、7メートルのワニがいたって聞いたなぁ。骨の正体はそれに間違いないかもしれないな。
田中先生:
おぉ、そうかもしれないね。そうへいくん、さっき、「CG」って言ってたよね。
そうへいくん:
はい。
田中先生:
画像とか映像って、今はそういうので作れるよね。
そうへいくん:
はい。
田中先生:
だからもしかすると、本物じゃない可能性もあると思わない?
そうへいくん:
はい。でも明らかに骨は本物だと思います。
田中先生:
昔の人はね、天気が悪くなって空が真っ暗になって、嵐が起こって竜巻みたいなものが起こると、そういうのを竜じゃないかなと想像していた人もいっぱいいるんです。だから竜を信じている大人の人もたぶんいると思うんだけど、本物を見るまでは、私はいないと思っているんです。そうへいくんは信じているよね。
そうへいくん:
はい。
田中先生:
うん。信じている人もたぶんいると思います。でも、どうしてこんなに世界中のいろいろな国で、同じようなドラゴン、竜を描いているのかと想像すると、もしかしたらたくさんの人が、恐竜の化石とかワニの骨とか竜巻とかから、こういう動物がいるんじゃないかなと想像したということも考えられるよね。
そうへいくん:
でも、でも……竜の骨は、たぶん7メートルのワニの両手と両足が、水に流されて、そして水が乾いて、それを竜の骨とかに描いたんじゃないかなぁ。
田中先生:
そうかもしれないね。ちょっと……小林先生に助けてもらおうかな(笑)。
――小林先生、「ダーウィンが来た!」(お正月特集 龍のナゾを大研究! 2024.1.14放送)という番組に出ていらっしゃいましたね。
小林先生:
そうですね。ことしは辰(たつ)年で、竜の番組がありました。マチカネワニというワニがいるんだけど、それに似たワニが中国で見つかって、それが竜、ドラゴンのもともとのモデルじゃないかという話があります。そうへいくんが言っている映像も見てます。“中国で撮られたドラゴン”みたいなやつだよね。
そうへいくん:
うん。
小林先生:
あれはねぇ、あんな翼では飛べないです(笑)。なので先生たちから見ると、明らかにつくりものだな、って。ごめんね。でももしかしたら、いる、かもしれない? どうでしょう、田中先生。
田中先生:
そうですね、完全にいないとは言えないかもしれないですけど、ただ、いろいろな人がいろいろなところからいっぱい想像したけど、今のところ実際に本当に肉眼で見た人は、たぶんいないですよね。
小林先生:
そうへいくん、マチカネワニって見たことある?
そうへいくん:
見たことはない。
小林先生:
神奈川県の近くだったら、静岡県の熱川バナナワニ園とか、東京駅を丸の内側に出たところに東京大学の博物館(インターメディアテク)があってそこで見られるんだけど、すごくドラゴンっぽいから、1回マチカネワニを見て、またちょっと想像してもらうといいかなと思います。
田中先生:
そうですね。そういう場所に行ってマチカネワニを見て、これに羽が生えたら飛べるかなって、想像してみてください。
そうへいくん:
はい。
――そうですね。そうへいくん、大丈夫ですか?
そうへいくん:
はい。
――よかったです。自分の言葉でいっぱい質問してくれて、本当にありがとう。また質問してくださいね。
そうへいくん:
はーい。
田中先生:
そうへいくん、ありがとー。
――さよなら~。
そうへいくん:
さよなら~。
田中先生:
さよなら~。
小林先生:
さよなら~。
【放送】
2024/03/10 「子ども科学電話相談」