10時台を聴く
24/04/07まで

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かんたろうくん(5歳・東京都)からの質問に、「天文・宇宙」の永田美絵先生が答えます。(司会・柘植恵水アナウンサー)

【出演者】
永田先生:永田美絵先生(コスモプラネタリウム渋谷 チーフ解説員)
田中先生:田中康平先生(筑波大学生命環境系助教)
福田先生:福田寛之先生(気象予報士)
かんたろうくん:質問者


――お名前を教えてください。

かんたろうくん:
かんたろうです。

――どんな質問ですか?

かんたろうくん:
地球が割れたら中身はどうなるんですか? 恐竜の番組で巨大隕石がぶつかるのを見てそう思いました。

――そういう番組を見て、地球が割れたらどうなるのかなと疑問に思ったんですね。永田先生に教えてもらいましょう。お願いいたします。

永田先生:
はい。かんたろうくん、こんにちは。

かんたろうくん:
こんにちは!

永田先生:
はーい、とっても元気いいですね。でも、地球が割れたらって、すごい質問ですよね。じゃあね、お星さまの話にしようかな。もし、地球にとても大きな隕石がぶつかったら、地球が割れちゃったら、ということなんだけれども、むかしむかし、地球は46億年くらい前に生まれたんだけれども、そこからちょっとしてから、地球に大きな天体がぶつかったことがわかっているんです。

かんたろうくん:
はい。

永田先生:
火星くらいの大きさだったようなんですけれど、とても大きな星がぶつかって、地球が割れちゃったみたいなんです。でも、そのぶつかったお星さまのかけらと、もともとあった地球のかけらが、やがてまた一緒になって地球ができて、そのぶつかった天体は、地球の周りを回るようになったんです。さあ、かんたろうくん。地球の周りを回っているお星さまって、何だと思う?

かんたろうくん:
うーん。

永田先生:
かんたろうくんも、夜、見えているときもあるんじゃないかなぁ。

かんたろうくん:
星座?

永田先生:
おっ、星座……もうちょっと近いところなんだけれども、昔の人が、うさぎさんが住んでいるんじゃないかなぁと思ったお星さまなんだけど。

かんたろうくん:
月?

永田先生:
そう、当たり! 月なんです。地球には昔、大きな星がぶつかっちゃったみたいなんだけれども、とても大きなものがぶつかっても、地球のかけら、いろいろなお星さまのかけらには引っ張る力があって、長い時間をかけると、やがてまた元の地球に……元の地球というと変だけれども、また1つのお星さまに戻ると考えられているんです。

とはいっても、何か大きな天体がぶつかると、何もいなかった昔の地球だったからよかったけれど、もしそこにいろいろな人たちが住んでいるとなると、これからぶつかるとなると、とても大変だよね。実は、生き物がいる時代にぶつかったこともわかっているんです。そこは「恐竜」担当の田中先生に聞いてみたいと思います。田中先生、お願いします。

田中先生:
はい。かんたろうくん、こんにちは。

かんたろうくん:
こんにちは。

田中先生:
かんたろうくん、テレビで隕石がぶつかるところを見たって言ってたよね。恐竜が出てた?

かんたろうくん:
出てました。

田中先生:
それで恐竜、どうなっちゃった?

かんたろうくん:
死んじゃってた。

田中先生:
そうだよねぇ。大きな隕石が落ちて、恐竜たち、たくさんの生き物が絶滅しちゃったんだよね。

かんたろうくん:
はい。

田中先生:
とても悲しいことだけど、でも全部の生き物が死んだわけではなくて、生き残った動物たちがそれからまた徐々に増えていって、今、いろいろな生き物がいるよね。

かんたろうくん:
はい。

田中先生:
隕石が落ちるのはちょっと怖いかもしれないけれど、そのあとに生き物たちの進化がまた起こるということがわかっていますよ。

かんたろうくん:
はい。

田中先生:
こんな感じで、よろしいですか。

永田先生:
田中先生、ありがとうございます。かんたろうくんが心配してくれているとおり、宇宙には地球のほうに向かって飛んでくる隕石が結構あるんです。だから地球に隕石がぶつかるというのは、「全くありません。ゼロです」ということはないんですね。

地球に住んでいるいろいろな大人の人たちの中には、戦争をしたり地球を壊しちゃう大人もいるんだけれども、地球のことをもっと守ろうよ、私たちが住める星は地球しかないから、その地球を大切にしていこうよという大人もいっぱいいます。そんな中で、スペースガード協会というのがあって、もしも地球にぶつかりそうな天体があったら、事前にその天体を見つけて、いろいろな方法があるんだけれども、地球にぶつからないようにしようという研究をしている人もたくさんいるんです。

なのでね、私、かんたろうくんがこの質問をしてくれたのは、すごくうれしいなと思っています。「いや、そんなことないよ」と笑って何も考えない人も多いと思うんだけれども、そんな中でかんたろうくんは、5歳なのに地球のことをちゃんと考えて、「本当に地球に何かぶつかるんじゃないか」と質問をしてきてくれたのは、すごくうれしいなと思います。かんたろうくん、これからも、「大きな地球の中の私たち」という視点でいろいろなことを考えてくれると、とっても世の中がよくなるんじゃないかなと私は思ったりします。

かんたろうくん:
はい。

――かんたろうくん、最初の質問で、「地球が割れたら中身はどうなるんだろう」というのもありましたね。

永田先生:
あっ、そうですね、それを言わなきゃですね。かんたろうくん、地球は、大きなプレートといって、まず地面があるのね。その中にマントルというのがあるんだ。なので、たぶんバーンと何かぶつかったら、これがもうバラバラになって飛び出しちゃうんじゃないかなと思うし、当然その前に大きな津波も起こってくるだろうし、とても私たちが住める状態ではなくなっちゃうのよね。本当に何かぶつかっちゃうと、大変なことになっちゃうことがわかっています。結構、小さな隕石でもぶつかると大変ですからね。

――恐竜がいた時代に隕石が落ちたという事実はありますけれど、永田先生がおっしゃったスペースガード協会のように、何とか地球を守っていこうと考える人たちも世界で活動しているんですね。

永田先生:
そうなんです。隕石というのは結構地球に降り注いでいて、中には大きなものもあって、ニアミスで地球のすぐそばを通り抜けるというのもわりとあるんです。ですからいち早くそういう天体を見つけて、見つけたら、いろいろな方法があるんですけど、例えばバンと何かをぶつけて爆破するとかいうのは破片が降り注いできちゃうので危ないので、その天体の近くをロケットのようなもので並走して、一緒に宇宙空間を少し動いていくだけで、その引力で少し隕石の軌道が変わったりするんです。そういった方法でいち早く見つけて近くに飛ばしたりとか、いろいろな方法が今、考えられているんです。

――「軌道を変える」というのは、地球に行く方向じゃなくて、ちょっと避けるようにということですね。

永田先生:
はい、そうなんです。

――「天気・気象」の福田先生もいらっしゃいますが、もしこういうことが起こったら、天気もがらっと変わりそうですね。

福田先生:
地球が割れるくらいの?

――はい。

福田先生:
地球が割れるくらいということは、たぶん先ほど言っていたようにマントルとか火山が爆発して火山灰とかも出てきますので、そうすると恐らくなんですけど、空気中にチリとかホコリが大量に出ちゃうんですよね。それが太陽の光をさえぎって地球が寒くなってしまう、気温が下がってしまうということは考えられるかなと思います。

――どうでしょう、かんたろうくん。隕石が地球にぶつかったら本当に大変なことになるのかなと先生方が言ってくれましたけれども、そうならないように、いろいろな専門の先生たちが考えてくれているみたいですよ。

かんたろうくん:
はい。

――大丈夫かな? ちょっと心配になっちゃったかな。

田中先生:
ちょっと1個だけ付け加えると、かんたろうくん、恐竜時代の終わりに落ちた隕石は、確かに大きな隕石だったんだけど、地球を割るほどではなかったと思うんだよね。ぶつかったその隕石が熱で溶けて破片が飛び散ったりとかはあるんだけど、地球は割れてはいないと思うんだ。そのかわり、クレーターという、ちょっと大きなへこんだ部分ができたんだけどね。だから割るほどのものではないから、そんなに心配しなくていいと思うよ。

――心配かもしれないけれども、バンと割れるようなことではないんじゃないかな、と。

田中先生:
そうですね。

永田先生:
逆に、割れるくらい大きな隕石は相当前から見つけて軌道を計算してわかるので、逆に止めやすいんじゃないかなと思うんです。ちっちゃいほうが結構わからないんですよ、ぎりぎりまで。

福田先生:
天気と違って、宇宙の物体というのは、どこに進むのかがしっかり予測できるといいますからね。

――かんたろうくん、先生たちも真剣にいろいろアドバイスをくれましたけれど、どうでしょうか。

かんたろうくん:
わかりました。

――永田先生が、かんたろうくんのように「どうなるんだろう」と一生懸命考えることは、すごく大事ですよ、すてきなことですよとおっしゃっていましたね。これからもいろいろ興味を持ち続けてくださいね。

かんたろうくん:
はい。

――質問してくれてありがとうございました。

かんたろうくん:
ありがとうございました。

――さようなら。

かんたろうくん:
さよなら~。

永田先生:
さよなら~。

田中先生:
さよなら~。

福田先生:
さよなら~。


【放送】
2024/02/11 「子ども科学電話相談」

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