10時台を聴く
24/03/17まで

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いわさきつむぎさん(小学2年生・神奈川県)からの質問に、「恐竜」の田中康平先生が答えます。(司会・柘植恵水アナウンサー)

【出演者】
田中先生:田中康平先生(筑波大学生命環境系助教)
西本先生:西本昌司先生(愛知大学教授)
つむぎさん:質問者


――お名前を教えてください。

つむぎさん:
つむぎです。

――どんな質問ですか?

つむぎさん:
日本には何か所ぐらい発掘場所があるんですか? 神奈川県の近くで発掘できる場所はあるんですか?

――化石を見つけに行きたいなと、思っているんですか?

つむぎさん:
はい。

――あぁ、そうですか。これは田中先生、お願いします。

田中先生:
はい。いわさきつむぎさん、こんにちはー。

つむぎさん:
こんにちは。

田中先生:
つむぎさんは、化石を見つけたいんだね。恐竜化石? それとも違う化石でもいいの?

つむぎさん:
恐竜化石。

田中先生:
恐竜化石ね、わかりました。じゃあ最初に、日本で恐竜化石が見つかっているのはどういうところがあるのかをお話ししたあとに、神奈川県の近くで化石を見つけられるところがあるかというお話をしましょうね。つむぎさんは、日本から恐竜化石が見つかっているのは知っているよね?

つむぎさん:
はい。

田中先生:
どこで見つかっているか、知ってる?

つむぎさん:
福井とか北海道とか。

田中先生:
そうだね。福井も北海道もすごく有名なところだね。日本は47の都道府県があるんだけど、そのうちどれぐらいの県から恐竜化石が見つかっているか、わかる? どれくらいだと思う?

つむぎさん:
……10?

田中先生:
10ぐらい? 実はもっと見つかっています。正解を言ってもいいかな?

つむぎさん:
はい。

田中先生:
2022年時点の話だけれども、19の道県から恐竜化石が見つかっています。47都道府県のうちの19だから、4割ぐらい。日本では恐竜化石が結構いろいろなところで見つかっているのね。19の北海道と県から見つかっていて、もっと詳しく言うと、その中の41の市町村、村とか町とか市から見つかっています。

つむぎさん:
おぉ~。

田中先生:
そう聞くと、結構たくさん見つかっていると思うよね。

つむぎさん:
うん。

田中先生:
つむぎさんの住んでいる神奈川県からは、恐竜化石が見つかっていると思う?

つむぎさん:
見つかってない。

田中先生:
そうなんです。残念ながら神奈川県からは見つかっていなくて、関東だと、近いところでは群馬県から見つかっているんだけど、知ってたかな?

つむぎさん:
はい。

田中先生:
あっ、知ってる? 群馬県は恐竜化石が結構見つかっています。どんなところから恐竜化石が見つかるかというと、ちょっとここからは「岩石・鉱物」の西本先生にも一緒に入っていただきたいんですけど、つむぎさんは、どういう場所だったら恐竜化石を見つけられると思う?

つむぎさん:
川とか山の近く。

田中先生:
なるほど。西本先生、どうでしょう。

西本先生:
そうですね。川だと、どんなところに行ったらいいと思う?

つむぎさん:
……わからない。

西本先生:
ちょっと難しいかな、うん。山の中に川が流れていると、山を削って岩が露出しているようなところがあるじゃない?

つむぎさん:
うん。

西本先生:
そういうところに、恐竜を含んでいる地層が露出していると、きっと見つかるよね。

――山の奥のほうにある川、という感じですか?

田中先生:
それはあまり関係がなくて、恐竜が生きていた時代の地層というのが、出ていればいいんだよね。つむぎさん、恐竜が生きていた時代って、知ってる? 何か聞いたこと、ある?

つむぎさん:
三畳紀とジュラ紀と白亜紀。

田中先生:
正解です、すごいね。三畳紀とジュラ紀と白亜紀ですよね。だからその時代の地層があったらいいんです。

西本先生:
もう1つ重要なのは、恐竜はどんなところにすんでいたか、知っているかな? 恐竜がすんでいたのは……海? 恐竜はどんなところにすんでいたかな?

つむぎさん:
陸。

西本先生:
そうそう、陸地だよね。海を泳いでいたわけじゃないじゃない? ということは、陸で出来た地層があったら、一番いいよね。

つむぎさん:
うん。

――つむぎちゃん、「地層」ってわかるかな?

つむぎさん:
はい。

――あぁ、よかった。

田中先生:
うん。今、西本先生が言ってくれたみたいに、地層が出ていて、それが恐竜時代、ジュラ紀・白亜紀・三畳紀の時代の地層で、しかも海よりは陸で出来た地層のほうがいいということだよね。そういうところを中心に、日本では恐竜化石が見つかっています。

つむぎさん:
うん。

田中先生:
ただ、そういう川とか崖とかに行くのは危ないので、いきなり行くと危険かもしれないので、神奈川県の近くで化石の発掘体験ができるところに行くのを、まずおすすめします。博物館とかで、化石の発掘体験みたいなことができるところがあるんです。例えば埼玉県東松山市に「化石と自然の体験館」があるんだけど、そこでも化石の発掘体験をしているみたいです。

つむぎさん:
はい。

田中先生:
それから群馬県に「神流町恐竜センター」というのがあります。さっき、群馬で恐竜化石が見つかっているのを知っているという話があったけど、まさに恐竜化石が見つかる地域で化石発掘体験ができるのね。あとは福島県にある「いわき市アンモナイトセンター」も地層がそのまま出ているので、博物館の横で化石が発掘できます。ここは海の地層ですが恐竜化石も見つかっているので、もしかしたら恐竜化石が見つかるかもしれないというチャンスがあります。

つむぎさん:
おぉ……。

田中先生:
ですから時間のあるときにそういうところに行って、発掘の体験をしてみるといいかもしれないです。恐竜化石が見つからなくても貝の化石とか結構いろいろ見つかったりするから、そういうのをまず観察して、化石発掘に慣れるといいと思います。

つむぎさん:
はい。

田中先生:
ちなみに神奈川県は、西本先生と地図を見ていたんですけれど、恐竜化石を見つけるのはちょっと難しいかなという気がしますね。

西本先生:
難しいですよね。海の地層はいっぱいあるんだけれども、なかなかね。ただ、三重県のほうでトバリュウというのが見つかったでしょう? あれは海の地層からですよね。あとカムイサウルスも海の地層からです。だから海の地層にはないと思ってしまうと、新しい発見ができないかもしれない。海に流れてしまった恐竜も、まれにはあるわけですよね。

田中先生:
そうですね。だからゼロではないということですね。神奈川県は時代が全体的に新しいから、ちょっと難しいというのはありますけれども、つむぎさんからの化石発掘報告を、待ってますからね。

――つむぎさんは、化石発掘体験とか行ったことはありますか?

つむぎさん:
はい。

田中先生:
あっ、ほんと?

――行ったことあるんですね。楽しかった?

つむぎさん:
はい。ヒメウーリサス・ムラカミイの卵のかけらが見つけられてうれしかった。

田中先生:
えっ、兵庫県に行ったの?

つむぎさん:
はい。

田中先生:
すごいね! 丹波市で発掘体験したんだ。

つむぎさん:
はい。

田中先生:
それで卵の殻を見つけたの?

つむぎさん:
はい。

田中先生:
ちょっとすごいじゃん! もう恐竜化石、見つけてるじゃん!!

――しかも卵化石ということで、田中先生が前のめりになっています(笑)。

田中先生:
はい(笑)。

――それじゃあ、もっともっと見つけたくなりますね。群馬とか埼玉でもやっているから、いろいろ行ってみるとまた楽しいかもしれません。

つむぎさん:
はい。

――それにしてもすごいですよね、すでにもう……。

田中先生:
ねぇ、びっくりしちゃいました。早く言ってよ(笑)。

西本先生:
1回やったことがあるんだったら、いろいろな石を割ってみるといいかもしれないね。

――つむぎさん、コンコンやるの、楽しかった?

つむぎさん:
はい。

――見つかる喜びって、やっぱりあるんですね。

西本先生:
ありますね。私も昨年、兵庫に行ったんですよ。でも何にも見つけられませんでした……。

田中先生:
そうですか! 根気がいりますよね、化石を見つけるには。

――じゃあ、つむぎちゃん、すごいですね。

西本先生:
そうそう。

田中先生:
すごいですよ。卵の殻って、すごく小さいでしょう?

つむぎさん:
はい。

田中先生:
よく見つけたね。いい目、してるよ、うん。

――それは大変貴重な体験でしたね。つむぎちゃん、他でもまた体験してみてくださいということでした。大丈夫でしょうか。

つむぎさん:
はい。

――よかったです。おうちの方にも相談して、体験してみてください。また何か発掘報告も、ね。

田中先生:
そうですね、恐竜化石を見つけてね。待ってます。

つむぎさん:
はい。

――質問をしてくれて、ありがとうございました。

つむぎさん:
ありがとうございました。

――さようなら。

つむぎさん:
さよなら~。

田中先生:
さよなら~。


【放送】
2024/01/21 「子ども科学電話相談」

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