やまもとさきさん（小学１年生・滋賀県）からの質問に、「天文・宇宙」の永田美絵先生が答えます。（司会・柘植恵水アナウンサー）
【出演者】
永田先生：永田美絵先生（コスモプラネタリウム渋谷 チーフ解説員）
さきさん：質問者
――お名前を教えてください。
さきさん：
さきです。
――どんな質問ですか？
さきさん：
火星のお昼のお空は何色ですか？
――さきさんは火星とか、調べたことがあるんですか？
さきさん：
はい、あります。
――図鑑か何かで見たのかな？
さきさん：
図鑑で見ました。
――そうなんですね。では教えていただきましょう。永田先生、お願いします。
永田先生：
はい。やまもとさきさん、こんにちは。
さきさん：
こんにちは。
永田先生：
さきさんは、火星のお昼のお空の色が気になるんですね。
さきさん：
はい。
永田先生：
答えから先に言ってしまうと、火星のお昼のお空の色は、オレンジ色です。どう？
さきさん：
……なんでオレンジ色なんですか？
永田先生：
そうですよね、そう思いますよね。さきさんは、火星を図鑑で見たことがあると言ったけど、火星は何色をしていましたか？
さきさん：
火星は、赤色。
永田先生：
赤色してたよね。なんで赤色なのかというと、火星にあるたくさんの土、地面の色なんです。火星はなんで赤い色の地面なのかというと、鉄さびのようなもの……鉄さびって、さきさん、あんまり見ないと思うんですけれども、ちょっと難しい言葉でいうと、酸化鉄というのでできているんです。この鉄さびのような赤っぽい色で覆われていて、すごくたくさんの砂が、火星にはあるんです。
火星では、その砂がすごい勢いで巻き上がる、ちょっと砂嵐のようなこともいっぱいあって、その小さな砂粒が火星の空には舞い上がっているんです。赤っぽいような色のその砂が舞い上がっているので、昼間の火星のお空はオレンジ色に見えるんだそうです。どうですか、火星に行ってみたいですか？
さきさん：
えっと、行けたら、火星に月面基地みたいなのを建てて、暮らす……行ってみたい。
永田先生：
そうだねぇ。今、火星に行こうという計画は立っているので、さきさんが大きくなるころには、ひょっとしたら実現に近づいてくるんじゃないかなと思うし、さきさんが大人になるころには、火星に行く日本人も出てくるんじゃないかなと思います。火星に行くというのは、これからは夢ではなくなってくるかと思います。
じゃあねぇ、さきさん、これ、知ってるんじゃないかな。地球では夕焼けはお空が赤、オレンジっぽい色だけれども、火星では、夕方になると何色になると思う？
さきさん：
青。
永田先生：
そうなの！ よく知ってたねぇ。そうなんですよ。昼間のお空はオレンジ色なんだけれども、たくさんの小さな砂粒が太陽からの光を反射するとき、散乱するときに、ちょうど火星の砂粒の大きさが、私たちの目には青い色が見えるようなかたちでお空に広げてくれるので、夕方には青い色になって、火星の世界では夕焼けが青色で見えるといわれています。実際、火星の表面をいろいろ調べてくれる探査車が撮った映像があるので、私もそういうのを見たりして、とってもきれいだなと思いました。
火星の空がそもそもオレンジ色に見えるというのは、火星にはわずかだけれども空気があるためなんです。お月さまに行くとお空にはいつもお星さまが出ています。地球や火星のように、空の色が変わっていったりしないんですね。空気がないと、空がいろいろな色に変わっていくというのではなくて、常に星が見えているということになりますので、逆にお星さまを見るのはいいんです。
なので火星の世界は、空気があるから空の色があります。そして空気がある星というのは、そんなふうにいろいろな色になるので、星によってはおもしろい色の空の星があるのかもしれません。そう考えると、おもしろいですね。今、（NHKの）ラジオセンターの窓から、青い空がすごくきれいに見えているんですよ。私はこの水色の空が大好きなんですけれども、さきさんはどう？ 地球のお空の色、好きですか？
さきさん：
はい。
永田先生：
ねぇ。地球の空は、夕焼けになるとピンク色になったりオレンジ色になったり、とってもきれいよね。これこそが本当に、地球に、特等席に座っている私たちへのご褒美じゃないかなって、いつも思うんですよね。さきさん、将来は火星に行って火星のオレンジ色の空も見てほしいんですけれども、地球の空も、いっぱい見てください。
さきさん：
はい。
永田先生：
いいですか、こんなところで。
――火星の空、お昼はオレンジ色なんですね。そして夕方は、さきさんが言っていたように、青い。
永田先生：
太陽が沈んでいくときには青くなります。そして火星からは、小さな青い点の地球が見えます。地球から火星を見ると赤い小さな点に見えるんですけど、逆に火星から地球を見ると、青い小さな点として見えるんです。
――さきさん、どうでしょうか。わかりましたか？
さきさん：
はい、わかりました。
――よかったです。もし機会があったら、プラネタリウムとかでお話を聞きながら眺めると、より理解が深まるかもしれませんね。
永田先生：
そうですね。ただ、今はちょっと火星が見えない……。今、火星は太陽の昼間のお空のほうに来ているので、来年の４月以降ぐらいが見ごろですよ。
――さきさん、どうでしょう、大丈夫でしょうか。
さきさん：
はい。
――質問をしてくれてありがとうございました。
さきさん：
ありがとうございました。
――さようなら。
さきさん：
さようなら〜。
永田先生：
はい、さようなら〜。
【放送】
2023/12/17 「子ども科学電話相談」