10時台を聴く
24/02/11まで

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すずきりこさん(6歳・埼玉県)からの質問に、「鉄道」の梅原淳先生が答えます。(司会・柘植恵水アナウンサー)

【出演者】
梅原先生:梅原淳先生(鉄道ジャーナリスト)
りこさん:質問者


――お名前を教えてください。

りこさん:
りこです。

――どんな質問ですか?

りこさん:
なんでICカードをかざすだけで改札を通れるんですか?

――そうですよね。りこちゃんはICカードを使ったことがあるんですね。

りこさん:
うん。

――それで不思議に思ったんですねぇ。では梅原先生、お願いします。

梅原先生:
はい。すずきりこさん、こんにちは。

りこさん:
こんにちは。

梅原先生:
梅原です。ICカード、大人は「交通系IC」とか呼んでいますけど、電車に乗るときに、自動改札機というのが駅にありますよね。その、ICカード、ICとか書いてあるところにタッチすると自動改札機のゲートが開いて、それで乗ることができますね。

りこさん:
うん。

梅原先生:
それがなぜできるかというと、ICカードの中には、ICという、そのものなんですけど、集積回路というのがあります。たぶん大人の人の手の指の爪くらいの大きさのものなんですが、そこにいろいろな情報、例えばこのカードの中にはお金がいくら入っていますよとかが書き込まれていて、自動改札機側でそれを読み取ってくれるんですね。

りこさん:
うん。

梅原先生:
それはそうなんですけど、なんで、かざすだけで改札機を通れるのか。そこが問題ですよね。

りこさん:
うん。

梅原先生:
ICカードには、ICだけではなくてアンテナも入っているんです。アンテナというのは、例えばおうちの方、大人の人は、携帯電話、今だったらスマートフォンですよね。それを持っていると思うんですけど、あの中にもアンテナが入っているんです。それから今、りこさんが聞いているラジオ。ラジオの中にもアンテナが入っています。あと、おうちにあるテレビも、おうちの外、屋根にたぶんアンテナがあったりすると思うんですけど、あれで電波を受け取ったり、こちらから電波を発信、出したりして、やりとりをしているんですね。

ICカードの中にもアンテナがあって、それから自動改札機のタッチ部分にもアンテナがあって、お互いに電波を出し合って、「この人の持っているICカードには、お金がいくらある」というのがわかるんです。自動改札機の中には計算機、コンピューターも入っていて、そこで計算してお金を引き落とします。それで、「この人はもうお金を払ってくれたから、ゲートを開けましょう」というふうにして、改札機を通ることができるようになっているんです。どうでしょう?

りこさん:
わかった。

梅原先生:
それでね、今の自動改札機は、アンテナがあったり、計算機というかコンピューターみたいなものがあったりして、ものすごく複雑なんです。そしてものすごく計算が速いから、例えば自動改札機で電車に乗るときに、多くのお客さんがいてもどんどん通っていきますよね。どんどんタッチしても乗れるようにしたんですけれども、今はもっとすごい技術が進歩しているんです。

それは、自動改札機の中で計算しなくても、自動改札機に今度はインターネットの回線を入れて、それを全部どこかの鉄道会社が持っている大きなコンピューターの1か所に集めてそこで計算して、それで自動改札機を通してくれるようになるらしいんです。もう一部ではそうなっているんですけれども。ですからそういう自動改札機では、ICカードでなくても、例えば二次元バーコード(QRコード)、それを紙に印刷したものでも通れるようになるんですね。

りこさん:
……うん。

梅原先生:
ちょっと難しいですけど、将来的には、アンテナがなくても通ることができるようになるということです。でも今はアンテナのおかげで、要するにカードの中にもアンテナが入っていて、それでお互いに電波を出しているんです。

りこさん:
うん。

梅原先生:
電波を出すには動力というか電気が必要ですけど、自動改札機側から電波が出ると、ICカードの中に入っている電池が動きだして電波を出せるようになっているので、電池も何も入っていなくても動きだすんです。ちょっと複雑なことを言っちゃったんですけど、いかがでしょうか。

りこさん:
はい。わかる。

梅原先生:
あっ、すごい! ありがとうございます。

――電波は目に見えないけど、りこさんが持っているカードと自動改札機は、りこちゃんが子ども料金で、いつ乗ってどこで降りて……というのも全部やりとりをしているんですね。そしてまた新しい技術で、どんどん変わっていくんですね。

梅原先生:
そうですね。今は世界的にICというものが足りなくなっていて、新しいカードを発行できませんというふうになっていたりするんですけど、紙に印刷しても使えるようになる時代が、もうすぐ来ます。

――どうでしょう、りこちゃん。

りこさん:
すごい。

――ねぇ。見えないけど、やりとりをしてるんですって、電波を出して。

梅原先生:
もっと言うと、これは「コンピューター・ロボット」の分野ですけれど、顔認証、要するに、その人の顔を見て自動改札機を通してくれるというのも、実験で始まっています。大阪駅ですね。

――りこちゃんが大きくなるころには、また違う感じになるかもしれませんね。

梅原先生:
ICカードを持っていなくても通れるようになるかもしれません。

――お顔だけで入れちゃうときがくるかもしれないんですって。わかったかな?

りこさん:
うん、わかった。

――あぁ、よかった。どんどん技術が進んでいきますけど、大人も知らずに使っていることがありますから、勉強になりました。りこさん、質問をしてくれてありがとうございました。

りこさん:
ありがとうございました。

梅原先生:
ありがとうございます。

――また質問を送ってくださいね。

りこさん:
はい。さよなら〜。

――さようなら。

梅原先生:
さよなら〜。


【放送】
2023/12/17 「子ども科学電話相談」

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