11時台を聴く
24/02/04まで

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なるせしゅんくん(小学2年生・鹿児島県)からの質問に、「科学」の藤田貢崇先生が答えます。(司会・柘植恵水アナウンサー)

【出演者】
藤田先生:藤田貢崇先生(法政大学教授)
しゅんくん:質問者


――お名前を教えてください。

しゅんくん:
しゅんです。

――どんな質問ですか?

しゅんくん:
ママが「二千円札、あるよ」と言ったけど、僕は見たことがありません。本当にあるのですか?

――二千円札ねぇ。しゅんくんは見たことがないんですね。

しゅんくん:
そう。

――いったいどこにあるのか、本当にあるのかということで、これは「科学」の藤田先生に教えていただきましょう。お願いします。

藤田先生:
はい。しゅんくん、こんにちは。

しゅんくん:
こんにちは。

藤田先生:
二千円札があると言われたけれど見たことがないという、それはなぜかということですよね。

しゅんくん:
はい。

藤田先生:
あるんですよ。私も見たこと、あります。

しゅんくん:
はい。

藤田先生:
なぜ、この質問が「科学」なのか。ラジオを聞いているお友達の中には、「これ、科学なの?」という疑問があるかもしれないけど、私は科学だと思うんです。どうしてかというと、こういう疑問を感じたときに、解決する方法とか予測を立てる方法はいろいろあるんです。もしかしたら二千円札はないかもしれないという予測を立てる人もいれば、もっと理屈っぽく考える人もいるんです。理屈っぽく考えることが科学の最初なので、しゅんくんのような疑問をどう解決するかは、科学だと思いますね。考え方が科学、ということですね。というのを、一緒にやってみようということです。

しゅんくん:
はい。

藤田先生:
しゅんくんは、二千円札を見たことがないということを、周りの人に聞いてみました? 見たことがある人、いますか? あんまり聞いていないかな。

しゅんくん:
聞いてないです。

藤田先生:
お母さんから聞いたって、言ってましたよね。お母さんは最近見たのか、聞いた?

しゅんくん:
いや。あの、ドラえもんの本に載っていました。

藤田先生:
なるほど。載っていたんだけれど、身の周りにはないということですよね。

しゅんくん:
そう。

藤田先生:
そしたらね、予測として、2つの理由が考えられるかもしれません。まず1つは、世の中に二千円札はいっぱいあるんだけど、誰かが大量に抱えているから、誰かがすぐ使っちゃうから、誰かが大事にしまっているから、世の中に出てこない。もう1つは、もともと少ない。そのどちらかかなって、考えることができますよね。

しゅんくん:
はい。

藤田先生:
「ある」って、言うんだからね。そしたら、いろいろ調べるわけです。しゅんくんは小学校2年生ですから、こういうときにどうやって調べるかというと、周りの大人の手を借りるのがいいかもしれません。「一体、お札はどうやってできるの?」みたいなことも、まだ知りませんからね。
ちょっと今、私の手元の資料で調べると、実は二千円札は、もともとたくさん印刷されていないんです。とっても少ないんです。

しゅんくん:
ふぅん。

藤田先生:
2年間しか印刷されなかったんです。2000年と2003年にしか、二千円札は作られていないんです。現在どれくらいの二千円札が出回っているかというと、大体1億枚と言われています。そうだ、しゅんくんがよく見るお札って、いくら?

しゅんくん:
千円札、五千円札、一万円札。

藤田先生:
よく見ますよね。千円札はどれくらい世の中に出ているかというと、これは年度によって、そのときそのときで決まるんですけど、千円札は40億枚くらい出ているんです。二千円札は、1億枚だったですよね。

しゅんくん:
うん。

藤田先生:
千円札は40億枚も出ている。一万円札になると100億枚出ています。「億」とか言われると、「ん?」という感じですけれど、二千円札というのは世の中に出ている数が少ないんです。とっても少ない。それで私たちはあまり見ることがないんじゃないかなと僕は思います。

しゅんくん:
うん。

藤田先生:
誰かが大量に抱えているわけではない。二千円札が世の中に出たらバーッと誰かが集めて持っているという予測ではなくて、もともと世の中に出ている数が少ないから、僕たちが二千円札を見ることがないんじゃないかな、というふうに、予測を立てることができますよね。

しゅんくん:
うん。

藤田先生:
そしたらお札を発行しているところ、お札は日本銀行というところが発行しますから、日本銀行の資料を見て考えるというようなことが、将来、できるかなと思います。

しゅんくん:
うん。

藤田先生:
しゅんくんは、周りの人に「理屈っぽいね」とか言われること、あります?

しゅんくん:
いえ、そんなにないです。

藤田先生:
理屈っぽく考えるというのは、科学にとってはとっても大事なことですよね。どうしてこうなるのか、どうしてこんな結果になっちゃったのかというのは科学にとってとても大事だから、周りから、「君、理屈っぽいね」と言われるぐらいが、ちょうど科学にはいいのかもしれないですね。

――しゅんくん、今はそういうふうに言われていないけど、疑問を持ったり、「どうして? どうして?」という気持ちは、すごくいいことだよということですね。

藤田先生:
とっても大事なことですね。

――しゅんくん、いつか二千円札と出会えるといいですね。

しゅんくん:
はい。

――質問してくれてありがとうございました。

しゅんくん:
ありがとうございました。

藤田先生:
どういたしまして。

――さようなら。

しゅんくん:
さよなら~。

藤田先生:
さよなら~。


【放送】
2023/12/10 「子ども科学電話相談」

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