たびらみりんさん(小学2年生・鹿児島県)からの質問に、「コンピューター・ロボット」の岡嶋裕史先生が答えます。(司会・柘植恵水アナウンサー)
【出演者】
岡嶋先生:岡嶋裕史先生(中央大学国際情報学部教授 政策文化総合研究所所長)
小菅先生:小菅正夫先生(札幌市円山動物園参与)
国司先生:国司真先生(跡見学園女子大学兼任講師)
みりんさん:質問者
――お名前を教えてください。
みりんさん:
みりんです。
――どんな質問ですか?
みりんさん:
QRコードをかざすだけで、映像や情報がどうして映るんですか?
――本当そうですよねぇ。みりんちゃんはやってみたことがあるんですか?
みりんさん:
はい。
――それですごいなと思ったんですねぇ。では教えてもらいましょう。岡嶋先生、お願いします。
岡嶋先生:
はい、よろしくお願いします。たびらさん、こんにちは。
みりんさん:
こんにちは。
岡嶋先生:
よろしくお願いします。QRコード、二次元バーコードですよね。
みりんさん:
はい。
岡嶋先生:
たびらさんは、QRコードはお好きですか?
みりんさん:
はい。
岡嶋先生:
あっ、好き? 僕も好きなんですよ、結構。かわいいですよね。僕は見ているだけで少し幸せな気持ちになります。二次元バーコードのすごいところは、今、言ってくださったみたいに、スマートフォンのカメラとかで写すだけで情報が出てきたり、あれは僕、すごいことだと思うんです。
他にも情報のやりとりをする機械はあるじゃないですか。例えば電車やバスに乗るときに、ピッとやるのがありますよね。あれも情報を読み取っているという意味では同じようなことをしているんですが、特別な機械がいりますよね。
みりんさん:
はい。
岡嶋先生:
だからどこでも使えるというふうにはなかなかならないんですけれども、二次元バーコードの場合は、カメラで写すだけでいいので本当に生活のいろいろなところで身近に使えて、そこがすごいんだろうなと思います。
みりんさん:
はい。
岡嶋先生:
でも、カメラで写すだけだったら、文字とか数字とか情報が出てくるわけだから最初から文字や数字でいいのにって、思いません? それをカメラで写すんですもん。
僕だったら、人間が読み取るんだから数字をそのまま書いてくれたほうが、文字をそのまま書いてくれたほうが自分の目でも読めていいなと思うんですけれども、コンピューターは、あれが好きなんですよ。たびらさんは、文字を読んだりするのはお得意ですか?
みりんさん:
はい。
岡嶋先生:
あ、すごい! それはいいことですね。コンピューターよりたびらさんのほうが、ずっと上手に文字を読み取れると思うんです。
コンピューターはカメラで紙とかを見たときに、数字や文字を読み取るのが結構苦手なんですよね。だからバーコードといって、太い線と細い線の組み合わせの、スーパーとかコンビニで値段を読み取ったりするやつがあるじゃないですか。
みりんさん:
はい。
岡嶋先生:
ああいうふうに線で表してみたり、二次元バーコードみたいに四角の模様で表してみたりするんです。コンピューターにとってはそのほうが読みやすくて、バーコードだったら、太い線と細い線がこういうふうに並んでるな、だからここはゼロなんだ、こっちは1なんだ、というふうに読み取っているわけです。
みりんさん:
はい。
岡嶋先生:
コンビニとかで使っているバーコードは、太い線と細い線の組み合わせだから数字13個分しか読み取れないんです。
あまり数字とかが入れられないので、お店の中で「この商品は何だろう? 5番のジュースだ」とか、「10番のおにぎりだ」、そういうことを見つけるだけだったらバーコードで十分だったんだけれども、もっといろいろなことに使おう、文字をたくさん読み取ったり写真の情報が見られるようにしようと思うとあれでは足りなくて、それで二次元バーコード、模様を使ってみようというのが出てきたわけです。
みりんさん:
はい。
岡嶋先生:
あれは四角の形の中に白と黒の点々がいっぱいあって、それの書き方で、ここは数字なんだな、ここは文字なんだなとわかるようになっているんですけど、どのくらい情報が入れられると思います? 想像つきますか?
みりんさん:
はい。
岡嶋先生:
あっ、ほんと? 数字だったらどのぐらい入りそう?
みりんさん:
20?
岡嶋先生:
あのね、もっといーっぱい入るんだよ。
2次元バーコードは、いろいろな大きさの形があるんだけれども、一番大きいのは、白と黒の点々が横に177、縦にも177あるの。その一番大きいやつを使うと、数字だけだったら7,000個ぐらい入れることができます。結構入るでしょ。
みりんさん:
すごーい……。
岡嶋先生:
ねぇ、すごいよねぇ。ひらがなとか漢字とかが混じっている日本語の文字だと、2,000にちょっと欠けるぐらい、1,800文字ぐらい入れることができるんです。だから、たびらさんが小学校で書いている作文とかだったら、たぶんQRコード、二次元バーコードの中に入れることができますよ。
文章とかを入れると、それをもとに二次元バーコードを作ってくれるサービスがあるから、今度、お父さんとかお母さんに頼んで作ってもらったりするといいかもしれないです。作文がこんな二次元バーコードになるんだというふうに、自分で試すことができます。
――個人で作ることもできるんですか?
岡嶋先生:
はい。ホームページとかで用意されています。「ここに文章を入れてください」というところに入れると、それをもとに二次元バーコードを作ってくれるので、ぜひ1度やってみていただけるといいかなと思います。
――みりんちゃんの読書感想文とかも、二次元バーコードにすることができちゃうんですねぇ。
岡嶋先生:
ただ最初に、二次元バーコードを読み取るとホームページが出てくるとか写真が出てくるというふうに言ってくれたじゃないですか。でも写真は実は入れられないんです。入っていないの。
何でかというと、写真はものすごくたくさんの情報から出来上がっていて、写真をそのまま二次元バーコードに入れようと思うと、ものすごく大きなことになっちゃうと思います。 たびらさんのおうちぐらい大きくしないと、写真は入らないかもしれない。でも、そんなに大きいの、作れないよね。ポスターとかにちょっと印刷するわけにもいかないし。
みりんさん:
はい。
岡嶋先生:
なので、写真とかホームページを二次元バーコードの中に入れたいときには、例えばコンピューターの中に、写真を入れておくんです。そしてそのコンピューターの場所、あの写真はこの場所に収めてありますという住所みたいなものを、二次元バーコードにします。そうすると、スマホで読み取ると写真が入っている住所が出てくるんです。
スマホはその住所をもとに、あのコンピューターを見に行けば写真が出てくるんだというふうに探しに行って、そしてスマホに写真が映る、そういう仕組みになっています。
みりんさん:
はい。
岡嶋先生:
本当にいろいろ工夫して生活の中でもいろいろなところでこのコードが使われていると思うので、こんなところにも使っているんだなというふうに、見つけていただけるとうれしいです。
みりんさん:
はい。
――小菅先生、すごいことですよね。
小菅先生:
あんまり僕はやらないので、今の話を聞いてそうなんだって、改めてわかりました。そんな疑問も抱かなかったので。「ここにやってください」って書いてあったら「はい」って。
岡嶋先生:
入園のチケットとか、QRコードで出したりしませんか?
小菅先生:
あぁ……。
国司先生:
博物館でも展示品の解説のところに二次元バーコードがあって、スマホをかざすとホームページに飛んでこの資料はこういうふうに発掘されて……というのが出てきたり、どんどん広がることがありますよね。
小菅先生:
そういうのは動物園でも解説のところにあるんです。あるのは知ってるんだけど、それが数字だったら何個とかね、そんなこと、考えたこともなかった。
――ほんとですよね。大人はもう、そういうものだと思ってしまって。
小菅先生:
そうそう。
――みりんちゃんは、どういうことでできるんだろうって、ちゃんとそこをね。
岡嶋先生:
うんうん、すごいですよね。ちゃんと疑問を持って。
小菅先生:
なぜだろうと思う、というのがね。
――みりんちゃん、授業でも教科書とかで読み込んだりするのかな?
みりんさん:
はい。
岡嶋先生:
そうなんだ……。
――岡嶋先生が教えてくださったように、いろんな情報が詰まってるんですって。わかったかな?
みりんさん:
はい。
――よかったです。みりんちゃんの質問から、先生たちも「えーっ?」ということがたくさんありましたよ。質問してくださってありがとうございました。
みりんさん:
ありがとうございました。
岡嶋先生:
ありがとうございました。
――また身近なところでなんだろうと思うことがあったら質問してくださいね。さようなら。
みりんさん:
はい。さよなら〜。
岡嶋先生:
さよなら〜。
【放送】
2023/11/19 「子ども科学電話相談」