11時台を聴く
23/07/09まで

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なべやかすみさん(小学2年生・新潟県)からの質問に、「昆虫」の清水聡司先生が答えます。(司会・柘植恵水アナウンサー)

【出演者】
清水先生:清水聡司先生(大阪府営箕面公園昆虫館 副館長)
かすみさん:質問者


――お名前を教えてください。

かすみさん: かすみです。

――どんな質問ですか?

かすみさん: カブトムシの幼虫を飼っていて、1匹、土の上に出てて動かなくて、もうすぐさなぎになりそうなんだけど、このままでいいんですか?

――その幼虫は、いつ出てきたの?

かすみさん: 1週間前ぐらいかなあ。

――このあとどうすればいいんだろうって、かすみさん、心配になったんですね。

かすみさん: はい。

――かすみさん、ホームページから、立派な幼虫が出てきている様子の写真も送ってくれたんですよね。これを見ながら、清水先生、お願いいたします。

清水先生: はい。かすみちゃん、こんにちは。
かすみさん: こんにちは。
清水先生: 出てきちゃったんやね。他のものは出てきてない? 大丈夫?
かすみさん: 大丈夫です。
清水先生: 写真見せてもらったんやけど、もういい感じに体じゅうにしわができてるし、体も縮んでるので、さなぎまでもう少しやね。さなぎになるまでは、なんとかこのままでも大丈夫だと思います。ただ、羽化の段階で失敗しやすくなるので、僕らは「人工蛹室(ようしつ)」っていう……カブトムシが土の中ではお部屋に入ってるのは、知ってるかな?
かすみさん: はい。
清水先生: 細長い、卵型っていうのかな、蛹室というんやけれども、出てきちゃったカブトムシのさなぎは代わりのお部屋に入れてあげないと、よく失敗しちゃうのね。だから失敗しにくいように、人工蛹室という代わりのものに入れ替えます。どういったものを作るかというと、僕ら(が子ども)のころは、例えば牛乳瓶。200ミリリットルぐらい入る牛乳瓶をよく使ったんやけど、かすみさん、トイレットペーパーは、おうちにあるかな?
かすみさん: うん。
清水先生: そのトイレットペーパーの芯を使います。
かすみさん: へぇ〜。
清水先生: 日本のカブトムシは、お尻を下にして、頭、つのの部分を上にして縦になって入ってるのね。ヘラクレスオオカブトとかは横向きの蛹室を作ります。だから日本のカブトムシの場合は、縦長のものを用意してあげたらいいのね。だからおじさんたちは牛乳瓶を使ったりしたけど、なんでもいいの。直径が5センチ前後ぐらいかな、そういう筒を使えばいいのね。一番身近で手に入りやすいのがトイレットペーパーの芯なので、それを使っている方が多いと思います。

どうやるかっていうと、ケースにトイレットペーパーの芯を立てて置きます。そしてティッシュペーパー、トイレットペーパーでもいいんやけれども、それを折り畳んで、ギュッと芯の中に詰め込みます。底のほうに、お尻の座布団代わりにしちゃうのね。
かすみさん: ティッシュを?
清水先生: そう。ぐちゃぐちゃでもいいんやけれども、座布団のように筒の底に詰め込んでください。筒の下に敷いてもいいんやけども、筒の中に引っ掛かってるほうが安定するので、筒の中に詰め込んでください。そして、湿度がいるので霧吹きをしてください。
かすみさん: はい。
清水先生: そこに幼虫、今の前蛹(ぜんよう)でいいんやけども、お尻を下にして立てて入れます。さなぎでもいいんやけども、さなぎを移動させるときは、脱ぎたてはすごく柔らかいので、3日ぐらいたったやつをそっと入れてください。準備ができるんやったら、今、入れちゃっていいと思います。
かすみさん: はい。
清水先生: その状態で、筒が転んじゃうとぐちゃぐちゃになるので、転ばないようになんとか支えをしてください。周りにティッシュを詰め込んでもいいです。これを、プラケースでもいいし何か小さなケース、いっぱい並べるんだったら大きなケースを使うんやけれどもそこに縦に入れて、上に霧吹きをしてしっかり湿度を保つようにしてください。土の中はいつも湿った状態やから、からからじゃダメです。霧吹きをして湿度が保てるように、ケースの一番上に、食品用のフィルム、あるでしょう? 透明な、お皿とかにかけるやつ。

――ラップ、ですね。

清水先生: はい。それをかけて、気になるようやったら、先のとがった針なんかでチョンチョンと少し穴を開けといてもらったら安心だと思います。その状態で常に湿ってるようにして、そのまま羽化を待ちます。
かすみさん: はい。
清水先生: どう? 簡単やろ? いける?

――大丈夫かな。できそうですか?

かすみさん: 土はいらないですか?
清水先生: なくても大丈夫です。気になるようだったら、土を入れた中に、筒を土で安定させて立ててもかまわないです。ただ、それほど土は重要じゃないです。

――倒れないようにする?

清水先生: そうです、倒れなければいいので。倒れないことと、湿度がずっと保たれてること。底に水がたまるほどはいらないんやけども、筒を立ててケースに入れて、そのケースの中が常に湿っている、しっとりしているような状態を意識してください。
かすみさん: さなぎに直接かけていいんですか?
清水先生: さなぎには直接かける必要はないです。周りにかけてください。
かすみさん: はーい。
清水先生: 最初セッティングするときには、筒とかティッシュペーパーを湿らせてもいいので、あとはケース全体に、ふわっと湿気をかけるようにしてください。

――濡れたペーパーとかを入れたり?

清水先生: そうですね、気になるようだったら、そういうペーパーを入れて湿度を保つのも1つだと思います。

――それはきょう、今すぐやってもいい?

清水先生: 大丈夫です。

――ですって、かすみちゃん。できそうですか?

かすみさん: ちょっとあとでやりまーす。

――そうね、そうだね。

清水先生: いきなりトイレットペーパーの芯とか言われても困るかもしれないのでね、ないときは似たような筒を探してみてください。
かすみさん: はーい。

――かすみちゃん、幼虫が出てきちゃってどうしようと思って、それで今、急いで電話で質問してくれたのかな?

かすみさん: はい。
清水先生: うまくいくことを祈ってます。

――うまくいくといいですね。質問、ありがとうございました。

かすみさん: ありがとうございました。

――頑張って育ててくださいね。

かすみさん: はい。

――ありがとうございました。さようなら。

かすみさん: さよなら〜。
清水先生: さよなら〜。

【放送】
2023/05/14 子ども科学電話相談「昆虫」 清水聡司先生(大阪府営箕面公園昆虫館 副館長)

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