午後6時台を聴く
24/04/07まで

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スウェーデンで3月21日に行われた「ロック靴下デー」というイベントの話題。どういう日だったのか、詳しく伺いました。

【出演者】
サリネン:サリネンれい子さん(ストックホルム在住:特別支援学校教員)
TOBI:レ・ロマネスクTOBIさん(日曜担当MC)
中村:中村慶子アナウンサー


中村:
さっそくですが、「ロック靴下デー」ってどういう日なんでしょうか?

サリネン:
「ロック靴下デー」というのは、スウェーデン語では「Rocka sockorna(ロッカ・ソッコールナ)」、直訳すると靴下でロックを、という意味で、3月21日に、子どもも大人も、スウェーデンの多くの人が、左右バラバラのカラフルな靴下を履いて、学校や職場などに行く日になっています。

TOBI:
どうして3月21日にバラバラの靴下を履くんですか?

サリネン:
3月21日は「世界ダウン症の日」です。ダウン症の人たちとその家族、支援者への理解がより一層深まるように、ということで、2012年に国連によって制定されました。21番目の染色体が3本ということで、3月21日が世界ダウン症の日に決まり、その染色体の形が靴下に似ているということで、違う色の靴下を履いて「違いを認め合う」というイベントが始まったそうです。
「ロッカ・ソッコールナ」のロッカはロックンロールのロックをさし、揺さぶる、という意味もあるので「左右ちぐはぐのカラフルな靴下で世間を揺さぶる」という意味がこめられています。

中村:
3月21日、日本では東京都庁などでライトアップが行われましたが、スウェーデンでは靴下で盛り上がるんですね。

サリネン:
世界でも左右違う靴下を履くキャンペーンが行われていますが、スウェーデンでは「ロック靴下デー」という名前で2014年に始まり、2015年に大きく注目されました。テレビやメディアでも大きく取り上げられ、今では毎年、学校や企業などさまざまなところで、この日に合わせて違う色の靴下を履いて、互いの違いの良さを改めて考える日になっています。

TOBI:
サリネンさんはスウェーデンの特別支援学校で教員をされている、ということですが、学校ではどんなことをするんですか?

サリネン:
私の職場では、3月に入るとすぐに、学童の教室を中心に洗濯を干すひもがかけられ、生徒たちが書いたり色を塗ったりした靴下が飾られるようになりました。廊下の掲示用テレビでは、ロック靴下の歌が流れ、生徒たちは「色違いの靴下を履く日」が近いことを感じながら当日を迎えました。

サリネン:
当日はランチルームにも色違いの靴下が飾られ、生徒たちはみんなにどんな靴下を色違いで履いてきたかを見せ合います。私の生徒は、今年は3クラス合同で「ロック靴下マラソン大会」をし、みんなで色違いの靴下を履いて走り、靴下メダルをもらいました。
スウェーデンでは、移民や難民などの外国ルーツの子どもや生徒が多くいる環境で子どもたちは就学前から育ちますので、お互いの違いを自然に受け入れていることも多いのですが、それでも、こうして「色違いの靴下」という明確な「違い」を自分で体験していく経験により、子どもたちが改めて「人と違ってもいい」「違って当然」ということを学べることは重要であると思います。

TOBI:
サリネンさんもロックな靴下で学校に行ったんですか?

サリネン:
はい、私も色違いの靴下で出勤しました。生徒たちに、「どうしてこの靴下を選んだか」を聞かれるので、毎年悩みます。

中村:
「ロック靴下デー」、サリネンさんはどんな風に感じていますか?

サリネン:
私は「ロック靴下デー」が始まった2014年からかかわってきていて、あれから10年たち、本当に定着したなあと感じます。価値教育の一環として、1歳から子ども、若者、大人まで誰もが簡単に参加できて共通の話題を共有できる大変すばらしい日になってきたと感じます。

中村:
サリネンれい子さん、ありがとうございました!


【放送】
2024/03/31 「ちきゅうラジオ」

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