午後5時台を聴く
24/04/07まで

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2024年年3月31日はイエス・キリストの復活を祝う復活祭、イースター。キリスト教では、たまごが生命の始まりの象徴とされているため、たまごを飾ったり、たまご料理を食べたりしてお祝いするそうです。
イタリアのイースター、パスクワについて伺いました。

【出演者】
モカ:佐藤モカさん(フィレンツェ在住:ライター)
TOBI:レ・ロマネスクTOBIさん(日曜担当MC)
中村:中村慶子アナウンサー


中村:
モカさん、イタリアのイースターについて教えてください。

モカ:
イエス・キリストの復活を祝う復活祭ですが、イタリア語ではイースターではなくパスクワと言います。パスクワは「春分後、最初の満月のあとの日曜日」と定められているため、毎年日付が変わる祝日で、今年は3月31日がパスクワです。

TOBI:
フランスでは1~2週間ぐらい休みになりますが、イタリアではどうですか?

モカ:
イタリアもクリスマスに次いで重要な行事なので、学校も1週間ほど休みになります。当日は家族や親戚が集まって盛大なランチを食べることが多いんですが、子どもたちのお楽しみは、なんといっても中にサプライズのおもちゃが入ったエッグチョコ。イタリアではイギリスのようなエッグハントはあまりしません。たまごやエッグチョコは家に飾り、当日開けて楽しみます。

中村:
イタリアのお店に並んだエッグチョコの写真ですが、売っている量がすごいですね。

モカ:
毎年この時期になると、スーパーがさまざまなサイズ・メーカーのエッグチョコで埋め尽くされるほか、バーなどでは巨大エッグチョコを賭けたクジなども販売され話題を呼んでいます。

TOBI:
パスクワ、イタリアではどんな料理でお祝いします?

モカ:
大切な行事なので特別な料理や期間限定のお菓子が欠かせないんですが、伝統的に羊肉のローストなどを食べることが多いほか、トルタ・パスクワリーナという卵が丸ごと入ったお菓子なども人気です。また、コロンバという鳩の形をしたケーキを食べるのも一般的です。

左;羊肉のロースト 中央:トルタ・パスクワリーナ 右:コロンバ

中村:
このトルタ・パスクワリーナの中に卵が入っているんですか?

モカ:
生卵を入れて焼くんです。タルトを切るとほうれんそうの緑と卵の白身、黄身が層になります。

TOBI:
1週間のお休みということですが、明日は何かあるんですか?

モカ:
パスクワの翌日は、友人たちと近所の公園でピクニックです。パスクワの翌日はパスクエッタと呼ばれる日で、宗教上の暦では「天使の月曜日」で祝日。パスクエッタという言葉はパスクワを小さくかわいくしたようにした言い方で、イタリア語圏の人にとっては「パスクワちゃん」というようなかわいい響きに聞こえるんですね。
大きな祝日の次の日にそれをかわいくした呼び方にするのはイタリアではよくあります。日本でたとえると、元日が「お正月」、2日は「お正月ちゃん」、といった感じです。
パスクエッタは、前日のごちそうやお菓子のあまりを持ってピクニックに行く人が多いです。友人たちがそれぞれ食べ物を持ち寄り、自然の多い場所でのんびり過ごして春の訪れを祝います。

中村:
春のイタリア、しかもフィレンツェでピクニックって、うらやましい!

モカ:
実際のところ、前日にごちそうを食べすぎて胃もたれしている人が多いので、パスクエッタは新たに料理はしないで、外の新鮮な空気を吸ってリラックスしたいというのがイタリア人の本音のように思います。
毎年友人たちに会いますが、ピクニックの終盤には誰があまった食材を持ち帰るかで押し付け合いみたいになっちゃうこともあります。「これ、おいしいから持っていけよ」「いやお前こそ持っていきなよ、俺はダイエットしなきゃいけないんだよ!」みたいな。そんな時、みんなが決まって口にするのが、「明日からダイエット」という言葉です。まぁ、その「明日」は永遠に来ないんですが…。

中村:
佐藤モカさん、ありがとうございました!


【放送】
2024/03/31 「ちきゅうラジオ」

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