午後6時台を聴く
24/01/20まで

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ローズさんの故郷・ブラジルから、ちょっと変わった日本への旅行の話題。旅の目的は、日本のテレビドラマ、それも特撮ヒーローゆかりの地を訪ねるという、いわゆる“聖地巡礼”のツアー。どんな人たちが、どこへ!?

【出演者】
仁尾:仁尾帯刀さん(サンパウロ在住・フォトグラファー)
ローズ:當間ローズさん(土曜担当MC)
中村:中村慶子アナウンサー


ローズ:
日本の特撮ヒーロー、ブラジルで、すごく人気があるんですよね。

仁尾:
ブラジルでは1988年から90年代半ばにかけて、特撮ヒーローの「電撃戦隊チェンジマン」、「巨獣特捜ジャスピオン」や「仮面ライダーBLACK」などが地上波で放送されていました。そんな作品を子どもの頃に夢中で見ていた世代が、現在30~40代に当たる人たちです。これらの作品は放送当時、日本以上にブラジルで高い人気を得まして、現在でも子ども心を大切にしている大人から熱い人気があるんです。

中村:
今回の話題ですが、そんなブラジルの特撮ヒーローのファンが日本に来たんですね?

仁尾:
2023年12月11日から10日間の日程で、ブラジルの特撮ヒーローファン10人が「トクツアー」というツアー名のもと、埼玉県寄居町や神奈川県の三浦半島など、ゆかりのロケ地を“聖地巡礼”しました。
このツアーを引率したのは、ブラジル人で日本のアニソングループ「Jam Project」準メンバーのヒカルド・クルーズさんという方です。ヒカルドさんはアニメ「ワンパンマン」シーズン2の主題歌を作曲するなど多才で、日本の特撮ヒーローの役者やアニソン歌手と交友関係が広いこともあって、ブラジルでは「特撮ヒーロー」の生き字引であり、カリスマなんです。

ローズ:
それにしても行き先が、日本に住む僕でもあまり知らないところ。ヒカルドさんたちはそういうところを目指したんですね。

仁尾:
寄居町の採石場では、ヒカルドさんとの友情もあって、「宇宙刑事シャリバン」や「時空戦士スピルバン」に主演した、特撮ヒーローのレジェンド俳優、渡洋史さんが場所を案内し、かつての撮影時の逸話を語ってくれたそうです。
渡洋史さんは、ブラジルの特撮ファンから非常に人気がありまして、すでに5回、イベント参加のためにブラジルを訪問されているそうです。

ローズ:
参加したみなさんは大喜びだったんじゃないですか。

仁尾:
はい。参加者の一人、ダニーツルギさんは、2008年から15年間もコツコツと日本行きのために貯金し、この“聖地巡礼ツアー”に参加しました。
ダニーツルギさんは今回の「トクツアー」で長年の夢だった採石場で「チェンジマン」のコスプレ写真を撮るという願いをかなえました。

ローズ:
聖地でコスプレ、一生の記念になりますね。

仁尾:
念願の日本訪問をかなえたダニーツルギさんは、旅の途中から“ブラジル帰国へのカウントダウン”が頭の中で始まっちゃって、コンビニや電車の駅で泣き出したりと感情の揺さぶりが大変だったそうです。
一方、エリザベッチ林さんという方は、過去にひとりで特撮ヒーローの“聖地巡礼”をされた経験があるそうですが、今回は同志と一緒だったのでとりわけ楽しかったそうです。

ローズ:
ブラジルでは、みなさん、なんでここまで特撮ヒーローが好きなんでしょう?

仁尾:
ヒカルドさんに聞いてみたところ、「本物の爆発シーン、スーツアクターのアクション、きちんと終わりのあるシリーズ作品の物語展開、ヒーローや怪人・怪物、巨大ロボットのデザインなど、日本の特撮ヒーローシリーズには、アメリカのヒーローものにない魅力があった。」ということです。つまり、総合的に斬新で格好よかったってことでしょうね。

中村:
日本の特撮が大好きで、ロケ地ツアーまでしてくれることについて、仁尾さんはどう思いますか?

仁尾:
まず、ヒカルドさんご自身の特撮ヒーローに対する情熱の強さが印象的でした。採石場や海岸以外にも新宿や横浜などの都市部のロケ地も巡ったそうですが、先ほどのダニーツルギさんによると、「どのシリーズの何話はここで撮影された」など、かなり詳しい案内があったそうです。日本人でも特撮ファンじゃなければ、まったくわからない世界ですね。

中村:
遠いブラジルから、ゆかりの地をわざわざ訪ねてくださってありがたいですね。

仁尾:
円安もあって日本への旅行人気が高まる中、外国人の訪日目的も細分化しているようです。ブラジル人に関していえば、昨年9月30日より、日本での滞在が90日を超えない限りビザが必要なくなりました。ポケモンやマリオなどのキャラクターやコンテンツの豊富な日本ですから、ブラジルからの旅行者もますます増えそうです。

中村:
仁尾さん、どうもありがとうございました!


【放送】
2024/01/13 「ちきゅうラジオ」

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