午後2時台を聴く
24/03/19まで

午後2時台を聴く
24/03/19まで

コロナ禍以降、新しいライフスタイルや子育てしやすい環境を求め、地方移住を考える若い世代が増えています。いま注目されている移住先や特色、移住のコツなど、地方移住専門誌編集長の柳順一(やなぎ・じゅんいち)さんに紹介していただきました。(聞き手:武内陶子パーソナリティー)

【出演者】
柳順一さん


<プロフィール>
兵庫県出身。2008年から、地方移住の専門誌の編集長。その後、全国の自治体に対し、移住・定住に関する取り組み状況を独自アンケートで調査し「住みたい田舎ベストランキング」として発表。


――移住に関してどのくらいの自治体がアンケートに回答してくれますか?

柳:
アンケートは278項目あるのですが、今回は、全国1718市町村のうち、587の市町村が協力してくれました。

――今回のランキングの中で、福島県の浪江町が「1万人未満の町」カテゴリーで、総合1位だったのが印象的でした。

柳:
浪江町は、温暖な気候で海の幸が豊富で、東日本大震災前から人気の移住地でした。現在の人口は約2,100人で、そのうちの3割以上が移住者なんです。水素エネルギーを活用する最先端の町づくりも行っていて、国際都市に発展する可能性を秘めていると思います。

――若い世代にも移住は広がっているそうですね。

柳:
昨年秋の「ふるさと回帰フェア」の来場者数は過去最高でした。特に子育て支援に重点的に取り組んできた自治体は、これまでの施策、㏚の成果が出ているように感じました。例えば、茨城県の境町は英語にチカラを入れていて、全国平均の3倍の数の外国語指導助手が小中学校に常駐し、生きた英語が学べます。さらに20歳の学生まで医療費は無料で、25年住み続けると無償譲渡される新築の定住促進住宅などもあります。

――子育て支援が移住定住の1つのカギになっているようですね。でも、子育て支援にあてる予算は、どうやって捻出しているの?

柳:
ふるさと納税で納めてもらったお金を、移住定住や子育て支援にまわす地域もあります。北海道の上士幌町では、ふるさと納税の返礼品が特産の和牛肉で、全国からの寄付が21億円にもなるそうです。その寄付金を、子育て支援、少子化対策に活用しています。

――シニア世代の移住が増えている地域はありますか?

柳:
北海道の沼田町では、役場、駅、スーパー、病院、介護施設、学校などを半径500メートル圏内に集中させているので、シニア世代に人気です。冬の雪対策も万全で、家のまわりを自力で行うのが難しい高齢の方には、除雪費用の支援もしています。町営の高齢者向け住宅も完成し、地域食堂のボランティアなど、シニアができることを生かし、交流を広げられる場が用意されています。

――地方移住をするのに必要なこととは?

柳:
移住は誰でもできると思っています。社会人として生活できている人、ニッコリ笑って挨拶できる人なら大丈夫です。しかし、メンバーシップとして仲間に入っていくので、コミュニケーション能力は必要です。謙虚な気持ちが大切ですね。

――まずは何からスタートしたらいいですか?

柳:
気になる地域のリモート相談会を予約しましょう。リモート相談会のいいところは、家族で参加できることです。また、都心部で行われている出張相談会や交流会への参加もオススメです。

――下調べも必要ですね。

柳:
ハザードマップをしっかり確認して、地元の人にいろいろ聞いてください。また、田舎の寒さ耐性を確認するために、条件の悪いときに訪れて、物件の状況や生活利便性も合わせて確認しましょう。


【放送】
2024/03/12 「ごごカフェ」

午後2時台を聴く
24/03/19まで

午後2時台を聴く
24/03/19まで