午後2時台を聴く
24/01/24まで
ライターの古賀史健(こが・ふみたけ)さんは、オンライン上で日記を書き続け、多くの人に「日記を書くおもしろさ」を伝えています。今回は、日記の魅力や書き続けるコツを教えていただきました。(聞き手:武内陶子パーソナリティー)
【出演者】
古賀史健さん(ライター)
<プロフィール>
1973年、福岡県出身。出版社勤務を経て、1998年にフリーランスに。これまでに100冊近い書籍の構成・執筆を手がける。ビジネス書ライターの地位向上への貢献が評価され、2014年に「ビジネス書大賞・審査員特別賞」を受賞。著書多数。
――日記に興味を持ったきっかけは?
古賀:
最初は糸井重里さんを取材したくて書き始めたんです。糸井さんはホームページで毎日文章を公開されていたので、私もオンライン上に日記を書き、1年経ったところで取材の依頼をしたんです。「糸井さんのマネをして書いてみましたが大変でした。どうして糸井さんは毎日できるんですか?」という切り口で取材依頼をすれば受けてくれると思ったんです。
――糸井さんからは?
古賀:
「そんなことしなくても取材を受けたのに」と言われました(笑)。
――オンライン上に日記を公開するのはプレッシャーになりませんか?
古賀:
公開することで歯止めがかかるんです。例えば、仕事場の出来事に対して怒っていることを書こうとしますよね。公開しなければ、人の名前が出てきたり、攻撃的な言葉を書いてしまったりすると思うんです。しかし、公開するつもりで書くと、固有名詞や攻撃的な言葉が出なくなるし、内容に関しても「どのように書けば、みんなが納得してくれるのか?」と、考えるきっかけにもなるんです。
――これから日記を書くなら公開することをすすめますか?
古賀:
日記をオンライン上に公開すると、それをきっかけに仲間ができることもあります。また、紙の日記帳に書いていくと、自分を知ることができるので、自分を好きになれます。ストレスなく書けるほうを選べばいいと思います。
日記の効用~書き続けるためのコツ
――中学生に向けて日記をすすめる本を出版されましたよね?
古賀:
「自分のために文を書くとはどういうことか」「書くことのおもしろさ」について伝えたかったんです。中学生になると、他者との関係などに悩み、孤独になりやすいですよね。SNSでいつでも誰かとつながれる時代だからこそ、ひとりで考える時間が必要なんです。自分と対話するように日記を書いてみると、胸のモヤモヤが言語化されて、自分の内面や、他者との関係性が見えてくることもあると思っています。書くことはひとりでする作業です。孤独はそんなに悪いものではないんです。
――大人にも日記を書くことをすすめますか?
古賀:
母親、父親という役割からいったん離れて、ひとりの人間として日記を書いてみると、そこで見つかる自分がきっとあるはずです。
――日々が単調だと何を書いたらいいのか迷いそうですね。
古賀:
毎日の出来事を書く必要はありません。昔のことを書いてもよいでしょう。1日のうち30分だけでも書くようにすると、朝でも夜でも書きやすいし、続けやすいですよ。
――私の娘が、いつも「楽しかった」で終わる日記を書くんですよ。「楽しかった日ばかりじゃないでしょ」って言うんですが・・・。
古賀:
よく使う便利な言葉で片づけてしまうと、本当の気持ちからかけ離れた文章になってしまいます。言葉を決めるのが早すぎると、書いていてもおもしろくないから続かないと思います。面倒でも自分の感情にピッタリくる言葉を探してみましょう。自分にどんどん質問していくと、ピッタリな言葉やテーマを見つけることができますよ。
――日記をおもしろくするにはどうしたらいいですか?
古賀:
1日の出来事を早送りではなく、気持ちや場所などを1コマ1コマ細かく書き、スローモーションで表現してみましょう。
――日記を続けるコツは?
古賀:
なにかを継続させようとするとき、心の支えになるのは「成長している実感」だと思います。前よりもうまくなった、楽しく書けるようになった、そういう実感があると続けられます。まずは10日間書いてみませんか?
【放送】
2024/01/17 「ごごカフェ」
午後2時台を聴く
24/01/24まで