教えて隊長! 南極での過ごし方

24/01/03まで

ごごカフェ

放送日:2023/12/27

#インタビュー#ライフスタイル

午後2時台を聴く
24/01/03まで

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今年最後のお客様は、南極観測隊、初の女性隊長に決まった原田尚美さんです。南極滞在3回目となる原田さんに、南極の風景や生活、そして、研究や観測などの活動についてお聞きしました。(聞き手:武内陶子パーソナリティー)

【出演者】
原田尚美さん


<プロフィール>
1967年、北海道出身。弘前大学卒業後、名古屋大学大学院在学中の1991年に第33次南極観測隊に参加。2018年の第60次隊では副隊長に。東京大学大気海洋研究所の教授として、南極のみならず北極でも研究をしている。


――南極観測隊、初の女性隊長なんですね。どんな気持ちですか?

原田:
あまり意識してないですね(笑)。

――初めての南極が大学院生のときなんですね!

原田:
大学生のときに、外国の南極観測隊に参加した指導教官が、南極のすばらしさ、フィールドワークのおもしろさについて語ってくれたんです。そんなにスゴイところなら私も行きたい! と南極にあこがれ、その思いが実ったのが大学院のときなんです。

――どのように選ばれたのですか?

原田:
南極観測隊は、主に観測やフィールドワークを行う研究者部門と、発電や調理など基地を運営する設営部門に分かれます。私は研究者部門として声をかけていただきました。

――若い研究者の方は多いのですか?

原田:
私が初参加した33次観測隊は同年代が多かったです。体力が勝負ですし、健康診断の結果も重視されていました。

――初めて南極に着いたときはどうでしたか?

原田:
ただただ“無音”ということに感激しました。

――南極・昭和基地は、日本からはどのくらい離れているのですか?

原田:
直線距離でおよそ1万4,000㎞。昔は晴海ふ頭から出発しましたが、今は飛行機でオーストラリアまで行って、そこから南極観測船「しらせ」に乗り込んでおよそ3週間です。

――オーストラリアから南極に向けてはどんな感じですか?

原田:
船がとにかく揺れます。研究で北極にも行ったことがありますが、南極方面の揺れはけた違いに大きいです。波の高さが10メートルを超えるときもあります。

昭和基地の生活

――どのくらいの隊員の方が昭和基地にはいるのですか?

原田:
越冬隊員が30人ほど、12月から2月にかけて観測を行う“夏隊”が70人ほどです。この時期は、1年を過ごしてきた前の隊の越冬隊員もいるので、全部で130人ほどですね。

――この時期は入れ替わりで忙しいそうですね。

原田:
昭和基地への荷物や資材、燃料の輸送。そして、日本に持ち帰る器材や、ゴミなどを24時間体制で運び出します。昭和基地から出たゴミは、すべて持ち帰ることになっているんです。

――どんなことをして楽しんでいるのですか?

原田:
これからお正月にかけては、おせち料理を準備したり、もちつきをしたり、バーベキューなどもやったりして、コミュニケーションを密にしています。ソフトボールやサッカー部などもあってみんな楽しんでいます。また、楽器もあって、バンドをやっている人もいます。

南極で調査します

――今回はどのような研究をするのですか?

原田:
地球の温暖化の最前線といわれている極地・南極で、海の中でどんな変化が起きているのかを調べます。海の中には、そこで暮らす生き物が生み出す有機物があります。それを回収する装置「セジメントトラップ」を海に1年間設置して、どんな生き物が、どのような時期に活動しているかを調べます。

――1年後に、その装置を回収しないといけないわけですよね。

原田:
次の67次隊の人に見つけてもらうんです。実は、私が初めて行った第33次隊のときにも同じことをしたのですが、残念ながら回収できなかったんです。今回は絶対成功させたいです。

――来年12月に出発ですが、いまはどんな準備をされているのですか?

原田:
隊員を決めて、冬訓練をして、チームワークを作っていきます。参加してよかったなと思う隊にしたいと思います。

――南極で恋しくなってしまうものってありますか?

原田:
おそらく、、、“みそ煮込みうどん”です(笑)。

――おもいきり召し上がってから出発してくださいね。

今年最後の「ごごカフェ・読むらじる」でした。来年もよろしくお願いします。


【放送】
2023/12/27 「ごごカフェ」

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