午後2時台を聴く
23/12/14まで

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100年の歴史をもつ正月の風物詩「箱根駅伝」。多くの名勝負、スター選手、名監督が生まれてきました。スポーツライターの生島淳(いくしま・じゅん)さんに箱根駅伝の魅力をうかがいました。(聞き手:吾妻謙パーソナリティー)

【出演者】
生島淳さん(スポーツライター)


<プロフィール>
1967年、宮城県出身。大学卒業後、広告代理店に勤務しながらライターとしての活動を開始。1999年にスポーツライターとして独立。ラグビー、野球、駅伝を中心にスポーツライターとして活躍。著書多数。


――生島さんと箱根駅伝との出会いは?

生島:
小学生のときにNHKのラジオ中継を聴いたのが始まりです。ちょうど瀬古利彦さんが出てきたときで、毎区間のタイムをつけていました。それから陸上の雑誌を買って復習していました。高校3年までずっとそんな感じです。それから大学入ったころにテレビ中継が始まったんです。それから箱根駅伝が大きく変わってきたと思います。

――今シーズンの駒澤大学は強いですね。

生島:
前回の箱根駅伝からトップなんですよ。つまり、箱根で7区間、出雲で6区間、全日本で8区間、合計21区間首位を譲っていないんですよ。

――箱根駅伝の魅力ってなんですか?

生島:
僕は、人だと思います。おもしろいですね。選手も監督も自分の「言葉」を持っているんです。駅伝とラグビーの取材で嫌な思いをしたことがほとんどないんですよ。みんな話し好きなので、聞くのも書くのも楽しいですね。キャラが立っている人が多いんですよ。そして、この10年は青山学院の時代でした。青学がもたらした影響は大きかったと思いますよ。

――駒沢強しと言われながら、青学の原監督は青学メソッドでまだまだチャンスはある。とおっしゃっていますが、青学メソッドとは?

生島:
箱根駅伝にしっかり合わせていくことです。駒沢はトラックでも世界を狙っているから、そこに戦い方の違いがあるんです。

――寮生活も大変そうですね。

生島:
コロナ前から感染症などへの意識は高く、用をたすときは寮に帰ってからなど気をつかっていましたね。青学は門限も厳しかったですね。

――厳しさは強さにつながっていると感じますか?

生島:
夜更かししていたら朝の練習できないですよね。生活と競技が密接につながっているのが、長距離のおもしろいところかなと思います。

――取材者として、印象に残っている監督は?

生島:
青学の原監督とはつきあいも長くなりました。やはり原監督は、学生の個性を大切にしているのを感じますね。最初のころは、タイムは良いけど、門限などのルールを守らない生徒がいて、いろいろと失敗もあったそうです。自分の言葉でしっかり答える生徒を集めた結果が初優勝につながったんです。で、青学が6回優勝していく中で、駒沢の大八木監督は、変わらなければいけないと思ったんでしょうね。

――原さんは新しいタイプの監督だったんですね。

生島:
原監督は中京大学出身なので、箱根駅伝の2区にエースを持ってくるなどの固定観念がなかったんです。だから自分なりに考えていったのが良かったとおっしゃっていました。駒沢の大八木監督も、選手の考えを引き出すために、トップダウン型から対話型へとやわらかくなっていったんです。そのせいか、駒沢の生徒のトーク力も上がりましたね。駒大の青学化が進んだ感じでした。表現力って大事だなと思いました。

――年始の箱根駅伝の楽しみ方を教えてください?

生島:
ゆる~く見ることですね。おせちを食べながら、トイレにいっている間に逆転劇があったりして(笑)。そういうのを含めておもしろいのが箱根駅伝なんです。

――ふるさとの選手を探して応援するのもいいですね。最後にダークホースを教えてください。

生島:
本命は駒沢、対抗に青学、中央。ダークホースは国学院、城西大、創価大がいいと思いますね。


【放送】
2023/12/07 「ごごカフェ」

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