「ぐるむき」って何?

23/12/13まで

ごごカフェ

放送日:2023/12/06

#カルチャー

午後2時台を聴く
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2023年、あなたはどんな言葉が気になりましたか? 国語辞典編さん者の飯間浩明(いいま・ひろあき)さんをお迎えして、今年の気になる言葉を振り返り、日本語のおもしろさ、国語辞典の魅力についてうかがいました。(聞き手:武内陶子パーソナリティー)

【出演者】
飯間浩明さん(国語辞典編さん者)


<プロフィール>
1967年、香川県出身。早稲田大学第一文学部卒業。博士課程単位取得。専門は日本語学。国語辞典編集部でのアルバイトをきっかけに、2005年から編集委員に抜てきされ、以降、編さん者として活躍。著書多数。

今年の新語ベスト10

――12月1日に「新語・流行語大賞」が発表されましたが、その前日に、飯間さんが選考委員をされている「今年の新語2023」も発表されましたね。「新語・流行語大賞」と違う点を教えてください。

飯間:
「新語・流行語大賞」は、流行語に重きがおかれていますが、「今年の新語」は、将来、辞書に載せたいという観点で選んでいます。一般から公募し、国語辞典編さん者と日本語の専門家がベスト10を選出しました。

  • ベスト10は「聴き逃し」で

国語辞典ができるまで

――どのように国語辞典は作られているのですか?

飯間:
国語辞典は何年かごとに改訂版が出ます。最新版には、どんな言葉をどのくらい載せ、説明はどうするかなど、編集会議を行います。方針が決まったら、辞書に載せる言葉を探します。例えば、私が作っている辞書の最新版には3,500の新語を載せました。

――どうやって探すのですか?

飯間:
私の場合、新聞・雑誌・書籍などから気になる言葉にチェックをつけて、あとでまとめてパソコンに入力します。

――どのくらい集まるものですか?

飯間:
1か月で400くらいの言葉を採集しています。街の中でも、人の会話、看板、のぼり、ポスターなど、いろんな言葉を探しています。

――最近はどんな言葉を見つけましたか?

飯間:
築地の場外市場の鮮魚店で「ぐるむき」という言葉を見つけました。エビの頭と尻尾を取り除き、殻を全部取ったものを「ぐるむき」と言うそうです。ちらし寿司やサラダに入っているやつですね。また、“あなたの病院”という意味で「御院(おんいん)」という言葉も見つけました。御社みたいな感じですね。

――国語辞典に載せる言葉を集めたら、その次はどうされますか?

飯間:
どの言葉を載せるか会議で決めて、手分けをして説明・語釈を書きます。

――リスナーのみなさんに言葉を楽しむためのアドバイスをお願いします。

飯間:
みなさんが言葉で気になさるのは、正しいか、間違いか、なんです。でも、正しい・間違いなんて、辞書を作っている人間にも決められないんです。それよりも大事なことは、“より伝わる表現”なんです。どういう言葉が伝わるのか、生活の中から探してくれたらいいなと思っています。


【放送】
2023/12/06 「ごごカフェ」

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