ねっとり派? ホクホク派?

23/12/12まで

ごごカフェ

放送日:2023/12/05

#たべもの#ローカル

午後2時台を聴く
23/12/12まで

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焼きいもが恋しい季節になってきました。今回は、焼きいもアンバサダーの天谷窓大(あまや・そうた)さんに、全国のサツマイモ、おいしい焼きいもの作り方などを紹介していただきました。(聞き手:武内陶子パーソナリティー)

【出演者】
天谷窓大さん(焼きいもアンバサダー)


<プロフィール>
1983年、東京都出身。進化した焼きいもに感動し、サツマイモの研究を開始。全国の焼きいも専門店をまわり、焼きいものイベントに携わる。ライター、放送作家、サウナ熱波師などの肩書きも持つ。


――今は“焼きいもブーム”なんですか?

天谷:
業界では“第4次焼きいもブーム”といわれています。このブームは、2000年初頭からとされていますが、この20年の間に少しずつ変化があって今に至っているという感じですね。

――ブームのきっかけは?

天谷:
「紅はるか」や「安納いも」など、“ねっとり系”の焼きいもが注目されたからだと思います。そして、この2品種に続けと“ねっとり系”を作り出す品種改良が盛んになりました。

――ちなみに第1次ブームはいつだったのですか?

天谷:
およそ200年前の江戸時代後期です。砂糖が貴重品で、甘くて安い焼きいもは、老若男女を問わず大人気でした。現在の価値でいうと売上げは1シーズンで650万円くらい、江戸全体では6億円くらいの市場規模だったそうです。

――第2次ブームは?

天谷:
明治維新以降、東京の人口が急増し、値段が安い焼きいもの需要も増えました。専門店が登場したのもこの頃なんです。

――第3次ブームは?

天谷:
戦後、サツマイモが国の統制品から解除されて、リヤカーでサツマイモを焼きながら売るスタイルが始まります。1970年頃には、東京だけで1,000人以上の石焼きいも売りがいたといわれています。

――全国にはいろいろなサツマイモがありますが、天谷さんの印象に残っているサツマイモは?

天谷:
静岡県浜松市では、特産品のうなぎの頭や骨などを肥料にしてサツマイモが育てられています。さらっとした甘さが印象的でした。また、宮城県仙台市の海岸地域で作るサツマイモは、震災で流されてしまった砂浜を畑にして育てられています。ほのかに塩味を感じる味で、仙台金時として流通しています。

――寒い地域でも育てられるのですか?

天谷:
福島や仙台くらいがサツマイモの北限だといわれてきましたが、北海道でも作れるようになりました。由仁町と栗山町で作られているサツマイモは、本州より早めに苗を植えて、土の中で長い時間をかけて育てます。甘さと同時にうま味を感じるサツマイモです。

ねっとりorホクホク

【ねっとり系】

なんたん蜜姫(和歌山県・串本町)

天谷:
和歌山県の串本町だけで生産されているレアな品種です。フルーツのようなジューシーな食感と、甘酸っぱいトロピカルな味が特徴です。じっくり焼き上げることで、甘味成分が蜜となってあふれて出てきます。

アヤコマチ(千葉県)

天谷:
千葉県香取市で積極的に生産されています。ベータカロテンが多く含まれているため、オレンジ色をしています。ねっとりさもありながらシャキシャキした食感もある不思議なサツマイモです。オレンジ色で、冷めても甘みが損なわれにくい特徴を生かして、サラダや冷製ポタージュなどに利用されることも多いです。

【ホクホク系】

あめりか芋(東京都・新島村)

天谷:
稲作のできない新島では、土地を選ばず作付けできるサツマイモが貴重な食料源でした。あめりか芋は、明治時代にアメリカから持ち帰って広まったそうです。甘さ控えめで、香りは夏草のようです。

ふくむらさき(千葉県、茨城県)

天谷:
2018年に登録された新品種です。ホクホクとした食感と、甘さ控えめという性質から、お菓子の原料に使われることが多い品種でしたが、改良が進み、強い甘みをもつ品種が次々登場しています。

焼き方のポイント

  • 1)3%ほどの塩水に20~30分くらい浸けて、事前に塩味をつける。
  • 2)アルミホイルで隙間をつくるようにふんわり包む。
  • 3)魚焼きグリルの下皿に水をたっぷり入れて、弱火で90分ほど焼く。
    両面焼グリルの場合は60分程度。

天谷:
低い温度でじっくり焼くことで、デンプンを糖分に変えることができるので、より甘くなります。サツマイモから蜜が出てきたら出来上がりの目安です。

――オススメの食べ方は?

天谷:
ブリュレにするのがオススメです。焼きいもを舟形に切って、バター塗ってザラメをかけてバーナーであぶります。焦げたパリパリ感と焼きいものトロトロ感がとてもおいしいですよ。

――焼きいも食べたくなっちゃいました!


【放送】
2023/12/05 「ごごカフェ」

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