鍋奉行に聞く! この冬のトレンド鍋は?

23/11/21まで

ごごカフェ

放送日:2023/11/14

#たべもの#ローカル

午後2時台を聴く
23/11/21まで

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鍋のおいしい季節になりました。今回は、7,000種もの鍋を食べてきた、エッセイストで料理研究家の安井レイコさんに、おススメの“ご当地鍋”や、手軽な鍋のアレンジ方法などを教えていただきました。(聞き手:武内陶子パーソナリティー)

【出演者】
安井レイコさん(エッセイスト・料理研究家)


<プロフィール>
1963年 東京生まれ。カリスマ主婦ライターとして、雑誌・テレビなどメディアに登場。出産を機に、料理研究家としての活動も開始。日本鍋文化研究所名誉鍋奉行として、鍋料理の魅力を発信中。

今年のトレンド鍋は?

――最近、鍋の素(鍋つゆ)の種類がすごく増えていますね。

安井:
具材を入れて、鍋にそのまま注げばOKのストレートタイプの鍋つゆ、好みの濃さに調整可能な濃縮タイプ、食べたいときに食べたい量だけ気軽に作れる1個で1人前の個包装のタイプもあります。

――スーパーの棚一面に、いろいろな鍋つゆが並んでますよね。

安井:
ベースとなるだしの種類も、寄せ鍋、豆乳鍋、とんこつ、みそ、キムチなどから、もやしに合う、白菜に合う、キャベツに合うなど、具材に特化したものなど、毎年進化し続けています。

――人気のだしは?

安井:
ふつうの鍋よりも短時間で支度ができる“しゃぶ鍋系の鍋つゆ”や、“ラーメンインスパイア系鍋つゆ”も人気で、有名行列ラーメン店とのコラボ鍋つゆが次々と登場しています。

――秋冬のトレンド鍋を教えてください。

安井:
鍋に関しても、食べ方、味わい方がもっと多様化していくのではないかと思っています。なので、世界各地の鍋の味が手軽に家で楽しめる、世界の鍋スープの開発も盛んです。今期、私が注目しているのは、スパイスが効いてピリッと辛い“メキシカン”の鍋スープです。アボカド、ソーセージ、緑黄色野菜をいっぱい入れて、最後にチーズをたっぷり入れてチーズリゾットはいかがですか? トルティーヤチップですくって食べても楽しいですよ。

鍋奉行おススメのご当地鍋

安井:
日本各地には、その土地ならではの食材、特産品をいかしたご当地鍋があります。現地を旅して、その土地ならではの食材を使った鍋を味わえたら最高ですが、「ご当地鍋の素」もいろいろ売られているので、家でも手軽に再現できます。

  • 1)スープカレー鍋(北海道)

安井:
柔らかく煮込んだ鶏のモモ肉、大きめの素揚げ野菜の組みあわせが定番のスープカレーを鍋用にしました。本格スープカレー店で出てきてもおかしくない味です。シメは、チーズを加えたカレーリゾットがオススメです。

  • 2)芋煮鍋(山形県ほか)

安井:
里芋の収穫期、秋から冬にかけてよく食べられる郷土料理で、河原での芋煮会がおなじみですね。基本の具材は、里芋、牛肉、こんにゃく、ネギなどですが、地域や家庭によって、味付けや具材の種類に違いがあるのも芋煮ならではです。庄内地域では、豚肉、厚揚げ、こんにゃく、ネギを使ってみそ仕立て。内陸部は、牛肉を使ったしょうゆ味。最上地域では、山菜やキノコが入ります。芋煮文化は、山形県だけではなく東北を中心に各地に見られます。

  • 3)鶏(けい)ちゃん鍋(岐阜県)

安井:
「鶏ちゃん」は、鶏肉とキャベツやもやし、季節の野菜に特製のタレを絡めて焼きながら食べる郷土料理ですが、それを鍋スープにしました。シメに麺を入れて焼きそばにするのがオススメです。

  • 4)炊きギョウザ鍋(福岡県)

安井:
炊きギョウザとは、ギョウザを豚骨と鶏ガラのスープで炊いた(煮込んだ)料理で、博多の新名物として注目されています。白濁したスープで、キャベツ、もやし、ニラなどの野菜もおいしく食べられます。薬味は、ゆずこしょうがオススメです。

  • 5)きりたんぽ鍋(秋田県)

安井:
比内地鶏のガラからとっただし、そこにしょうゆや日本酒を入れて味付けしたスープに、鶏肉、ゴボウ、長ネギ、セリ、そして、きりたんぽを入れて煮込みます。きりたんぽ鍋に欠かせないのがセリです。セリ鍋としても食べられるほどのおいしさで、特においしいのが根っこです。これからの時期、一番風味があっておいしいのですよ。

もっと豊かにもっと楽しく

――鍋シーズン到来とはいうものの、鍋定番のお野菜の値段がまだちょっと高いですよね。

安井:
こういう時こそ、価格が安定している野菜を活用しましょう。例えば、もやし、豆苗、キノコ類、カット野菜を使うという手もあります。サラダ用の細切りカット野菜を、スープしゃぶしゃぶにして使うのもよいでしょう。

――安井さんは、どんなふうに鍋を楽しんでいるのですか?

安井:
市販の鍋つゆを、自分好みの味にアレンジしています。例えば、「豆乳の鍋つゆ」と「キムチの鍋つゆ」をミックスして“マイルドキムチ鍋”にしたり、「鶏ガラ白湯塩味系のスープ」と「コーンクリーム缶」を合わせたりしています。
中でもおススメは、パスタソースや中華調味料を、鍋つゆと合わせるスタイルです。ミートソースやナポリタンなどのパスタソースを、途中で投入して“味変”を楽しんでいます。もっと自由にもっと豊かに、鍋の世界を楽しんでくださいね。

――私もいろんな鍋に挑戦してみます。鍋ばんざーい!


【放送】
2023/11/14 「ごごカフェ」

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