NHKドラマ10『大奥Season2』と『ごごカフェ』のコラボレーション企画の第5弾! 今回は、11代将軍・徳川家斉を演じている中村蒼さんをお迎えしました。(聞き手:吾妻謙パーソナリティー)
【出演者】
中村蒼さん
<プロフィール>
1991年、福岡県出身。2006年、舞台『田園に死す』でデビュー。その後、多くの映画やドラマに出演。NHKでは、大河ドラマ『八重の桜』、連続テレビ小説『エール』、『らんまん』などに出演。
――朝ドラに出るとやはり反響は大きいですか?
中村:
あまり交友関係が広くないから「出てたね」って言ってくれる人少ないんです(笑)。でも、親戚の人たちは毎日楽しみにしてくれていたようで、すごくうれしかったです。
――今回の『大奥』では、将軍・徳川家斉を演じられていましたね。
中村:
家斉は、才能もなく、周りからはダメな将軍と言われているんですけど、すごく心優しい人なんです。
――中村さんは、2010年の映画『大奥』にも出られていたんですね。
中村:
お針子の役で出ていて、大出世を遂げました。まだ10代でしたね。
――『大奥』という作品には愛着があるんですね。
中村:
同じ原作に、こういう役で出られるとは思いませんでした。映画のときのオーディションはいまでもよく覚えています。
――ご自身と家斉の共通点はありますか?
中村:
家斉は「どうせ自分なんて!」と自己肯定感が低い人間なんですけど、僕もそんなネガティブな人間なんです。弱々しく、間に挟まれて、自分の意見が言えないところは似ているなと思いました。
――役者さんは自分をアピールするイメージですけど。
中村:
子どもの頃から引っ込み思案で、人前に出ることなんて想像もしなかったですし、いまだに、この仕事をやれてるのが不思議な感じです。
――でも芸歴18年ですよ。
中村:
自分の出ているシーンは手に汗握って見ています。
――どうして役者になられたんですか?
中村:
自己肯定感が低いのはわかっているんですけど、作品を見た人から「元気になりました」「楽しみにしていました」とかメッセージをいただくと、こんな自分が誰かの“そういう存在”になっているんだと喜びを感じるからなんです。
――14歳のときのオーディションは、お父さんが応募されたそうですね。
中村:
父は、僕が引っ込み思案だと知っていたし、このままだと社会人としてやっていけないんじゃないかと不安だったそうです。
――でもイヤじゃなかったのですか?
中村:
イヤでしたよ。まさに家斉状態です(笑)。でも応募されたから会場に行きますよね。行けば落ちてやめられると思ってたら、なぜか選ばれてしまいました。だから、この仕事をやっているのが不思議なんです。
――15歳で舞台主演、17歳では映画主演ですよ。
中村:
この仕事以外になにができるのか? と思ったときに、目の前にある仕事にしがみつくしかないと思ったんです。
――これは難しいと思った役はありましたか?
中村:
それこそ『らんまん』の高知弁はめちゃくちゃ難しかったですね。
――『大奥』での家斉はどんなところにこだわって演じましたか?
中村:
家斉は周りからポンコツと言われているんですけど、最初はそうじゃなかったと思うんですよ。だから彼が再生していくように演じられたらいいなと想像して、僕なりの家斉を作っていきました。
――仲間由紀恵さんの演技は怖かったですね。
中村:
「いつも怒ってばかりだね」って仲間さんから言われ、「いつも怒られてばかりです」って答えていました(笑)。
――重いシーンの多い現場だったのですね。
中村:
ワンシーン、ワンシーン、魂を削りながらみなさん演じてらっしゃいました。だからこそ『大奥』がステキな作品になっているのだと思います。
――今後はどんな役をやっていきたいですか?
中村:
自分が想像もしてない役をやってみたいですね。どんな役が来るのかワクワクしながら待つのが好きですね。
――これはやりたくないぞ! という役は?
中村:
男らしい役は、自分の中にいるもうひとりの自分が「おまえ、そんなんじゃないだろ!」って笑ってる感じがして恥ずかしいですね(笑)。
――『大奥』ファンの方にメッセージをお願いします。
中村:
新しい人がどんどん出てきます。新たな将軍になり、新たな時代の幕開けとなるので、ぜひ楽しみにしてください。
【放送】
2023/11/03 「ごごカフェ」