ストリートピアノの動画で注目を集めたポップスピアニストのハラミちゃん。「ピアノを身近な存在に」をモットーに、現在、47都道府県をまわるツアーの真っ最中。ピアノの演奏はもちろん、今の気持ち、これからの夢などうかがいました。(聞き手:武内陶子パーソナリティー)
【出演者】
ハラミちゃん(ポップスピアニスト)
<プロフィール>
4歳からクラシックピアノをはじめ、音大卒業後、IT企業の会社員を経て、2019年から「ハラミちゃん」として本格的な活動を開始。動画投稿サイトの登録者数は213万人超。2022年には女性ピアニストとしては14年ぶりの日本武道館での単独公演を行う。
――きょうは29日。「肉の日」にハラミちゃんに来ていただきました。名前の由来は、お肉の「ハラミ」なんですって?
ハラミ:
そうなんですよ。焼肉の帰り道に「ハラミ」ってつけたんですよ。月1回の「肉の日」に出演できるなんて、これって運命ですね(笑)。
――意外と背も高いのね。
ハラミ:
公式では145cmなんですけど(笑)。
――私も145cmです(笑)。
ハラミ:
会う人に100%「意外と大きい!」って言われます。
――私も「何メートルですか?」って聞かれます(笑)。
ハラミ:
ピアノで座っているから小柄に思われるんでしょうね。
――きょうはファンの方からもいっぱいメールをいただいていますよ。
ハラミ:
私のファンの方は、ベイビーから年配の方まで幅が広いんです。さまざまな年代の橋渡しになれたらと思って選曲しています。ストリートでは、その場所の雰囲気や時間帯によって選曲やアレンジして演奏しています。
――これまでどのくらいストリートで演奏をされてきたのですか?
ハラミ:
動画だけでも1000本以上ですね。ストリートピアノは、ピアノの演奏を披露する場ではなく、コミュニケーションの場なんです。自己満足の場でもいいし、失敗しても好きに弾けばいい場所なんです。いかに自分が楽しむかが大事なんです。
――ストリートだけではなく、ライブ活動も行っていますよね。
ハラミ:
いまは4月から始まった、全国47都道府県ツアーの真っ最中です。
――会場でリクエストを受け付けることもあるそうですね。
ハラミ:
ストリートと同じようにリクエストを受け付けています。みなさんからのリクエストを箱に入れて、ライブ中にくじ引きで曲を決めています。
――ハラミちゃんが知らない曲もありますよね?
ハラミ:
その場合はスマホで曲を聴いて即興で弾きます。
――1回で覚えちゃうの?
ハラミ:
曲にもよりますが、だいたい1、2回で覚えますね。先日、スマホで曲を聴こうと思ったらホールに電波が届かず、楽屋でスタッフさんが電波をキャッチしてダウンロードしてピンチを切り抜けました。
――耳コピはできるけど曲が聴けないということですね。
ハラミ:
お客さんもハラハラ「大丈夫かな?」という感じでした。
――小さいころはどのくらいピアノ練習していたのですか?
ハラミ:
「生活の中心」にピアノがありました。小学生のころは、水曜日と、土曜日にレッスンがあって、水曜は学校が終わったら、電車で移動しながら宿題をして、ピアノのレッスン。終わって、帰宅したら午後10時から1時間練習。土曜日は午後2時から10時までレッスンがありました。だから平日の学校がむしろ休憩。水曜と土曜に向けて準備を繰り返す生活でした。結果、音大には入れたのですが、ピアニストはおろか、音楽の先生になるのも狭き門だと気づかされました。そして、ピアノをあきらめてIT企業に就職したんです。でも頑張り過ぎて体調を崩し、心も折れてしまったんです。
――それからどうしたのですか?
ハラミ:
休職中に、会社の先輩が、新宿都庁のストリートピアノに連れ出してくれたんです。そこで久しぶりにピアノを弾いたんです。その様子を先輩が録画していて「動画サイトにあげていい?」と聞かれたんです。「どうせ誰も見ないからいいか」とOKしました。それが、あっという間に再生30万回を超えたんです。「演奏する姿が楽しそう!」などの書き込みを見て、もう一度ピアノを弾いてみようと思ったんです。先輩には「人生1回でも笑った人が勝ちだよ」と言われ、今の私がいます。その先輩も会社を辞めて私のマネージャーをしてもらっています。