午後2時台を聴く
23/03/07まで
大学講師で、元・和菓子職人の芝崎本実さんに、日本各地の個性豊かなあんこのおやつを紹介していただきました。(聞き手:武内陶子パーソナリティー)
【出演者】
芝崎本実さん(大学講師)
<プロフィール>
1977年、埼玉県出身。製菓学校を卒業後、和菓子職人として就職し、商品開発業務にも携わるかたわら、和菓子の講習会や食育イベントを開催。その後、女子栄養大学大学院を修了。現在、十文字学園女子大学食物栄養学科の専任講師として管理栄養士を育成しながら和菓子の研究を行っている。
――最近、あんこのヘルシーさが注目されていますね。
芝崎: |
特に注目されているのが、小豆に含まれるレジスタントスターチという成分です。これは消化されにくい性質をもったデンプンの一種で、血糖値の急激な上昇を抑えたり、腸内環境を改善したり、便秘を解消してくれると考えられているんです。さらに、小豆にはポリフェノールも豊富に含まれていて、血圧を正常値にしてくれる効果もあると考えられているんです。 |
――あんこスイーツというと、ちょっと地味なイメージがありましたが、最近は華やかなスイーツも増えているそうですね。
芝崎: |
例えば、近年ブームと言われたのが「おはぎ」です。インターネットで「ビジュアルおはぎ」「進化系おはぎ」で検索してもらうとかわいい写真がたくさん出てきますよ。 |
あんこもいろいろ
芝崎: |
東日本は「こしあん」、西日本は「つぶあん」が好きな人が多いという説があります。 |
――それはどうしてなのかしら?
芝崎: |
兵庫県産の小豆は皮がかたいので、西日本では「つぶあん」。北海道産の小豆は皮がやわらかいから東日本では「こしあん」が親しまれてきたともいわれています。しかし、現在は多くの小豆が北海道産で、品種も混在しているので、私は一概にそうは言えないと思っています。 |
――芝崎さんはどちらが好きですか?
――「ずんだあん」や「うぐいすあん」など、色の違うあんこもありますよね?
芝崎: |
「ずんだあん」は、枝豆を材料にした宮城県名物のあんこです。岩手県、山形県、福島県の一部でも作られています。「うぐいすあん」は、青インゲン豆(グリーンピース)でつくったあんこです。また「白あん」は、皮が白い色の豆を材料に作ったあんこですが、この「白あん」に他の素材を混ぜたものを「加工あん」と呼んでいます。 |
あんこ最新トレンド
芝崎: |
ようかんの新時代が来ているように感じます。ゼリーのようにやわらかく、高齢の方でも食べやすいようかん、飲めるようかん、アスリートの栄養補給用に商品開発されたようかんなど、新しいタイプのようかんが続々登場しています。薄く切って個包装になっているようかんもあるんですよ。 |
――今後、あんこに関してどんな活動をしていきたいですか?
芝崎: |
あんこは日本人のソウルフードです。これからも、愛してやまないあんこの魅了を伝えて、みなさんの生活を豊かにしていきたいです。 |
――ちなみに私は「あんバター」に夢中です(笑)。
【放送】
2023/02/28 「ごごカフェ」
午後2時台を聴く
23/03/07まで