【飛ぶ教室】「きょうのセンセイ ~お笑い芸人 水道橋博士さん~」

高橋源一郎の飛ぶ教室

放送日:2024/01/12

#文学#読書

「飛ぶ教室」、2024年最初の生放送のゲストは、源一郎さんとは「すっぴん!」のパーソナリティー仲間だったお笑い芸人の水道橋博士さん。去年公開された映画『福田村事件』の演技でも注目されました。そんな博士さん、1コマ目でとりあげた『道 自伝 全著作<森繫久彌コレクション>1』は、ずっと「読みたいなぁ」と思っていた本だったとか。盛り上がったトークの一部をご紹介します。

【出演者】
高橋:高橋源一郎さん(作家)
礒野:礒野佑子アナウンサー
水道橋:水道橋博士さん(お笑い芸人)


礒野:
源一郎さん、2コマ目です。

高橋:
はい。今日のセンセイは、お笑い芸人のこの方です。

水道橋:
たけし軍団のメンタル傷痍(しょうい)軍人、水道橋博士です。

高橋:
あはっ(笑)。

水道橋:
最近はよく、これを“つかみ”にね(笑)。

高橋:
大丈夫ですか…、具合は?

水道橋:
はい。今はもう元気で、ここも自転車できましたから。

高橋:
よかった、よかったね。

礒野:
今日はよろしくお願いいたします。

高橋:
じゃあ、まぁ一応、プロフィール紹介をやってあげて(笑)。

水道橋:
あははは(笑)。

礒野:
はい。水道橋博士さんは、1962年、岡山県生まれ。明治大学を中退後、23歳でビートたけしさんに弟子入りし、翌年、漫才コンビ「浅草キッド」を結成されました。2004年には「浅草キッド」名義で発表した著書『お笑い男の星座2』が大宅壮一ノンフィクション賞にノミネート。2022年には参議院選挙に立候補し、初当選。去年1月に議員辞職されています。芸人、コメンテーター、ライターとして、さまざまなメディアで活動されていらっしゃいます。

高橋:
様々に炎上してますよね。

水道橋:
はい。もう「炎上で暖をとるスタイル」なんで。

高橋:
あっはっはっ(大笑)。

礒野:
どんなスタイルですか(笑)。

水道橋:
必ず薪をくべてね、俺が。それを燃やし続けてる。だから元日から12日連続で炎上中なんですよ。

高橋:
すごいよね。大炎上したらさ、焼け焦げちゃうからさ。適度な炎上だよね。

久しぶりの再会

高橋:
え~ホント、博士、久しぶり!

水道橋:
そうですよね~。10年ぶりなんですよ。

高橋:
あの~、僕が勤めていた明治学院大学に来てもらった以来だっけ?

水道橋:
え~っと、そうですね…。

礒野:
明治学院大学で源一郎さんが先生をされていたときに?

高橋:
…ときに!

水道橋:
もう退職されたんですね。

高橋:
あ~、もう、だって、定年を過ぎちゃってるから。
で、あのとき…、

水道橋:
「読書論」やったんですよ。
もう意気投合しましたよね!

高橋:
面白かったよね~!

水道橋:
お互い、いろんな経歴が似てて、最終的には刑務所に入って読む本、

高橋:
…っていうので、盛り上がったの!

水道橋:
あははははっ(笑)。ホントですよ。

高橋:
「刑務所がいちばん本を読めるよね」っていうのは、大杉栄が有名ですけどね。

水道橋:
もちろん、もちろん。あと、百瀬博教さんって人を言うんですけど。

高橋:
あ~、いるよね。

水道橋:
はい。

高橋:
そしたら「刑務所に入ったら読む本の本棚がもうある!」と。

水道橋:
あるんです、あるんです。

高橋:
今もあるんだっけ?

水道橋:
今も…、ちょっと本は減ったんですけど、ちょっと引っ越しして、蔵書が減ってるんですけど、でもマジに、「老後に読む本」という本の本棚も作ってたんですね。

高橋:
あ~。

水道橋:
で、こうやって老後、還暦を迎えて、そしたら普通に老眼で読めないんですよ。

高橋・礒野:
あはははははは(笑)。

水道橋:
驚きましたよね、それ。

高橋:
そう、それは考えなかったよね~。

礒野:
そうか、もういま61歳?

水道橋:
そうなんですよ。どこが『浅草キッド』だって話なんですけど。

高橋:
キッドじゃないよね(笑)。

水道橋:
だけど森繁さんのこの本(1コマ目でご紹介した森繁久彌 著『道―自伝 全著作〈森繁久彌コレクション〉1』)に収録されている自伝は、文庫で出てるじゃないですか~。

高橋:
はいはい。自伝、もともとはね。

水道橋:
はい。あれはもうボロボロの古本を買ってあるんですよ。ただ、読めない…、老眼すぎて(苦笑)。

高橋:
老眼すぎて。

水道橋:
文庫が読めないんですよ。

高橋:
あ~、もうだんだんね、読めなくなってくるよね。

1コマ目「ヒミツの本棚」の続き

高橋:
さぁ、というわけで!

水道橋:
はい!

高橋:
さっき「森繁久彌コレクション」の中の「自伝」をやったんですが、え~、なにか言いたいことがあるという?

水道橋:
いやいや、僕ね、これ3か月ぐらい前に、東中野の某古書店チェーンの店で、この“そろい”を見つけたんですよ。

高橋:
ほう、ほう。

水道橋:
5冊ぞろい。

礒野:
へぇ~!

水道橋:
そのときにお金がなくて買えなかったんですね。

高橋:
うん、うん。

水道橋:
めちゃくちゃ欲しかったんですよ!

礒野:
そうだったんですか~。

水道橋:
この束(つか)もいいし、小口もいいし。この手触りが…、

高橋:
本としていいよね!

水道橋:
そう! 形としてね、フィギュアとしていいんですよ。

礒野:
けっこう分厚いんですけれどもね。

水道橋:
ええ。ここのところのね、小口の感じが…、上質紙で…。
フェチなんです、本の!

高橋:
出版社の社長が喜ぶよ、それ聞いたら。

水道橋:
ね~!

高橋:
いや、いい本ですよ。

水道橋:
素晴らしい…。

高橋:
本としては、(コレクションの全5冊のうちの1冊の)「芸談」が、たぶんいちばん面白いと思うんだけど、僕はちょっと「自伝」ね、あの~、読んでて、なんて言うんだろうな…、ただの俳優じゃなくて、「書く人」でもあるでしょう?

水道橋:
そうなんですよ。
それで僕は、森繁さんがどういう人かっていうのは、源一郎さんより10歳くらい年下だから、僕の中では『屋根の上のヴァイオリン弾き』。

高橋:
だよね。

水道橋:
「絶対、雲の上まで行かない人だな~」って、ずっと長生きされて…。

高橋:
あはは(笑)。

水道橋:
90歳以上…、

高橋:
96かな。

水道橋:
96歳まで生きられたから。だから大権威ですよね、芸能界の。
で、1985、86年ぐらいに小林信彦さんが『週刊文春』の中で、森繁久彌が今の「(ビート)たけし」みたいな人だったということを誰も信じてくれないんだ、ってことを書いていて。すごくそこから興味があったんですよ。

高橋:
あぁ…、なるほどね。

水道橋:
たけしさんが、レコード・映画・テレビ・ラジオ、全部を制して、“5冠王”とかって言ってた時期なんですね。現象としての森繁久彌っていうのは、どれくらいマスコミを制していったんだろう、ということを、そのときから意識してたんですよね~。

礒野:
へぇ~!

高橋:
それは似てると思う。

水道橋:
そうですよね。

高橋:
やっぱり、権威になってたし…、『屋根の上のバイオリン弾き』は900回、ロング公演とか、

水道橋:
うん、うん。

高橋:
文化勲章とか…、

水道橋:
はい。紫綬褒章もとってますよね。

高橋:
もらってるでしょ! 国民栄誉賞までいってるからね~。

礒野:
そうですね~。すごい方ですね、多彩で。

高橋:
僕の世代だと、社長シリーズの「エッチなおじさん」だよね。

水道橋:
「エッチなおじさん」であり、あれらがすごく、なんですかね…
「憑依(ひょうい)芸」とか「ものまね芸」がすばらしいんだっていうのは、やっぱりタモリさんに通じている芸人なんだっていうのがよくわかるし、その早稲田っていうところも大きいと思うんですよ。

礒野:
うん、うん。

水道橋:
当意即妙に次々と「ものまね芸」をやって、それは僕、古川ロッパを研究してたんですね。3年前に僕は『藝人春秋 Diary』っていう本を書くために、古川ロッパにエピグラフ…、巻頭にも捧げてるんですけど、その日記を全部読んで、古川ロッパ自体が、森繁久彌は弟子筋で…、

高橋:
弟子ですね。まぁロッパの一座にいたからね。

水道橋:
そうなんです、そうなんです。だけど、だんだんと森繁が、あの、

高橋:
えらくなって(笑)。

水道橋:
えらくなって、天下を取っていき、自分がどんどんと追い詰められていき、嫉妬をものすごく感じながら日記を残していくっていうのを読んでいて、だからますます、この森繁さんの研究を今度進めようというときに…、

高橋:
ちょうど!

水道橋:
ちょうど!

礒野:
ちょうど~!

高橋:
ぼくね、さっきも言ったように、気がついたら本当に偉大な人みたいになってたでしょ? 偉い人!

水道橋:
僕らは、そうですよね~。

高橋:
だから僕は違和感があるんだよね。

水道橋:
あぁ、なるほど~! 東宝のシリーズっていうのは、B級っていうかね。

高橋:
まぁまぁ…。いや確かにね、たけしですよ。
こんな勲章をもらって、みんながへいこらするような…、「いや、違うだろう!」っていう。

水道橋:
プログラムピクチャーの主演男優ですからね。

高橋:
ある意味、使い捨て?

水道橋:
そうですね。

高橋:
それが、だんだん…。
だから200本も出てた人が、だんだん作品を選ぶようになって。問題作とかね、シリアスなもの、シリアスなものになっていくのは、僕はね、ファンとして「大丈夫?」って…。

礒野:
へぇ~!

水道橋:
だから、それをね「森繁病」って呼びましたよね~。小林信彦さんが。片岡鶴太郎さんが「森繁病」だとか言われて…。そう、だからシリアスなことだけをやってはいけないっていう。
振り子理論の中で、たけしさんは、「森繁にならないように…」っていうのはすごく意識していて。だから、日本アカデミー賞の中で、森繁さんがいると、都家かつ江の三味線の格好をして出て行って、森繁さんに「順番を守れ!」っていうね、

高橋:
あはは…(笑)。

水道橋:
すごいこと言ったんです。あんなこと言う人、いないじゃないですか。

高橋:
茶化すんだよね。

水道橋:
茶化し続けた。欽ちゃんと森繁さんに関してはず~っと全否定しながら、天下をとっていったんです。

礒野:
そうだったんですか~。

高橋:
「笑い」っていうことに関して、まぁある意味、いちばんの対立軸だよね?

水道橋:
だから今はもう本当に、お笑いの世界がいわば「天下をとる」っていうのも、有吉(弘行)くんみたいな天下のとり方は「式年遷宮」みたいに天下をとってるんですよ。いつの間にかいろんな番組を…、自分の城を建てて、いつの間にか全部大きくなった。
でも昔のテレビ界、お笑い界は、完全に首をとりにいって、全否定しながら次の上に行く、っていう過程がありましたよね。

礒野:
へぇ~!

高橋:
だから「お笑いから始めた」っていうイメージだよね、森繁さん。
結局そこから離れて、舞台とか、映画とか、正直言って「文章」もそうなんだよね。文章も上手で、うまいんだけど…、

水道橋:
いや、すばらしい文章ですよ。マジで。

高橋:
本当に! 俳優の文章じゃないよね、ある意味。作家になっていく…

源一郎さんが好きな森繁さんの作品は

高橋:
僕がいちばん森繁さんで好きなのは朗読劇だからね。

水道橋:
そうですね。

高橋:
『日曜名作座』っていうのを僕、聞いてて…、

礒野:
NHKラジオで放送していましたね。

高橋:
僕、東京拘置所にいたときにいちばん好きだったのは、それだったの。

水道橋:
へぇ~。

高橋:
夜やってくれるの。

礒野:
拘置所で、聞いていらした!

高橋:
ちょうどね、その時間帯に寝かされるんだよ。あとは布団の中で!

水道橋:
「拘置所の中で聞いてた」って言ってましたよ。明治学院大学の講義でね。

礒野:
そのときも!

高橋:
拘置所で読む本はあるけど…、読む朗読(笑)。で、『南総里見八犬伝』なの。

水道橋:
いや~、すばらしい。

高橋:
しかも8役とかやってくれるの、1人で。

水道橋:
えっ!?
え~、そう! 8役やるんですか! すごいですね。

高橋:
全部1人で、ね。加藤道子さんとね。

礒野:
はい、そうですね。

高橋:
なので…、えっ? (ディレクターから)あんまり森繁さんの話ばかりするなって言われたので…、

礒野:
そろそろ…、あはは(笑)。

映画『福田村事件』で、“怪演”!

高橋:
そもそも博士に来ていただきたいと思ったのは『福田村事件』の!

水道橋:
『福田村事件』ね。

高橋:
役名が長谷川秀吉ですね。

礒野:
森達也監督の『福田村事件』が、去年、公開になりました。

高橋:
森監督にも(「飛ぶ教室」に)来ていただきましたけども…。

水道橋:
森監督と源一郎さんがどれだけ親しいかっていうのは、僕、森監督の映画『FAKE』が2016年に映画館に行って、その初日に、新聞に、ちょうど合わせたように、森達也論を書くんですよ。

高橋:
論壇時評ね。書きましたよ。はい、はい、はい。

水道橋:
それが忘れられない。
森達也監督と源一郎さんが、すごく、もう、ず~っと同調しているっていうか…。

高橋:
うん。あのまぁ、意見は違うんだけどね(笑)。

水道橋:
意見は違うけど、表現に関しては…、

高橋:
でも映画はすばらしいですね。

水道橋:
ええ。

高橋:
僕、びっくりしたのは…、

水道橋:
森監督の初めての「劇映画」ですからね。

高橋:
そうなんだよ。あの人、ドキュメンタリーばかりだったから…。で、まぁ、ご存じのようにね、関東大震災での虐殺の話なんですけども。

礒野:
水道橋博士さんは村の自警団を結成する在郷軍人を演じたんですよね。すごい役でした!

高橋:
これ~、もうあらゆる人がほめてるんですが(笑)。

水道橋:
もうなんか、「怪演」って言われて、あらゆる賞をとると言われたんですが、1つもこないんですけど…。

礒野:
今のところは…、うっふっふっ(笑)。

高橋:
まだノミネートもない?

水道橋:
ないんです(笑)。

高橋:
おかしいな~。あっはっはっ(笑)。

水道橋:
おかしいでしょ~(笑)。

高橋:
わかんない。いきなりアカデミー賞とかに⁉(笑)

水道橋:
あっはっはっ(笑)。

礒野:
どんな思いで演じていらっしゃいましたか?

水道橋:
僕はこれ、2年前の8月9月なんですけれど、ちょうど参議院選挙で当選したあとなんですね。
で、国会が始まる時期と同じで、京都に皆さんは合宿してるんですけど、僕は委員会が始まる可能性があって、だから1人だけ、東京から通ったんです、撮影所まで。京都の山奥まで。

高橋:
あ~、議員のときだね。

水道橋:
そうなんです。議員会館に必ず出て行って、だからもうタイムリープしていく…、100年前に行きながら、東京の議員をやりながら、向こうに行って、「ウルトラファシスト」になるわけだから。

高橋:
あははははは(笑)。

礒野:
すごい(笑)。

高橋:
で、戻ると、デモクラシー、民主主義者で…
あははははは(笑)。

水道橋:
そうですよ。すごいリベラリストにならなきゃいけないっていうのを…。そのときにもう、うつを発症していて…。
映画の進行と同時に、うつにどんどんなっていくっていうことだから、あれはもう「リアルな役」なんですよ。

高橋:
あぁ…、本当にあの感じだったの?

水道橋:
あの感じで、撮影現場で誰1人しゃべらないし。よく入魂の演技っていうじゃないですか。

高橋:
うん。

水道橋:
そういう意味だと、もう魂が抜けてるんですね。魂が抜けて、自分ではない、亡骸(なきがら)みたいな自分がいて、そこに新しく…、

高橋:
あのキャラクターね。

水道橋:
憑依してるから、自分が見ても、目つきから何から、「違う人」なんですよ。

高橋・礒野:
へぇ~!

礒野:
ご自分で映像を見ても?

水道橋:
そうです。

高橋:
なんでそんなことになったんだろうね?

水道橋:
まぁそれは、本当に追い詰められました、あの頃は…。

高橋:
あぁ、いろいろね。

水道橋:
ええ。要は(国会の)委員会が、いつ立ち上げられるかわからないっていうこともあり、あとまぁ少数政党だったから、必ず質問しなきゃいけない、それ30分以上やらなきゃいけないっていうので、しかもトリをとらなきゃいけないんですよ、順番的に。

高橋:
う~ん。

水道橋:
それ「ネタがかぶったらどうしよう」とか、そういうことも…、

高橋:
芸人だからね(笑)。

水道橋:
芸人だからすごい思うんです。そこで追い詰められて。
「私の新曲が出ましたので」って、あんな委員会であんなことでいいんだったら、最初っからそれで…。「どんだけ、のんきなこと言ってんだ!?」と思いましたもん。

高橋:
いや~だから、博士が議員やるって言ったときにね、僕はホントやめたほうがいいと思ったの。

水道橋:
あぁ、なるほど。

高橋:
だって、真面目すぎるもん。向いてないよ。

水道橋:
向いてないですね。

高橋:
政治家に。

礒野:
真面目すぎる?

高橋:
真面目すぎる。だって、わかるでしょ? もともと内気だしね、人見知りはするし。

水道橋:
そうですね~。

礒野:
そうなんですね。

高橋:
全て芸人に向いてないよね(笑)。

水道橋:
あははっ(笑)。

礒野:
芸人にも!? うふふふ(笑)。

高橋:
でも、芸人になりたいんだよね?

水道橋:
いや僕、芸能界に潜入したルポライターですから(笑)。

高橋:
そのとおりだと思います。それでね、もう時間がなくなっちゃうからさ、著書の『藝人春秋』の話を今日はしたかったんだけど、また今度来たときにしよう、ちゃんとは!
僕、『藝人春秋』って文庫本3冊と、単行本1冊あるんですけど、たぶん博士の主著ということになるんじゃないかな、と思うんですけど…。これを書くために芸人やってんじゃないかと思うんだよね。

水道橋:
ライフワーク的なことになってますよね。

高橋:
で、すごいなと思うのは、芸人なんだけど、芸人への憧れがすごいね。

水道橋:
僕、「徒弟制度」への憧れだと思うんですよ。徒弟制度の中に入って、新しい自分の人生を、父を師匠だと思って生き直すことをやったと思うんですよ。
だから今、『ダウンタウン』なんかは学校からじゃないですか。

高橋:
そう、そう。

水道橋:
僕たちが持ってたしきたりとか、教えてもらったことと、やっぱ違うんですよ。「新しい学校のリーダーズ」なんですよ。

高橋:
あはははは(笑)。確かに。

礒野:
はい、はい。いま話題の(笑)。

水道橋:
だから、そういうルールを作っていって、今のような「あれ? おかしい」っていう。
僕らは素人に迷惑かけちゃいけないということを教え込まれた世代ですよ。それは師弟関係があった、徒弟制度があったからです。

高橋:
僕が最近出した「一億三千万人のための『歎異抄』」でも、師と弟子の話なんだよね。

礒野:
という話は、また次回ぜひ、お話しいただきたいということで…、

高橋:
そうなの? もう終わり?

礒野:
申し訳ありません。お時間です。この辺でお別れです。

高橋:
え~、残念だな。

礒野:
残り8秒ほどです。

高橋:
えっと、じゃあ、『藝人春秋』の話で、なんと言ってもすごいと思ったのは…。
(※時間切れで、フェードアウト)

高橋源一郎の飛ぶ教室

ラジオ第1
毎週金曜 午後9時05分

詳しくはこちら


【放送】
2024/01/12 「高橋源一郎の飛ぶ教室」

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