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【10月9日放送】ジャーナル地域発「サーフィンで町が変わる!」

番組スタッフ

投稿日時:10月11日 (木) 午後0時22分

【10月9日放送】ジャーナル地域発「サーフィンで町が変わる!」

全国各地のさまざまな動きなどをお伝えする「ジャーナル地域発」。今回は千葉からです。
2年後の東京オリンピックであらたに加えられた種目にサーフィンがあります。
そのサーフィンの会場となるのが千葉県一宮町。
地価が上昇し移り住む人も増えるなか、サーフィンをいかした町の活性化が進められています。
(報告:千葉放送局・田中洋行アナウンサー)

オリンピックのサーフィン会場・千葉県一宮町

田中アナリポート:
「いい波が立っています。きょうもサーファーが10人ほど海に入っています。こちら、オリンピックのサーフィンの会場となる釣ヶ崎海岸です。」

2年後、はじめてのオリンピック種目、サーフィンの会場となる一宮町の海岸。
この日も鮮やかに波に乗るサーファーの姿がありました。
一宮町の波について聞くと・・・

サーファー:
「東京からです。(田中:よくいらっしゃる?)ここに来ていれば間違いない。」

この海岸。全国のサーファーたちの間では知られた海でしたが、オリンピックに決まったことで、サーフィンを見学する人も多くなってきました。
サーファーたちの姿を楽しむお年寄りの夫婦です。

見学者:
「サーファーが全国に広がってね、サーファーの一宮とかなんとか出ればいいじゃない?(妻)楽しみにしています」」

 

地価6%上昇!「海岸通りの不動産」

一宮町は人口1万2000の太平洋に面した小さな町です。
しかし今、年間60万もの人がサーフィンを楽しみに訪れています。
海岸沿いの道路は「九十九里ビーチライン」と呼ばれ、多くのサーフショップが点在しています。
この道路を中心に、今、町は新しい住宅の建築ラッシュです。
ことしできたばかりの「サーファー向けの住宅」があると聞き、不動産業者の岡部亜紀さんに案内してもらいました。

田中アナリポート:
「海岸から歩いて3分ほどのところにある、サーファーズ・ハウスと呼ばれる建物です。外観がですね、杉の木を使っていますね。そして何よりも入り口の玄関の前にシャワーがついています。≪シャワー音≫・・・(岡部さん解説)お湯も出ます。なので、真冬、手がかじかんで、あがってきてもすぐ暖をとれます」

砂や塩を生活空間に入れないような工夫が施されているんです。
そして玄関もサーフボードを置くことのできる広さがあります。
こうしたサーファー向けの集合住宅が、ことしに入っても10棟以上、次々に建設されているんです。
9月に公表された都道府県地価調査では、周辺の市町村で地価の下落が続く中、一宮町は、海岸近くの住宅地が6%、商業地が5.9%それぞれ大幅に値上がりしました。
再び不動産会社の岡部亜紀さんです。

岡部さん:
「サーフィンをやってみよう。ここにアパート借りてみよう。住んでみよう。定住されている方もいれば、別荘のために建てている方ももちろんいらっしゃると思います」

 

サーファーが地元の人に理解されるまで

しかし、サーフィンが最初から一宮町の地元の人たちに歓迎されていたわけではありませんでした。
園芸農家の御園生幹央さん(65)はトマトやハーブを栽培しています。
サーファーが一宮にやってきた50年ほど前のことをよく覚えているといいます。

御園生さん:
「ちょっと今考えるとひどかったかなと。例えば、松林の中に入って用を足してしまうとかね、ゴミ置きっぱなしにして帰っちゃうとか、水道を勝手に使って行ってしまう。だからサーファー、イコール、良くない人たちだというふうに見られていた」

見方が変わったのは、サーファーが地元で仕事をするようになったことが大きいと言います。

御園生さん:
「繁忙期には人手が足りなくて、実際にメロンの収穫のときには女子のプロサーファーに手伝ってもらっていて、話をきくと非常に真面目でよく働いてくれているということで、今までサーフィンをやっている人達に対しての見方がガラッと変わったという風に聞いていますし、昔の、髪の毛を赤くしたりしてイメージ的にちょっと少し進んでいるような感じのイメージありますよね?見方が変わってきたと。真面目な子が多いなと見直してきていますね」

地元の人たちにも、サーフィンに打ち込むほど、海の塩で髪の毛は茶色っぽくなったり、肌も日に焼けて黒くなったりすることが理解されるようになりました。
地元にとっては、農作業の貴重な担い手として、そしてサーファーにとっても貴重な収入を得られる関係が築かれるようになりました。
やがて一緒に祭りに参加したり、定住したりする人も増えてきました。

 

サーファーたちによる地元貢献

さらに、サーファーたちは、地元に何が貢献できるのか、考えてきました。
実は不動産を案内してくれた岡部さんもプロのサーファーでもあります。
東京生まれの岡部さんは19歳の頃から20年以上、一宮の海を拠点にサーファーとして活動しています。
10年ほど前からは、夏に一流のサーファーたちとともに地元小学校のプールでサーフィンを教える活動を行っています。

岡部さん:
「いきなり、サーフボードに立ってもらうんですけど、それをただ押して25メートル往復するだけなんですけど、でも水面に浮いているそこに立っているという感覚だけでも、たぶん、やったことないと思うんですよね。誰々ちゃん、頑張って〜みたいな、年齢関係なく応援しあって。すごくほのぼのしていますよね」

その他にも一宮町のサーファー達は毎月第1日曜日をビーチクリーンの日にして、海岸のごみひろいを行ったりNPOを作って水質調査や環境保全活動なども行ったりしています。

 

サーフィンとともに発展する一宮町への期待

近年は、毎年500人前後が一宮町に移住してくるようになりました。
町も、新たな住民のための保育園を整備したり、教育環境に力を入れたり、サーフィンの町をアピールするホームページを作ったりして、一宮町で暮らす魅力を「サーフィン」を通して発信するようになりました。
2年後に迫ったオリンピック。
岡部さんは、サーフィンとともに発展する一宮町に期待しています。

岡部さん:
「田舎の良さはやっぱり残しつつ、土地が売れて家が建って、新しいものと古いものが共存し合えるような、お祭りに参加するとか、そういう歴史も一緒に大事にしながら発展していければなと思いますね」

多くの自治体が人口の減少問題に直面する中、一宮町のように地元の方々が新しい人や文化を受け入れて、一緒になって魅力を発信し、行政もそれをバックアップする。そういったことが町の活性化につながると感じました。

この日の放送を聴く [10月16日(火) 午後11:20配信終了]

田中洋行アナウンサー

千葉放送局
田中洋行アナウンサー

平成12年入局。
趣味:ダイビング・釣り・カメラ・登山・カヌー・自転車・キャンプ

番組情報
NHKジャーナル番組HP
平日 午後10時00分~11時10分 生放送
キャスター:山田康弘、菅野真美恵
ニュースデスク : 岩本裕、森田智之