2008年01月22日 (火)メジャーリーガー イチローさん(後編)

イチローさんには、なんと6時間もお話を伺わせていただいた。
熱く、いろいろなことを語ってくださったが、
その中には「なるほど!」と、興奮するような話がたくさんあった。
自分の日常を、その視点を持って今一度振り返ると目からウロコ!というような、
これから生きていく上で大変役に立つような、そんな話がいっぱい!!
まずわたしが、強い興奮を覚えたのは・・・

まずわたしが、強い興奮を覚えたのは、
自分の「好き」を純粋に徹底することの大切さや力の話だ。
イチローさんは、徹底的に、「好き」を大事に生きている。
例えば、食べるものについても。
好きなカレーやピザなどを毎日食べていて、野菜はあまりお好きでないそうだ。
それで、これだけの結果を野球の世界で出しているのだから、
「健康のバランスを考えた方がいい」などという世間の常識などは、関係ない。
その裏には、ちゃんとしたイチローさんの哲学があった。
 
 
<住>「わからないんですけど、ご本人としては一応、体が資本ですし、
     健康のこととか考えないんですか?」
 
<イ>「まったく考えないですね。
     これは放送していいのかどうかとためらう位、何もないですね、僕。
     好きなものを食べていますよ。
     自分の体が欲しいと思うものを取っているだけで、
     それは練習にも通ずるんですけど、
     やりたいと思う練習をするだけなんです、僕は」
 
<茂>「オリックス時代、最初、振り子打法をいろいろ言われたじゃないですか、
     それもやめなかったですよね、自分のやり方は。
     やっぱりそういう意味でいうと、食事から野球まで
     自分のやり方でやりたいという気持ちは強いんですか?」
 
<イ>「それは強いでしょうね、頑固なほどに。
     ただ、1回はトライするんですよ。ほかのやり方も。
     だから、聞かないわけじゃないということを、ここで強く言いたい。
     聞くんです、僕、とりあえず。やってみるんですよ。
     その結果ダメだったから、僕はやりませんということなんです。
     僕はこういう考えを持っているので、
     あなたのことは聞きませんということではないんです。(中略)
     (ただ、)我慢をしない人間だとは思いますけどね、
     基本的にはですよ」
 
<住>「我慢をしないというのは?」
 
<イ>「つらい練習なんかで、
     ここをもう1本行けば何か乗り越えられるかもしれない、
     というときに、必ずやめますから、僕」
 
<住>「えっ、どうしてですか?」
 
<イ>「どうしてかというと、恐らくそういうトレーニングで、
     その1本を行くことによって、
     次の日、不快感が残るという、そういう経験があったんですね。
     これを行くことで、『今の自分』は満足するかもしれないけど、
     『あした以降の自分』に絶対マイナスになるということを
     どこかで感じたんですよ。
     だから、僕はそういう選択の場が来たときに、
     やめる方向を選択するということが多いです」
 
 
なんにせよ、イチローさんは、
自分の勘、体や心の出す信号をいかに敏感にキャッチして従うか、
ということに、めちゃくちゃ忠実なのだ。
他人の常識に振り回されず。周りのプレッシャーに屈さず。
 
 
<住>「イチローさんは、もしかしたら、
     実は『体の声』をすごく素直に聞けているから、
     何か、ものすごくパワーが出ているのですかね」
 
<イ>「ものすごいパワーが出ているかどうかはわからないですが、
     僕はそうしています。
     それで、やっぱり押しつけられるのが大嫌いです。
     そうされると反発してしまう典型的なタイプで、
     だからすごく衝突も多いですよね、もめ事も多いですよ。
     はっきりと僕は示しますから。
     そこははっきりしないと、不幸せになる人が出てきてしまうというか、
     そこをあいまいにしてしまうと、僕は成長はないと思います。
     自分の可能性をつぶしてしまう可能性があるんじゃないかと
     僕は思うんですよね。
     自分の可能性を広げるには、自分で自分を教育していくしかないと
     僕は思っているんですよ。そこは僕が目指しているところです。
     現段階の僕ができたこともあるし、まったくできないこともあるし、
     その繰り返しなんですよね」
 
うーん、スゴイ。
これだけ、自分の内なる声に、純粋に、忠実に生きているというのは
ものすごく強い精神力が必要なことであろう。
それを信じて、大きな「何か」を掴みとることは、もっと大変だ。
こういう男子はカッコイイ!
それに比べ、わたしたち、
「周りが良いって言うから」とか「常識だから」なんて半分嫌々行ってきたこと、
どれだけあるだろうか・・・?
もっと、自分の「好き」に忠実になりたいと思った。
人参食べないと野球選手みたいにでっかくなれないよ、
と子供に言い聞かせているお母さんたち!
これは、危機到来であるよ。
 
さらに、すごくインスピレーションを感じた話。
「毎日同じであること」を大事にしているという話だ。
食べるもの、食べる時間、練習のパターン、練習の時間、試合中の決めごと・・・
全てに、先週の玉三郎さんのお話にも出てきたような、「型」があるのだ。
そして、その型は、
感情、体調などアップダウンをコントロールするために
実行していることだという。
 
 
<イ>「恐らく、内側にあるものを一定にしたいがために
     動きを一定にするということだと思うんですよ。
     そうしておけば、おそらくリセットできるだろうと。
     例えば、僕は試合中に守備についているときに、
     決まったポイントを見るんです。
     ゲーム中って、いろいろなことを考えちゃうんですよ、
     野球と全然関係ないことを。
     それを、『来た来た、まずいな』とリセットするために、
     あるポイントを見るわけですね。
     そこを見ると、リセットされるわけですよ。
     なるべく一定にしたいと、ノーマルな自分に近づきたいがための
     同じ練習というか、形なんじゃないですかね」
 
<住>「でも、それって和の『なんとか道』みたいなものは、
     全部そうですよね。剣道とか。
     すごく所作が決まっているものほど、
     その所作を実行しているうちに集中が高まってくると
     聞いたことがあるんですけれども」
 
<イ>「なるほどね、すごくよくわかる」
 
<住>「ちなみに脳科学的には、ある『道』のように、
     同じ所作を繰り返すと、脳内で集中力が高まるということはあるんですか」
 
<茂>「ありますよ。無意識を扱おうと思ったら、
     それしかやる方法がないくらいです。
     言葉とかイメージ・トレーニングというけれども、
     ああいうのって限界がありますからね。
     だって、脳の中は『無意識』のほうがはるかに大きいんですよ。
     そっちをコントロールしようと思ったら、体を動かしてコントロールする。
     だって、体からは、ものすごく神経線維が脳に行っていますからね。
     それに比べて、言葉とかそういうものの回路って小さいですから」
 
なるほど!!
人間の身体や脳の不思議、そして、可能性を感じ、
大きなインスピレーションをいただいた。
そして、つまらないであろうと幼いころ感じていた、
「アニメ・一休さんの毎日大変な雑巾がけ」とか、
「日本のお作法や礼法」の世界とか、
はたまた、「ラジオ体操」とか(?)、
なんだかいろんなことが、違う灯りの元で観たような新鮮さで見えてきた。
わたしの脳内、興奮である!
まだ多くの人間が、自分の可能性を開発しきっていないのかもしれない!
 
さまざまな話を伺って、インタビューも後半になると、
わたしはひとつのことを強く実感した。
イチローさんほどの能力のある人だと、
たぶんどんな分野を選んだとしても、大きな活躍をしていただろうな。
イチローさんは、なぜ「野球」なんだろう?
イチローさんは、それについて考えたことはあるのだろうか?
問うてみた。
 
「ありますよ。
 それは、狼の子みたいな話でね、『最初に見た人がパパ』みたい。
 そんな感じじゃないですか。
 だって、最初に見ちゃったんだもん、3歳のころに。
 3歳のころなのか2歳なのかわからないですけど。
 格好いいと思ったんです。それだけですよ」
 
しばし、わたしは感動のあまり、涙をこらえた。
運命って、あるんだ・・・。
だから、人生って、世の中って、人間って、おもしろい。
3歳のイチローさんに「野球」を見せた運命の、
なんていう、いたずら?いや、恵み?
今、イチロー選手と同じ時代に、
しかも、同い年としてこの世に生まれてきたことの幸が身体に染み渡り、
わたしは心から感謝した。

投稿者:すみきち | 投稿時間:16:15

コメント

こんにちは。
いつも楽しみにプロフェッショナルを見ています。

野球の世界選手権のあたりからイチローさんの感情がファンにも見えるようになって、1月2日のプロフェッショナルも楽しみにしていました。番組を拝見し、そしてこのすみきちさんのブログを読んで、私の心はすーっと晴れてしまいました。

というのも、4歳になる子どもが「自分流」を突き通し、まったく育児書どおりにいかず、悩みに悩んでおりました。食べ物も2歳まで母乳だけ。現在も自分の気に入った4種類のおかずをローテーションで食べています。お弁当は毎回同じおかず。洋服も気に入った洋服を3日おきにローテーション。怒鳴り散らしたりしていましたが、本能でこうなのかもしれないなぁとすっかり心が晴れ、子どものおもうままにやらせてみようかな、と思いました。既成概念にとらわれすぎていたのかもしれませんね。

最後にスタッフの方もこれからも今までのどの回でもそうでしたように、素晴らしい番組作り、大変でしょうけれど期待しています!寒いですのでお体に気をつけてくださいね

投稿日時:2008年01月22日 17:32 | ケイティ

今夜の「メジャーリーガー・イチローさん」は、文句なしに楽しかった。
 「よく、自分との闘いだっていうでしょう。確かにそうなんだけど、やはり、相手との闘いなんだって思うんですよ」
(大意はこんな感じでしたっけ?)

 自分と闘っているだけでいいんなら楽だ。人と闘うことができるところまで、やっと来た。
 
これぞ、真実って思いました。目からうろこ、でした。今夜もありがとうございました。

投稿日時:2008年01月22日 23:26 | m-naosan

こんばんは、いつも素晴らしい番組をありがとうございます。

2日の「イチロースペシャル」に感動し
22日のトークスペシャルの日が来るのを心待ちにしていました。

今回の内容も前回同様素晴らしいものでした。

前回も今回も録画しましたので何度も見ようと思います。
(ちなみに前回のはすでに5回見ました。)


毎日同じカレーを食べ、愛犬と遊び、足をほぐす
ゲンも担ぎ、YAZAWAのタオルではしゃぎ、なにより
涙を流すイチローさんは、やっぱり「人間」なんだと思います。

だからこそ、「プロフェッショナル」と言えるんだなと思いました。


私も
私の世界でプロフェッショナルを目指して明日からも頑張ります。


これからも素晴らしい番組を作ってください。

投稿日時:2008年01月22日 23:39 | あぶ

こんばんは。
今回も楽しく拝見させていただきました。
イチローさんとの会話で一つ聞き捨てならないことが・・・。
「でも・・・狙った獲物は、僕は逃さないですけどね(笑)」
キーーーーー!!!
私自身、狙った獲物逃しすぎや・・・。
キーーーーー!!!
おさる。
まあ、実はまだ何も始まってもいないのだが・・・。
それと今日は一つイチローさんについて大事な発見がありました。
我ながら素敵すぎる。
では、おやすみなさい。

投稿日時:2008年01月23日 01:02 | たまちゃん

昨晩の番組、家内ともども、食いつきで拝見しました^^;)

とても良かったと家内ともども感謝カンシャです。

イチローさんのこだわりや哲学などにも、いままでと違って、多くの部分に共感、というか、納得出来ました。

前回の放送は見逃してしまったので、来月の再放送は是非ともみる積もりです。

どうも有り難うございました。

次回の放送も期待しております!!

投稿日時:2008年01月23日 11:27 | まーちゃん

とにかく印象的だったのは、彼の「目」でした。
吸い込まれました。
と、同時に今の自分の姿を照らし合わせている僕自身に気が付きました。
とても素敵な番組を作ってくれてありがとうございました。

投稿日時:2008年01月23日 23:22 | 菅野勝男

ロフェッショナルのイチローの回は、6時間を超えるインタビューがされたということですが、その全体を、是非ともみたいです。本か何かの形で、そのまま、全体を見たい。

このイチローのスタイルは、全体を見ることに意義があると考えます。

また、キャスターの二人と非常に波長があっている感じがして、イチローに非常にうまく接近できていた気がいたします。すばらしかったです。

是非、インタビュー全体の出版の方、ご検討ください。非常に期待しております。

投稿日時:2008年01月24日 00:47 | たくまほ

こんばんは。
あまりにも素敵な放送で興奮していたので言い忘れていました。
イチローさん、茂木さん、すみきちさん、スタッフの皆様。
本当にありがとうございました。
イチローさんの言葉一つ一つがご自身の経験から
長い年月を経て練磨、結晶化され導き出されたものだと
確信いたしました。
それも惜しげもなくぶっちゃけトークで。
最高の贅沢なひと時でした。
運命。
私も信じるタイプです。
私もイチローさんのように必ず成し遂げるてみたいです。
ほんとうにこれは夢です。
ではまた。

投稿日時:2008年01月24日 01:10 | たまちゃん

お忙しいのに、中身の濃いブログ、単純にスゲーなぁと思いました。

TVは見てないですが、イチロー道が濃縮されて書かれている感じで、わかり易かったです。

なんだか、何かを極めるということに対してのエッセンスが、すべてここにあるような気がします。

ありがとうございました。


アナウンサー、極めてください。

投稿日時:2008年01月25日 04:54 | 6

 イチローはやっぱり凄いですね。
 自分が共感したのは、毎回同じ動きをして集中力を高めていくことです。住吉さんも番組中に『「なんとか道」は同じ所作を…』と話されていましたが、自分も柔道をしていて、初めの礼や同じ準備運動をすることでだんだん集中力を高めていってました。その話が出てきた時、思わず「わかる!」と1人でテレビの前で叫んでいました。しかも脳科学的にも証明されているとは驚きでした。
 もう1つ共感したのは、「自己評価を他人の評価よりも厳しく…」という所です。自分がしんどくなると「自分はこんなにしているのに誰もわかってくれない」と思ってしまいますが、周囲の人に認めてもらうためにはやっぱり自分がしたことを客観的に厳しく判断する必要があると思います。それをここ何年かずっと仕事の中で痛感してきていたので、「そうだよね」とこれも1人でうなずいていました。
 この番組を見ていると、いつも何かをもらえます。これからもいい番組を作ってくださいね。

投稿日時:2008年01月25日 10:57 | ゆうじ

はじめて投稿します。
あつ@会社経営者です。

この番組は毎回欠かさず見ております。
特にイチローファンである私にとって見ると
盆と正月が一緒に来たような気分でした。

『「なんとか道」は同じ所作を…』のところは、
非常に感銘を受けました。
ここ数年では感じたことないような気持ちの高まりだったように
思います。
それに加えて無意識に対する茂木さんのコメントも
的確で感動しました。


本当に素晴らしい番組・企画だと改めて思いました。
これからも頑張ってください。


最後に、、、

住吉さんの「腹」というコメントには爆笑しました。
そういう住吉さんのスタイルがまた大好きです。

投稿日時:2008年01月25日 18:00 | あつ

スタッフの皆さんありがとうございました。
次回の再放送をDVDに録画しようと思います。

「プロフェッショナルとはファンを圧倒し、選手を圧倒し、圧倒的な結果を残すこと」
こころにジーンときました。
敵は己だけではない!
私は教師を目指しています。敵は己といつも心がけています。
それだけでなく周りの人を圧倒し、圧倒的な結果を出すことも心がけていこうと思いました。

教師は厳しい道といわれています。厳しい道であるけれどもこれからも常識にとらわれず自分を信じて正しい道へいくつもりです。
番組のおかげで一つ強い自分になれる気がしています。

スミキチさんのように私もイチロー選手に会いたいと思いました。

投稿日時:2008年01月26日 16:24 | だいじろう

イチローさんが涙の質問に「わからないですね」と言ったけど、
相田みつをさんの「だれにだってあるんだよ、人には言えない苦しみが、
人には言えない悲しみが」というのを思い出しました。

「茂木さん、目が笑ってないですよ」とイチローさんの指摘に
茂木さんタジタジでした。大変でしたね。

投稿日時:2008年01月30日 10:58 | せのお

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