2010年03月23日 (火)プロサッカー選手 三浦知良さん

カズさんと言えば、
すごく華やかで、軽やかなイメージ。
だから、お話を伺って、まず一番驚いたのは、
そのど根性的「徹底」ぶりだ。
 
カズさんは、ものすごく徹底主義者。
なんでも、徹底してやらないと気が済まないタイプだという。
サッカーそのものについてはあまり詳しくないわたしだが、
何ごともつい徹底したくなってしまうのは、非常に共感してしまい、
一気にカズさんに親しみを覚えてしまう。
 
しかし、その徹底ぶりは、親しみを遙か超え、すごいレベルまで行く。
まず、グランドでの日常的な練習も、
ぜったいに手を抜かない、抜けない、という。
 
「ケガはやっぱり怖いですが、
 でも、やっぱりケガを恐れて楽してしまったら
 どんどん落ちていってしまうので、その辺は経験と、
 あとバランスを見ながら、追い込むところは追い込んでます。
 若いやつらにやっぱり負けたくないので。
 走りのトレーニングだけのときは
 もっとゆっくりやってもいいよと言われるんですけど、
 始まってしまうと、差をつけられるのも嫌だし、
 抜きたいと思いますし、
 一番速いやつについていこうという気力がありますから。
 自分自身、ずっともう習性で、練習が終わったときに・・・

 『もう疲れた、やり切った!』という感じがあったほうが、
 すごく調子がいいんですよ。
  それがもう快感というか、喜びというか、
 やったぞ!という何かが残らないと、
 いつも不完全燃焼でグランドをあとにすることになるので、
 それは嫌な感じがしますね。
 もちろん、そういうときもあるんですよ、やっぱり、
 物足りなく終わるときも、どうしても。
 そのときはやっぱり気分悪いですね。
 練習でももう気分悪いですね、なにかを蹴っ飛ばしたくなりますね」
 
すごい!この「鼻息の荒さ」がカッコイイ!!!
理屈で、とか、損得を考えて、とか、そういうことでなく、
本当にハートで、情熱的にサッカーと向き合っていることが伝わってきた。
 
サッカーだけでなく何事も徹底するという話も。

「シーズン中でも、普段はあまり飲まないんですが、
 休みの前の日の夜は、行くときはもうとことん行きますよ。
 これも、サッカーと同じで、もう『やり通す』みたいな。
 朝まで行くときももちろんあります。
 朝までというか、お昼までみたいな!それはちょっと言いすぎですけど(笑)。
 仲間で、途中寝ちゃう人もいるじゃないですか。
 そういうときも、『オレは負けないぞ、寝ないぞ!』、
 という気持ちで遊んでいます」
 
そう、カズさんは、サッカーはもちろんのこと、
人生にも、情熱と信念を持って、徹底的に注ぎ込む方なのだ。
サッカーファンだけでなく、
多くの日本人が、カズさんに華を感じる理由がわかってきた気がした。
華は、情熱が燃えたぎる、炎の華なのだ!
 
カズさんの、サッカーや人生への向き合い方を伺っていると、
ものすごく勇気が出る。
例えば、カズさんは、サッカー選手である限り、
目標は、全試合、90分出場すること、という話。
フルパワーで向き合う決意が、充ち満ちている。
 
「最初のキックオフの笛が鳴って、終わりの笛が鳴る、
 それまでやっぱりグランドに立っていたいのです。
 今でも調子がよくても悪くても、
 例えば途中で交代させられたら頭に来ますし、納得いかないし。
 もちろん自分でわかっているんですよ、何故代えられるかも。
 でも、20分だけ出て華やかにプレー、なんてこれっぽっちも思っていないんです。
 僕はやっぱり90分出場に、こだわってやっています。
 だから、毎年1月にはグアムにも自主練に行くし、
 キャンプでこの1日休んだほうがいいんじゃないかという
 体のときもあるかもしれませんが、休まないでやるのは、
 90分出たいからです。
 なぜこだわるかと言えば、その充実感、プレイする充実感です。
 とにかく、もういつも年齢のことを言われますから、
 壊しちゃいけない、壊しちゃいけない、と。
 でも、逆に壊すまで使ってほしいという思いがするんですよ、
 壊してくれ!と思いますよね。
 そういう気持ちで今やっています」
  
うわー。
壊してくれ!・・・わたしの心は震えまくった。
わたし自身、話を伺ううち、どんどん、鼓舞される。
そうだよ、そうだよ!!
計算したり、損得勘定したり、手加減したり、
さらに、先のことを考えて、どうも腰が引けてしまったり・・・
そんなことをしていては、一度きりの人生、もったいないじゃないか!
やりたいこと、ガツンと、壊れるまで徹底してやるなんて、
なんて素敵な生き方だ!!!
と、カズさんは思わせてくれるのだ。
 
わが鼻息も、どんどん荒くなる。
 
そんなカズさんも、実は、20代で活躍している頃、
「30歳で頂点を極めてスパッと辞めよう」と思っていたという。
それなのに、今や43歳で現役、
Jリーグの最年長出場記録を更新し続けている。
ずいぶん、予定と違っているのだ。
 
わたしが感じるに、いろいろな分野の仕事の人が、
特に、きっと、多くの女子が、
「いつまで頑張って区切りをつけようか」とか、
「人生どう設計しようか」と考えていると思うのだ。
しかし、その予定がいつのまにかくるってきて、
「いいのかな、これで?」とか迷ったり、悩んだりする。
 
カズさんは、自分の「30を越えてスパッと辞める」を越えて
予定外の道を来たからこそ、見えてきたものはあるのだろうか?
伺ってみた。
 
「本当にそう思っていましたね。
 30歳というよりも32歳ぐらいでと思っていました。
 でも、人生もそうですが、トータルで見たら、
 やっぱり悔しさのほうが多いんじゃないですか、生きてて。
 もちろん、喜びもいっぱい味わいましたし、
 サッカーでいろいろなタイトルもとらせてもらいましたし、
 いいサッカー人生を送っていると思いますけれども、
 自分自身は、やっぱり『きょう』が大事なのですね。
 もう昨日までのことはどうでもいいんですよ。
 そしたら、いつの間にか、もう2年、もう2年、もう2年・・・というのが
 30ぐらいのときから続いていますね。
 でも、本当に自分は30過ぎて、
 実際に肉体的にはどんどん、どんどん大変になっていく中で、
 本当の意味のサッカー選手になれたのは最近かなと思えるんです。
 それがが、続けてきてよかったなと思うことですね。
 自分自身のやってきたことを否定しているわけではありませんけど、
 人生という枠で考えた場合には、
 それまでは、もう本当に“オマケ”だなというふうに思いますよ。
 35から過ぎて、自分の視野も広がり、サッカーも少しずつ覚え、
 いま、43になって、やっと“サッカー選手らしく”なってきたかなと
 本当に思います・・・それがやっぱり良かった。
 そうやって気づけたことが、いいことかなというふうに思います」
 
徹底した情熱に、
大人としての広い視野が加わわる。
酸いも甘いも経験し、それでもなお、
目の前の人生に、熱くなり、懸命に走る。
こんなに素敵な生き方って、あるだろうか?
熱いものが、わたしの身体を満たした。
季節は、春・・・
月日を、日常を、再び走り出すにあたって、
カズさんのお話は宝ものになるという確信があった。
感謝で、いっぱいだった。

投稿者:すみきち | 投稿時間:22:12

コメント

今夜はキングカズの特集をして頂いてありがとうございます。小学校のころからカズはいつも日本の先頭に立って世界にひっぱっていってくれてました。そのスピリッツは変わらずですね。
実は今日の昼間、高校のサッカー部のころの友人から仲間全員のメールに「10時からのプロフェッショナル、カズ特集やで」と。

ドーハのあの夜15歳だった僕らも30歳に。毎年12月30日は必ずサッカー部で集まってサッカー談義です。

ところで私が唯一毎週欠かさず見ているプロフェッショナルが充電期間にはいるのです。秋になったらフルパワーで帰ってきてください。
すみきちさんも☆

投稿日時:2010年03月23日 23:03 | yuki from nagoya

「走り続けるサッカー界の魂」とは、キングカズを評するに的確だと感じました。


「90分戦いたい。(自分を)壊すまで使ってほしい」とのコメントからは、途中出場選手でもいいからピッチにしがみつくといった発想はまるで見えてきません。フル出場、全力です。


どこか自分で安易なゴールを設定しがちな私にとって、カズの生き様は、まさに「走り続ける魂」としてまぶしく映るのです。


放送を観て、一層カズへのリスペクトの念が強まっています。

投稿日時:2010年03月24日 00:05 | sonoyalomar

放送が終わってからも、感動と興奮でなかなか寝付けませんでした。

私は36歳の中間管理職なのですが、カズさんの姿勢を拝見して常に自分が先頭にたち引っ張っていこうと改めて強く思う事ができました。

百折不撓の信念で、今も日本代表を目指してピッチに立っているカズさん。

つまずき、転んでもすぐに立ち上がってボールを追いかける姿勢。

サッカー選手とビジネスパーソンで分野は違いますがビジネスの世界でも失敗やトラブル、色々な事が常におこっています。

カズさんの姿勢を見習い、たとえ仕事でつまづいたり転んでもすぐに体勢を立て直し前へ進んでいきたいと思います。

プロフェッショナルのスタッフの皆さん。最高の番組を有難うございました。充電期間が終了後には最高の番組を作る為に必ず戻って来て下さい。

投稿日時:2010年03月24日 14:00 | 南 慎一

昨夜の番組を見て感動し、録画したものをまた見て感涙し、住吉さんのカズさんに対する想いに感銘を受け、思わずコメントしたくなりました。カズさんは本当にプロフェッショナルの鑑、日本の至宝です。
これからも一筋に、そのサッカー道を切り拓いて行かれることを楽しみに応援したいと思います。

投稿日時:2010年03月24日 16:44 | TAKAKO

プロフェッショナルは、私が唯一欠かさず見させて頂いている番組です。ゲストの方々の仕事に対する姿勢や考え方を吸収して、仕事に対する意識を高める為に見ています。ゲストの方々の内面にあれだけ深く入り込んでいく製作スタッフの方々のエネルギーにも刺激を受けています。再開を楽しみにしています。そして番組はこれからもずっと続けて頂きたいです。
主題歌のプログレスも大好きです。毎日出勤前に聴いて気合いを入れてます。

投稿日時:2010年03月26日 11:56 | M

どんな事でも走り続けることで、その彼方にだんだんと見えてくるものがある。カズさんにとって、それがサッカーだったんですね。外から見ると、とてもスマートに何でも出来てしまいそうなカズさんが、実は一つのことしか出来ない不器用な人であることに、とても共感を覚えました。
「サッカーが全てを教えてくれた」「だから簡単に辞められるものじゃない」
この言葉を発するカズさんの澄み切った表情が脳裏に焼きついております。
同じ時代に、これだけ正直に生きている人がいるということに勇気をいただきました。カズさんの走りを、ずっと見守っております。

投稿日時:2010年03月31日 19:05 | HIRO

カズ選手のプロフェッショナルとは「どんな状況でも全力を出せる人。」という一言にカズ選手の人生観を感じました。「Progress」の歌詞「・・・♪ぼくが歩いてきた 日々と道のりをほんとは”ジブン”っていうらしい・・・あと一歩だけ、前に進もう♪・・・」カズ選手に捧げる歌って気がしました♪。(^o^)

投稿日時:2010年04月03日 03:29 | 小鳥の巣

カズは一番尊敬している人です。自分は小学3年生からサッカーをやっていて、高学年くらいにカズの存在を知りました。単身ブラジルに渡っての様子が、サッカーダイジェストなどの雑誌に掲載されると、切り抜いてふでいれに貼ってました。自分もブラジルに渡ろうと夢を抱いていました。いつもあこがれで、そのサッカースタイル・考え方が今でも尊敬出来るので、気合いが入ります!カズが日本に戻ってくるとき、正直少し残念でした。その当時の日本は今よりサッカーレベルが低くて、カズが埋もれてしまうのでは....と思ってました。結果そんな事はなく安心しましたが、個人的にはずっとブラジルでプレーしてほしかった。良い事もありました。大人になってサッカー関係の仕事を担当している頃、スタジアムの控え室などへ公式記録の確認が必要な時、何度か近くで拝見する事がありました。もう感激で、あれは自分で大切な思い出となっています。これからも自分のサッカースタイルを貫き通しながら、未来の子供達へもその魂を受け継いでいただけたら、素晴らしい事だと感じております。それから、さっき気付きましたが、自分もすみきちさんと同じ4月5日誕生日です。1974年です。すみきちさんがとても頑張っている姿や女性としても魅力的だなと感じて、自分も頑張らなきゃって思いました!

投稿日時:2010年06月18日 09:55 | tak

Page top ▲

カテゴリー

最新記事

バックナンバー

最近のコメント