2010年02月02日 (火)鉄道ダイヤ作成 牛田貢平さん

何気なく乗っている地下鉄の裏に、
こんなものすごい世界があるとは!
やはり、よく知っていることの、知られざる舞台裏は面白いのである。
はっきり言って、今回スタジオでは、もう、
わくわくしたり、驚いたり、
牛田さんの話に興味津々で、わたしは目を見開きっぱなしであった。
 
まずすごいのが、
ダイヤの修正などは、5秒単位で行うということ。
5秒って!
くしゃみをしたり、あくびをしたり、ため息をついたら、
5秒くらいすぐに経っちゃいますよっ!
しかし、その5秒について、牛田さんは
「たかが5秒、されど5秒ですよ」。
ダイヤを組むときに、
列車が駅に停車している時間を5秒長くするか短くするかで、
遅延など、運行時のダイヤの乱れなどがずいぶん変わってくるそうなのだ。
5秒で変わるとは!驚きである。
 
では、どうやって、その5秒を伸ばすか縮めるかの判断をするか。
牛田さんは・・・

牛田さんは、徹底した現場主義だ。
地下鉄に実際に乗り、
各時間帯、各駅での客の乗降を自ら調査し、
経験や勘も総動員して決めていく。
駅に到着する列車や発車する列車を観察し、混み具合などを量る。
その観察時の着眼点も、へぇ!!なのである。
 
「私の場合、例えばドアが閉まったときに
 ドアのガラスに手をついていらっしゃる方がおられるか、とか見ています。
 普通、あまりああいうところは手をつかないんですが、
 かなり混んできますとドアのガラスのところに手をつきますので。
 ホームから、電車が走っている状況を調査しても、
 手がいっぱいガラスについているのが見えると、
 お、これはけっこう混んでいるんじゃないか、とか。
 あと、例えば今の時期ですと、
 窓ガラスの曇り具合とか見てますね。
 冬で、曇っていると、やはり非常に混んでいるんだなとか。
 あるいは電車が通り過ぎるときに、
 窓からお客様越しに、駅の反対側や向こう側の壁がどれぐらい見えるか、とか。
 ほんとうにお客様でいっぱいになりますと、
 向こう側は透けて見えないんですが、
 多少隙間が出てくると透けて見えるようになりますので、
 そうしますとラッシュのピークは過ぎたなとか、
 そういうふうに見たりしています」
 
おもしろい!
そうやって推し量りながら、
混んでいる時間帯の混んでいる駅は、
乗降時間を5秒単位で長く組んだりすることで、
大幅に遅延が減り、苦情も減るのだという。
 
東京の地下をガンガン走る地下鉄が、
徹底した繊細な調整により、制御されているなんて!
わたしは海外で地下鉄などに乗った経験も多々あるが、
そんなときは、かなりアバウトに、
たとえば、「およそ10分間隔です」なんて表示板に書いてあるホームで
10分以上、延々と待たされたりした経験もある。
10分・・・
東京では、5秒単位ですよ!
いやはや、東京の地下鉄、すごい!日本の緻密さ、すごい!
とあらためて思うのである。
 
また、牛田さんは、お人柄的にも、かな~~り、
ユーモアに溢れた面白い方だった。
ダイヤの組み方で思い悩んだ経験の話は爆笑ものである。
 
「私の場合、何か案を考えるときに、
 まったく別のものと置き換えて考えるという癖があるんですね。
 同じことをずっと考えていますと、
 考えが袋小路に入っちゃってなかなか抜け出せない、
 そういうときは、ある意味、頭をリセットするとうまくいくときがあります。
  たとえば、あるとき、
 どうにもダイヤ改正の期日が迫っている、
 でも最後の調整がなかなかうまくいかない、
 土曜も日曜も出勤して、でもだめだ、ということがありました。
 そのとき、きょうはもうあきらめて帰ろうと思って、
 ささやかな自分へのご褒美として、
 帰りに回転寿司に入ったんですね。
 でも、あれが食べたいんだけど、なかなかお皿が流れてこない、
 あるいは、やっと来たと思ったらあまり食べたくないネタが来た、とか、
 やっと来たと思ったら、何か同じネタがいっぱい来た、などとなって。
 それを見ていて、回転寿司で食べたいネタが来ないときのイライラと、
 駅のホームで乗りたい行き先の電車が来ないときのイライラって
 何か似ているなと思ったんですね。
 それで、お皿の流れを見ながら、
 ネタの行き先を自分がやっていたダイヤの行き先に置き換えながら、
 ここをこういうふうに配置していけばうまく回るんじゃないかと、思いついたんです。
 お皿を電車に置き換えてみて、何となく案が浮かんで、
 そうか、こうすれば回るじゃないかというヒントになったわけです」
 
わははは!
回転寿司が電車に見えるなんて、
職業病?というか、なんだか楽しい発想法である。

他にもある。
どうしても朝のラッシュ時に増発したいのに、
列車が足りなくて悩んでいたとき、
町で女性の下着屋さんの前を通って、ふと、またヒントを得たというのだ。
“寄せて上げるブラ”という表示から、
そうか、列車の一本ずつの走る間隔を“寄せて”、
混雑が終わった後の時間帯の列車をそれぞれもう少し早く走るように“上げれば”、
増発したのと同じように、
ラッシュ時の混雑緩和になると思いついたのだそうだ。
なんじゃそれ~~~、ハハハ!!!爆笑である。
社内ではいまだに、「あの、寄せて上げたダイヤ改正」と、茶化されるそうだ。
 
でも、きっと、そんな風に自由で、少しお茶目な牛田さんの人柄が、
乗り入れの電鉄会社、列車の整備の方々、運行する乗務員や駅員のみなさんなど、
社内外、いろんな人に協力してもらいつつ、
ダイヤ改正を実現させる大きな要因になっているのだ。
そう、結局は、人。
 
サラリーマンは、組織で一丸となって、
ひとりでは成し得ない、大きなことを実現していく職種であろう。
自分の担当に人一倍情熱を燃やし、責任を果たし、
さらに、周りも巻き込んで、不可能を可能にしていく。
その結果、多くの人が力を合わせて、社会の役に立っていく。
考えてみれば素敵なことである。
牛田さんは、
そんなサラリーマンである立場を、最大限に花開かせている人なのだと感じた。
そこに、めっちゃ、感激の要素がある。
サラリーマンであるわたしは、このうえない、前向きで楽しいパワーを、
た~~~っくさん、いただいたのである。
ありがとうございますっ!

2010.1ushidasan.JPG

投稿者:すみきち | 投稿時間:17:38

コメント

毎週楽しみに拝見させていただいております。
住吉さんの記事もプロフェッショナルを一番近くで見ている視聴者目線でのお話が興味深いです。
今回放送の牛田さんの仕事。
普通のサラリーマンが会社で普通に仕事をする。
だけど、今いる場所で一所懸命に努力し頑張る。
この番組に出演なさる多くのプロが遠くの存在に感じ、自分には到底無理と決め付け、あこがれで終わりにしていたように思います。
でもそうではない。自分の目の前にある仕事に真剣に取り組む事がプロフェッショナルへの条件であることを改めて教えてくれました。
世の中の多くの大人が、もしかしたら普通にやっていることだけれど、それは本当に尊いこと。
最近の世の中はマイナスイメージの情報が多い中、ひたむきな庶民を讃える貴重な放送でした。
こういう良い番組を送り出そうとする制作スタッフの方々の努力に感謝し、今後も期待しています。

投稿日時:2010年02月03日 14:32 | はせ

2年ほど前から東西線を利用していますが、大きなダイヤ乱れを感じたことはありませんでした。
以前はひどかったんですね。
牛田さんの成果が発揮された後に利用させて頂いているので、日々の通勤にストレス無く利用させてもらってます。

牛田さんの現場重視の姿勢にはハットさせられました。
SEの仕事をしていますが、つい技術者目線になってしまいがちです。
現場で何が求められているのかを肌で感じ取る大切さを痛感しました。

投稿日時:2010年02月04日 08:38 | けんた

いつも興味深い番組をありがとうございます。

現在私は大学生で、将来自分がしたいことなどに思いを巡らせながら毎回楽しませていただいてます。
日頃プロフェッショナルに登場する人たちはとにかくすごい人ばかりで、番組を見る度に、
「とにかく自分もでかいことを成し遂げたい!!」
という思いばかりが膨らんでいました。

しかし、今回の牛田さんの仕事ぶり、言葉で少し気持ちが変わりました。
牛田さんの仕事の場合、人々の印象に残らないことこそが仕事がうまくいっている証。
第一線で脚光を浴びる華々しさとはまた違った日本人的な格好よさがあり、非常に印象的でした。

サラリーマンとして、自分の持ち場で責任を果たし頑張っている人は
たくさんいて、そのお陰で世の中が回っている。
当たり前のことに改めて気付かせていただきました。
この番組を見ていなかったら絶対知ることのなかった世界を見せていただき感謝しています。

投稿日時:2010年02月05日 09:09 | まさ

こんにちは

毎回楽しみにさせていただいております。
今回の牛田さんの回を拝見し、
初めて「かっこいい!自分の理想は牛田さんだ!」と
しばらく興奮して寝付けませんでした。

毎回その道のプロが出演されるので楽しみなんですが、
ここまで興奮し、感動したのは多分初めてです。

ぼくもサラリーマンです。
まだまだ牛田さんのように為れてませんし、
辿り着けない理想像なのかもしれません。

投稿日時:2010年02月06日 18:54 | ナル

はじめまして

毎回楽しみに拝見しております。
今回牛田さんの回を見てこれまでにない感動を覚えました。

毎回その道のプロの方が出演されてますが、
僕にとっては手の届かない天才達の物語と思い、
ある意味、異空間の出来事として楽しんでました。

しかし牛田さんは僕が理想とするサラリーマンの姿そのままでした。
そこに身近な感動を覚えたのかもしれません。

最後の「ダイヤ改正をしない」と最後に自分自身へ、
最後の検証を行う場面では震えるくらいに乾燥しました。
※深夜2時くらい迄寝付けませんでした。

そして僕のこれからの活力と成ることは間違いありません。
ありがとうございました。

投稿日時:2010年02月07日 01:44 | ナル

昨日、再放送の回を拝見しました。
とにかく、牛田さんの仕事に対する責任感やユーモアがあるお人柄に
ファンになりました(本当に)
ダイヤを作成する人の事を考えた事もなかったですし
でも、日常よく目にする・利用するものに
こんなに神経を使って、責任感を持ってお仕事されている・・感動でした☆ありがとうございました!!

投稿日時:2010年02月09日 15:36 | kanea

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