2007年05月21日 (月)競馬調教師 藤澤和雄さん

ぶっちゃけ、馬には、「悔しい」とか「次は勝てるようにがんばろう」とか
そういう気持ちはない。
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自分のペースで
楽しく走るのはいいが、
競馬のように、
ほんとうに限界近くまで
プッシュして走るのは
しんどいそうだ。
そりゃそうだ。

だって、大自然の中では、
きっと全力で
ぜぇぜぇ言うほど走るのは、
肉食動物から必死で逃げるとき?
嫌でしょ、それは。
だから、体がすごくできている馬でも、
レースで勝てないときがある。

それは・・・

がんばる気持ちが、途中で途切れてしまうときだ。
例えば、後方から抜いていくときは、
砂も一杯かぶるし、ほかの馬の混み合ったところに突っ込んでいかないといけない。
藤澤さんによると、馬たちは
「突っ込んでいくの、こわいよぉ。
それに、砂を顔にかぶるの嫌だよぉ。
あー早く終わらないかなぁ。」
くらいに思っているのではないかと言う。

そうだったのか・・・。
今まで、競走馬は、ただ走れるからガンガン走っていたのかと思っていた。
でも、機械じゃないものね。
馬が、“ちょっとグチってしまうカワイイ人間”のように思えて、ひどく共感する(笑)

優秀な馬でも、それを若いうちから、押して、押して、押して走らせ続けると、突然、
もう、嫌。
ってなっちゃうこともあるという。
いわゆる、「燃え尽き症候群」?!
馬でも、燃え尽き症候群になるのかぁぁ・・・驚きだ!
また、ものすごく、馬に親近感が湧く。

では、そんな馬に対して藤澤さんがどう接するか、というと
人を育てるように接していた。

例えば、
練習からきつい走りを続けさせるのではなく、
「馬なり」と言って、基本的に馬の走りたい速度で走らせる。
あとは、歩きで体力作りを補完。
気持ちが嫌にならないように、工夫をしているのだ。
(ハイ、ありますね、プッシュしすぎて仕事が嫌になること・・・。)

あとは、
「人間が来るときは、なにかを要求しにくるときだけだっ(怒)」と馬に思われないよう、
用事がなくてもしょっちゅう馬に会いにいく。
触る。話しかける。言葉は分からないから、思いっきりの笑顔で接する。
気持ちを伝えるためだ。

それに、
レースに出すとき、その馬の過去データをあえて見ない。
だって、データは過去のこと。
過去にできなかったから、今できないかと言えば、必ずしもそうではない。
人間も、同じだ。
成長や変化をしつづける「今」を、藤澤さんは、ちゃんと見てあげるのだ。

そして、藤澤さんのことばで、いちばん響いたこと。
「無事でいれば、チャンスはあるから。」
考えてみれば、ほんとうにそうだ。
いくら絶望しても、燃え尽きても、もうダメだと思っても・・・それでも、
無事に生きていれば、きっと、チャンスはある。
それは、なんだか・・・・・・
とっても心強いことばだった。

投稿者:すみきち | 投稿時間:23:16

コメント

やっぱり、生き物なんですものね。
心はあるよね。

モチベーション上がらない時もあるよね。
だって、馬からしたら賞金には興味ないもんね。

レースが終わっても必ず全馬を抜き去るまで、走り続ける。
って、調教の仕方には納得。

人間だって、いきなり偉業は達成できなくても、小さな成功の積み重ねって大事だもんね。


すみきちの絵、かわいいね。

投稿日時:2007年05月22日 11:25 | deeper

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