2009年02月03日 (火)森林再生 湯浅勲さん

湯浅さんは、「森の探偵」だ。
スタジオで、
具体的な森の写真を見ながら
足を踏み入れたとき、どこをどう観察して、なにがわかってくるのか?
というお話をうかがっていたら、
ピンクパンサーの音楽がわたしの頭の中で鳴った(ピンクパンサーは逃げるほうだけど)。
タラッタラッ、タラッ、タラッタラッタラッタラッタラ~~、タラララ~ン♪
だって、なんの変哲もない森の写真から、
土の下にある沢、
掘ったときに見えるであろう地層、
木の根っこの場所、
どんなことが起こってこの地形ができたのかまで、
まるで、現場に立った名探偵が証拠をめざとく見つけて犯人を割り出すように、
解き明かしてみせるのですから!
 
しかも、自分の住む京都府日吉町の森は、
ぜんぶ、手に取るようにわかるらしい。
地図なしで一日山に入っても、ぜったいに迷子になることはないそうだ。
裏庭のようだ、という。
すごい!!!
わたしなんて・・・


ぜんぶ木が同じに見える(笑)
きっと、わたしたちが毎日の通勤路や
地元の住宅地で迷うことがないのと同じように
湯浅さんは、地元の森をマスターしているのだろう。
 
そんな風に森を知り尽くし、読み尽くせる湯浅さんの「森林再生」。
それは、ただただ、自然の森を守ろう!というようなものではない。
日本の暮らしの中に、昔から身近にあった「山の森」を、
今後、まったくの自然林に戻すのか、
それとも、人が定期的に手を入れて管理していくのか、
それを評価・判断し(アセスメント)、実行していく仕事なのだ。
理念を唱えるのみならず、
まず予算ありきの計画を考えるため、非常に現実的だ。
例えば、急勾配すぎるところにある荒廃した人工林は、
管理に入るのに費用がかかりすぎるので、
敢えて自然林に戻そう、などと判断していく。
 
そう考えると、湯浅さんは、「森の医師」でもあるかも。
森を診察し、今後、薬を飲むのか、自然治療でいくのか、
病院に通うのかなどを、プロの目で決めていく。
感情じゃなく、経験と論理と知性で、テキパキと決めていく。
机上ではない、“山上のプラクティカリティ”だ。
かっこいい。
 
天職のようなこの仕事に湯浅さんが出会ったのは、
なんと35歳になってからだ。
日吉町で生まれ育った湯浅さんは、
一度は都会に出て会社勤めをするが、すぐに自分に合わないと気づく。
「自然の近くにいたい」「ふるさとに帰りたい」とずっと思っていた。
湯浅さんが35歳のころ、
森林組合の職員だった湯浅さんのお父さんが定年を迎え、
自分の代わりに働いてくれる職員を探していたそうだ。
 
「父は、当時の組合長から、
 『辞めるんなら代わりを探してこい』と言われて、
 あっちこっちに若い人がいるところへ行っては頼んでいたんですよ。
 ところが当時、高度成長期で、森林組合なんて、という状況で、
 誰もいなかったんですね。
 半年ほどその様子を見ていて、あるとき、ふと、
 『俺やってみようかな』と、こう、ひらめきまして。
 おやじに『そんだけ探していないんやったら、俺あかんか』と言ったら、
 『お前、そんな給料安くなるの、やっていけるか』みたいなことを言われました」
 
そして、湯浅さんは、
「生活さえできれば、給料の金額よりも日々の充実だ、
 それが積み重なってこそ、初めて、いい人生だ」
と考えて、森の再生人の道を歩き始めたのだ。
おおお・・・!
お父さんから継いだ形になっていたこと、
そして、半年ほど経って急にひらめいたという話に
興奮した。
偶然とは思えない巡り合わせで、人生は動いていく。
パワフルに目標に向かって活動する湯浅さんの姿に、
そして、空に向かって力強く、まっすぐに伸びる森の木々の姿に、
ダイナミックな確信をいただいた。

投稿者:すみきち | 投稿時間:20:55

コメント

湯浅さん、仕事は森相手なんですけど、敏腕経営者みたいでしたね~~

私は普段、オフロードバイクで林道を傷めつけてる身なので申し訳ない気になってきました。

山の中を走っていて、その森の持ち主と話したことがありますが、「木材が安くなっちまって、、もうほったらかしてるんだよ~」っておっしゃってました。
地図には載っているが、走れなくなった廃道になった林道や作業道もたくさんあります。

やりかた次第ではまだまだ「宝」になるんですよね。

林業、やってみたくなりました(^^)


投稿日時:2009年02月03日 22:58 | 石原 徹和

昨夜の番組拝見しました。
一番印象に残ったところは、
和歌山の森林組合に行ったとき、
湯浅さんが「現場の従業員を事務所の人間と同じ待遇にすること。そうじゃないと士気が高まらない。」とおっしゃるのを
和歌山の人たちが受け入れられない。
しかし、それをあえて押し付けない。
あれに彼の本質をみる思いがした。
あの穏やかな顔、目の輝き。
あんなに精力的に動きながらも穏やか。
木を相手に長い時間の果ての変化をみる人だから、人間に対してもすぐの改善でなくても長い目でみることができるのだろうか。

ホントすてきな人でしたね。

投稿日時:2009年02月04日 10:06 | わお

湯浅 勲さん・・・地元のスキークラブでご一緒しています。番組を拝見して 「遊びの時の顔」と「仕事の時の顔」にプロの「気」を感じました。普段は、好きなことを勲さんに対して言い 先日も「もっと部下の気持ちをわかってあげてー」などと言うメールをしたばかりで この番組 参りました・・・今度 北海道へスキーご一緒した時
何か ご馳走しようと思います・・ニセコのスキー場のあったかいコーヒーを私のあったかい気持ちと一緒に・・・

投稿日時:2009年02月04日 12:54 | 吉田 一茂

間伐になりそうな

崖っぷちの木

それは地形を守るに大切な木

個性的な木

心に残りました

投稿日時:2009年02月04日 18:01 | TOKYO / HIDEKI

京都の日吉町というはっきりいって田舎からプロフェッショナルという日本を代表する番組に出演された方がいるなんて、同じ京都の田舎出身の僕としても感激ですし誇りに思います。今世の中不景気で、その中で逆に林業は注目を集めているようで、テレビなどでもよく目にしますが、そういう意味でも今回の放送はタイミング的にもよかったと思います。またぜひ再放送でひとりでも多くの人にみていただきたいです。僕もプロフェッショナルは毎回欠かさず見ていますが、個人的には特によかったと思いますし、自分の人生の指針にもしていきたいと思います。

投稿日時:2009年02月05日 23:16 | きしきち

看護師をしております。
いま、職場の再生に向けて、
パートという身分ながらも一歩一歩、
私に出来ることをはじめております。
まったく職種は違います。
それでも、パート職員だけで支えている私たちの職場には

わずかながらの「士気」がある。

遠くから、
この番組の放送を見る様薦めてくれた友人の知らせで録画し
今見た勢いで投稿しております。
なにが大事で、今なにが足りないのかを
教えていただいた気がいたしました。

湯浅さん、ありがとう。

投稿日時:2009年02月07日 04:00 | びいちゃん

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