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競馬の主役は、馬。しかし、馬はレースの距離やペースなどはまったく分かっていない。騎手は、そんな馬をコントロールして勝利に導くことが求められる。そのために武は、馬を気持ちよく走らせること何より大切にしている。馬の負担を減らそうと、ひざや足首をサスペンションのように使い、体の上下動を抑える。さらに馬への指示も最小限、馬に余計な気を遣わせない。それでいて、馬を巧みにコントロールするのが、「天才」と呼ばれる武の真骨頂だ。
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デビュー以来、武は、「最高の騎乗は何なのか」この問いの答えを探し続けてきた。
しかし、馬はしゃべらない。正解は一生分からない。そんな厳しい世界の中で、武を突き動かすのは、「いい騎手になりたい」というシンプルな思いである。
武は、華々しい活躍の陰で、どんな小さなレースでもビデオで自分の騎乗を見直す。
その騎乗は最善のものだったか、自分自答を繰り返す。高みを目指す孤独な闘いに妥協はない。 |

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世界最高峰のレース・凱旋(がいせん)門賞。武は今年、その4度目のチャレンジを臨んだ。さまざまなプレッシャーがかかる大一番、武は一つの思いを胸にする「いつも通りにやる」。
「プレッシャーがあってもなくても、ほんと一緒なんです。目指すものも、出したい結果も、やることも」淡々とレースに臨む。そして、淡々と厳しさに向き合う。
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