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作曲・編曲・プロデュースなど、武部がこれまで関わってきた曲は二千曲以上。浮き沈みの激しい音楽業界で30年にわたり第一線で活躍してきた武部。音楽プロデューサーとしての信念、それは流行におもねるのではなく、“アーティストの血を形にする”ことだ。
アーティストの生い立ち、どんな音楽に影響されてきたか、何に興味を持っているか。その内なるものを見つめることから、武部の仕事は始まる。
「前に出るアーティストの人たちの血にないものはやりたくないんです。その人の内側から出るものじゃないと、人の心は動かせない。それをいかに聞く人に届きやすい形にするかが僕の仕事なんです」
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「実はウィークポイントこそが、そのアーティストの魅力だったりすることが結構あるんです」
日々、アーティストと向き合う武部。行き詰っているアーティストに対して、武部は軽々しく手を差し伸べることはしない。
欠点や弱点などネガティブな要素こそが、その人の持っている一番強い部分=魅力だと信じているからだ。
「すごく苦しむこともあるかもしれないし、挫折もあるかもしれない。そういうことが音楽を作ったり歌を歌ったりする原動力になると思うんですね」 |
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この春発表する一青窈の2年ぶりのアルバム制作。昨秋、武部と一青は思い切った試みを考えていた。これまで一青の曲を書いたことがないさまざまなアーティストに作曲を依頼したのだ。その中の1曲、クレージーケンバンドのリーダー・横山剣から届いた曲は、強烈な個性に満ちていた。横山が作った昭和歌謡のムードが漂う曲は、一青が好きな世界。比較的容易に詞ができると武部は思っていた。しかし一青が書いた詞を見た武部は、まだ一青が自分のものにしていないと感じた。2週間がたち、3週間が過ぎるが、一青は曲の強烈な個性に引っ張られ、なかなか自分のものに出来ない。武部は、今の一青だからこその魅力が出てくるのを、じっと待つ。 |