
古澤の研究室は平均年齢25才。12名の選手を擁する |

趣味はテニスにウィンドサーフィン。中でもスキーは一級の腕前というスポーツマン・古澤は、科学こそ最高のスポーツだと言いきる。勉強は腕立て腹筋の基礎トレーニング、研究室の運営は野球チームの運営と同じだ。
古澤は研究員を選手、自らを監督と呼び、計画や作戦を与えた後は、全て選手に任せる。結果を出さなければ、研究費が打ち切られるという厳しい状況があるにもかかわらず、古澤は選手の自主性を重んじ、のびのびと研究させる。選手にモチベーションを与え、若いアイディアをとことんまで引き出すことが、大ホームランを打ち続ける理由だという。 |

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とかく、頭脳が必要と思われがちな科学の現場だが、古澤が最も大切にしているのは「根性」。研究室の募集要項に、「根性が必要」と明記するほどだ。
実験を行うグラウンドは人一人がすれ違うのがやっとという6畳の狭い部屋。しかも、光の調整は1万分の1ミリ、その精密な調整を暗闇の中、中腰で一日6時間も行わなければならない。山登りの様に地道な作業を、一つ一つ自分で積み重ねる根性がなければ、大きな成果は生み出せないという。
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どんな困難な場面でも古澤は笑顔を忘れない
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「楽しんでください」。この言葉を古澤は一日何回も口にする。実験は99%が失敗という困難な現場。1ヶ月近く、何の成果もでず、失敗が続くこともある。しかし古澤は、その失敗こそが成功への道しるべとなると考えている。
この考えを得たのはアメリカへの留学時代。その分野のカリスマであった研究者の実験姿勢を見た時だった。器具の調整をわざとめちゃめちゃにし、そこで得たさまざまな失敗データを喜んで分析し、正解への道筋を見出していた。
失敗をさまざまな方向からしゃぶりつくせば、新しい発見が必ずある。それに気づいた時こそ古澤が一流の科学者へと変わった瞬間だった。
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悩む学生たちを前に古澤はやり直しを命じた |

成功に近づいてはいるが、どうしても最後までたどり着けない。そんな時はいつも、あえて積み重ねてきた成果を捨て、振り出しに戻る。一からの調整作業や抜本的な見直しを必要とする困難な道のりだが、これまでの成果に固執していては、本当の成功へは決してたどり着けないという信念があるからだ。
今年1月、国際学会の〆切が10日後に迫ったある実験でも、古澤は振り出しに戻る道を決断した。間に合わないかもしれない。しかし、いつでも振り出しに戻れるものこそ一流だという。
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