2019年

2019年10月29日(火)
あなたらしく、笑顔で生きて
精神科医・本田秀夫

“見えにくい障害”として社会的な注目を集める「発達障害」。文科省の調査では小中学生の15人に1人が発達障害の可能性があるとされるが、「こだわりが強い・空気が読めない・じっと座っていられない」など、大なり小なり誰にでもある特徴のため、周囲に気付かれないまま苦しみ、心の病で不登校や引きこもりになるケースも多い。
そんな中、31年にわたって発達障害と向き合い続ける不屈の医師がいる。信州大学医学部附属病院の精神科医・本田秀夫(55)。発達障害を専門にする日本屈指のスペシャリストで、乳幼児期から成人期まで長期にわたって診察を続けるという世界的にもまれな臨床経験を持つ。
本田の診察室には、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)など、様々なタイプの発達障害のある人たちがやってくる。そこで本田は、自信を失った人たちの生き方を肯定し、「相手のすべてをリスペクト」してカウンセリングする。
「発達障害の特徴は決してゼロにはならない。それは優劣ではなく、病気とも限らない、あなたの個性そのものだ」と語る本田。「“普通”とは何か?」「“幸せ”とは何か?」そんな根源的な問いを胸に、生きづらさを抱えた人々を笑顔で包み、寄り添い続ける本田の流儀に迫る。

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