2018年

2018年12月17日(月)
生老病死、四苦に立ち向かう
僧侶・髙橋卓志

仏教界の慣例を次々に打ち破り「革命児」とも呼ばれる僧侶、髙橋卓志。髙橋は、人の人生に必ず起こる「生老病死」という四つの「苦」に向き合い、その苦を癒やそうと全力を尽くしてきた。髙橋の葬儀には、手作りの温かさがある。理容師の葬儀では、理容店の椅子を寺に持ち込み、座って経を読んだ。落語好きの商店主の葬儀では、参列した落語家に落語を演じてもらった。肉親の死という大きな悲しみ、「苦」に直面した遺族の心を慰め、明日を生きる力を蘇らせようと工夫を凝らす。髙橋の活動は、葬儀にとどまらない。高齢化が進み、介護が家族の負担になってきた地域のために、介護施設を立ち上げ、弁当の宅配も始めた。今年1月、髙橋に一通のメールが届いた。「彼らしい葬儀をしたいと思います。どうか力を貸してください。」がん末期の40代の夫を持つ女性からだった。最愛の夫を失う妻。高橋は、苦しみをどう緩和するのか。

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