2018年

2018年8月27日(月)
撮って、僕らのこころ
昆虫写真家 栗林慧

長崎県平戸市。自然あふれる辺境に、世界から絶賛される写真家がいる。その名は、栗林慧(79)。栗林の写真に、ある人は「かわいい」といい、ある人は「人間味を感じる」という。まるで虫たちが語りかけてくるような感覚をもたせるのだ。その評価は国際的に高く、スウェーデン「レナート・ニルソン賞」、世界野生生物映像祭「特殊撮影賞」、日本科学技術映像祭「内閣総理大臣賞」など受賞歴は枚挙にいとまがない。アメリカNASAからも栗林の写真を論文に載せたいと連絡を受けるなど、世界から注目を受け続けてきた。
だが、その過去は壮絶だった。小学生の頃、父を亡くし、同級生からいじめにあった。写真家になって軌道に乗った頃、人生最大のスランプもあった。そんな時、助けとなった”ある経験”は、今の栗林の作風を支えている。そして今年、新たに挑むのはホタル。これまで50年に渡って撮り続けてきたが、新たにホタルの光が水面に映り込むさまを撮るという。しかし、天気や身体が思い通りにならない。世界屈指の昆虫写真家としてのプライドをかけ、生涯最高の一枚へと挑んでいく。

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