スナック菓子メーカー最大手の企業が今、大躍進を続けている。その立役者が会長兼CEO・松本晃(70歳)だ。松本は、いわゆる“雇われ経営者”。停滞する業績をなんとかしてほしいと、8年前、創業家より招へいされた経営のプロだ。就任するやいなや改革を次々と断行。売上はほぼ倍、営業利益率にあたっては4倍近くにまで引き上げ、業界内外から注目を集めている。
改革のひとつの柱は、看板商品のポテトチップス。工場の稼働率を極限まで引き上げることで製造コストを圧縮。その利幅を抱え込まずに値下げに回したことで消費者の心をつかみ、市場シェアを大幅に拡大させた。
松本は、経営者として、常に抱く野心がある。
「ダントツの1等になれと。僅差じゃだめ、鼻差じゃだめ。競馬の馬は鼻差でも勝ちは勝ちね。今日で終わるという勝負だったら鼻差でも頭差でもいいわけ。しかしビジネスはずっと続いているんだから。どかーっと稼ぐ」。