夢の万能細胞・iPS細胞を作り出し、世界を驚がくさせた研究者・山中伸弥(55)。
「iPS細胞」は、皮膚などの体細胞から人の体を作り上げているあらゆる細胞に分化することができ、再生医療や新薬開発の可能性を大きく切り開いた。いま山中はiPS細胞を使って、現在の医療では治せない病気やけがの治療法開発を進めている。
2年前からは国内最大手の製薬会社と手を組んで共同研究開発をスタート。がんをはじめ、神経や筋肉の難病など、夢の医薬品誕生を目指している。まだ動物実験だが、山中の脳裏にはつねに患者の姿がある。応えるべきは、遠い将来かもしれないが、不治の病に苦しむ人々を救うこと。ゴールを見失うことなく、日々の地道な研究に打ち込む。