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これまでの放送

2016年1月11日放送

岡村隆史×プロフェッショナル Part2



去年10月に放送した、ナインティナイン・岡村隆史と、道を究める3人のプロフェッショナルとの真剣トーク。実は、プロ3人と岡村との撮影はいずれも予想を超えて白熱した。そこで、前回放送時間の都合で割愛したトークやロケ部分を一挙公開!果たしてどんな対話が行われたのか?ごく一部をここで再現しよう。

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左官 挾土秀平×岡村隆史

芸人としての明確な『軸』がまだ見えない、と悩む岡村。挾土が指摘したのは、岡村の『間合いの良さ』だった。

岡村「『あなたって何する人なの』って言われたときに、こう、バッと『何々です』って言えないんですよね、僕の中で。」
挾土「いいじゃないですか。全然それで。それでいいんですよ。」
岡村「それでいいですか。」
挾土「全然いい。それでもこうやっていれるのは、やっぱりいろんな『間合い』がいいから。おもしろいということもあるし、邪魔にならないという部分もあるのかも分からないし、やっぱりいいんだよね、間合いが。それはまさに芸の領域といっていいんじゃないのかな。」

職人であっても、芸人であっても、仕事がうまくいくかいかないかは、『間合い』にかかっている、というのが挾土の持論。場の空気を読み、どう立ち居振る舞うか、どう部下や共演者と接するか。挾土はその例として、左官の仕事を仲間とする際、皆が気負いすぎていると見ると、あえてコーヒーを飲みに行ったり、仕事を始めるタイミングを遅らせたりして、冷静さを取り戻すのだという。

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リンゴ農家 木村秋則×岡村隆史

どうしたら、人は強くなれるのだろうか。
8年という長い格闘の日々を乗り越え、リンゴ栽培を成功させた木村。過酷な経験をしてなお笑顔を絶やさない木村に、岡村は教えを乞うた。

岡村「大きな壁にばんってぶち当たるじゃないですか。そんなの、繰り返しじゃないですか。生きていると。そんなドンってぶつかったときの壁って、どうやって乗り越えていったらいいと思います、人間って。」
木村「私はよ、登山家が『山があるから登る』というけれどもさ、私は壁はよ、自分が作っていると思うの。他人がつくった壁というのは、数少ないと思うよ。ほとんどは自分が作っていると思うよ。」
岡村「自分がつくった壁やから、自分が乗り越えれるはずやと。」
木村「うん、私そう思ってるのな。だから、このリンゴ、もう壁ばっかしだったんだけれども、必ず答えがあるとな。そう自分に言い聞かせて。」

壁は自らの中から生まれる。それを克服する最大の鍵は、自分自身を信じ、必ず壁を越えるという強い意志を貫くこと。さらに木村は、時には一つの事に狂ったように集中することが大事だということを、『馬鹿になれ』という表現で語った。
そして対談の最後には、笑顔でこう言うのだった。「笑顔がよ、最高の喜びと幸せを与えるよ。」

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歌舞伎役者 坂東玉三郎×岡村隆史

出会う前、緊張を隠せなかった岡村。しかし始まってみれば舞台論や喜劇論など、希代の歌舞伎役者との対談は実り多きものとなった。

岡村「あと、玉三郎さんと同じ感じに思った所が、『天から見られている』っていう。」
玉三郎「ああ、ね。」

2008年の番組出演で、玉三郎は『天から見られている』と感じる事が、どこまでも真摯(しんし)に打ち込む事につながり、それが舞台での自分の力となっていると語った。岡村はそのことに強く共感したという。

岡村「僕もそれ思うんです。何かやらないといけないときに、なんか、ここまででええかと思ったときに、(天から)見られてて。『いやいや、ちょっと待てよ』と。『もうちょっとやっといたほうがええんちゃうか』とか、ここでちょっとサボってたら見られてて、『本番でえらい失敗するんちゃうか』とか、そういうふうに思うんです。『見られてんちゃうかな』って。」
玉三郎「そう思うことは、僕、大事だと思ってるし、僕はそう思わなきゃならないと思って生きたことはないけど、なんかその感覚がもうね、誰にも分からないところもちゃんとしてないと、駄目かなと思ってますね。うん。罰が当たる。」
岡村「はい。罰が当たるみたいなのはずっと思ってますね。」

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3人との対談を終えて

常に前に進んでいってはるという、そのなんか、強さみたいなんて、皆さんあるなって。別に臆病でもいいし、ひとりでもいいし、別にいいじゃないって言えるんですよね。ちゃんとなんか聞いたら、全部答えが返ってくるっていう、そういう分厚い感じですよね、はい。