神奈川・川崎の住宅街の一角にある、間口3間ほどの小さな精肉店。朝10時の開店から客が次々と押し寄せ、製品が飛ぶように売れていく。ところ変わって東京・台東区にある珈琲(コーヒー)店。繁華街からほど遠い場所にあるにもかかわらず、連日常連客でにぎわい、その名は世界にも知られている。
大手スーパーやチェーン店が台頭し、町の小さな専門店が姿を消していく今の時代。地元に根をはり、逆境を生き抜いてきた2つの名店の陰には、プロフェッショナルの存在があった。共通するのは、客に対するどこまでも真摯(しんし)な態度。専門店としてのプライドをもち、最上のものを提供することを追求し続けている。