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これまでの放送

第235回 2014年8月4日放送

最強のクローザー、不屈の雑草魂 メジャーリーガー・上原浩治



怯(おび)えたら、打たれる

上原さんの担当するポジション・クローザーは、心理的な負担が大きいポジションだ。マウンドを託されるのは、接戦で勝っている試合の終盤ばかり。上原さんが逆転を許してしまえば、それは負け試合となってしまい、その責任を一心に背負わなければならない。
しかも、対戦相手となるのは、屈強なメジャーリーガーたち。圧倒的パワーを武器に、ホームランを放つ可能性も高く、毎回チームの期待にこたえることは決して容易ではない。
そんな壮絶なプレッシャーがかかるマウンドの上で、上原さんが大事にしている流儀が、「怯えたら、打たれる」ということだ。
「恐怖心でどうしようって考えた時点で負けなんで。自分より、すごい給料もらってるバッターが立ちました。何でこんなやつに打たれなあかんねんと思いながら投げてるし。負けると思ってやってるやつはいないと思うよ。それが勝負の世界でしょ。」(上原さん)
不安な気持ちでマウンドに上がれば、それがわずかなコントロールミスにつながり、痛打を浴びたり、よけいなフォアボールを出してしまう。さらにピンチを招くと、精神的に負のスパイラルに入ってしまう。だからこそ上原さんは、絶対に怯えない。自分のボールを信じて真っ向勝負を挑むと決めている。

写真マウンドで気持ちを全面に出す上原投手
ゲームセット後は、毎回ガッツポーズが出る


プロフェッショナルとは…画像をクリックすると動画を見ることができます。

結果どうこうよりも、その結果を求めるためにしっかりと準備している人。周りに流されない人。やっぱり、そういう人がプロとして細く、細くっていうか、長く成功している人だと思うんで。

メジャーリーガー 上原浩治


放送されなかった流儀

自分を信じる“準備”

日々、大きなプレッシャーにさらされるクローザーの仕事。その重圧と闘う上で、上原さんが大切にしていることがある。それは試合中のことではなく、試合の前後に行う徹底した“準備”だ。
試合の日の朝、上原さんは必ずいちばん乗りで球場入りする。そして試合のあとも、必ずいちばん最後に球場をあとにする。球場で過ごす時間を増やすことで、誰よりも時間をかけてマッサージを受け、疲れを最小限に抑える。さらにその上で、トレーニングなどの調整も誰よりも細やかに行う。
常に準備を徹底することで、自分の中で不安要素となりうるものを1つ1つ消していく。そして毎日、それを怠らずに続けることで、「自分は誰よりも準備してきた」という自負が持てるようになっていくという。
「1日でも今日はいいやと思って準備を怠れば間違いなく打たれる。自分を信じられるようになるために、努力するわけ。練習するわけ。」(上原さん)
強気なピッチングで知られる上原さんだが、その強い気持ちを作り出しているのは、誰よりもコツコツと積み上げてきた地道な“準備”だ。

写真ナイトゲームの日は、試合の7時間も前に球場に入る
選手の中ではいつも1番乗りだ
写真日々の楽しみは、試合後に飲む缶ビール
1日2本まで 深酒はしないと決めている