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これまでの放送

第224回 2014年2月24日放送

歩き続けるかぎり、倒れない 経営者・大山健太郎



自信をもって、アクセルを踏ませる

大山の会社では、新商品の提案はすべて毎週月曜日の“プレゼン会議”で行われる。社長である大山はすべての提案を即断即決でさばき、商品化するかどうかの判断を下す。百戦錬磨の大山の目は厳しく、社員にとってそのハードルを越えるのは決して低くない。しかし一方で、大山が「これはいい商品だ」と納得すれば、その場で商品化が決まるのだ。
プレゼン会議という公開の場で、わざわざ決裁をする理由を、大山はこう語る。
「ほかの会社はね、ハードルがいっぱいあってね、1つオッケーになってもね、じゃあ後でお前大丈夫かと。みんな心配するわけ。失敗を恐れる訳ね。それが開発者にとってはブレーキになるわけね。私の判さえとってしまえば、もう鬼の首をとったのと同じですから後から文句言う人いないの。その代わり、責任は全部私にあると。」

写真商品を見定める


恐れず打席に立ち続ければ、勘もさえる

毎年1,000以上もの新商品を発売する大山の会社。定番の商品に固執するより、時代の変化に対応する方がリスクは少ないという大山の考えからだ。そんな中、数々のヒット商品を飛ばしてきた。近年ではLED照明がその代表例。発売当初は売れ行きは伸び悩んだものの、あの大震災直後、節電需要が生まれると増産を指示、やがて会社の看板商品となった。しかしもちろん、鳴かず飛ばずのまま終わる商品も少なくない。それでも大山は新開発の歩みを止めない。
「バッターボックスでね、空振ったらどうしようなんてことを思ったんでは、ヒットは打てないと思うね。名医って言うのは、ぱっと見たら分かるでしょ。それは経験が多いからですよ。私は名医ではないけれど、30年間こういう仕事をずっとやってますからね、馬鹿でも勘が働きますよね。」と、大山は言う。

写真商品化の決定印を押す


歩み続けよ、倒れぬために

30代、社員の半数を解雇するという痛恨の過去を持つ大山。その経験から生まれたのが企業理念第一条にある「会社の目的は永遠に存続すること」という信念だ。
いかなる環境下でも潰れない会社、それはどんなことがあっても社員を守り抜くという意味だ。その思いから、大山は極端な規模拡大は目指さず、“身の丈に合った経営”という姿勢を崩さないという。
「大きくなると、重心が高くなってこけやすくなるんですね。すると企業理念第一条に合わなくなる。常にわれわれはどんな時代がきても、利益出せる仕組み。これは、もうけるための仕事をしてるのではなく、赤字を出さないために仕事しないといけない。赤字をだすとリストラしないといけないし。それだけは避けようと。」

写真LED照明をチェックする


リーダーは「火種(ひだね)」であれ

組織のトップとして、どうあるべきか。大山は50年間、自問してきた。最も難しいと考えるのは、社員1人1人の力をどこまで発揮させられるかということだ。会社が大きくなればなるほど、その壁は高くなると痛感している。
「社員の心に火をつけないけないんですよね。よし、やろうぞと。ただ言葉では言うのは簡単だけど、そんなんはマッチと同じでついたときにすぐ消えちゃうんですよ。それを
やっぱり一緒にやる環境というかね。一体感。一体感出すためには、お互いが共感しなければいけない。」

写真守るべき社員は今や1万人


プロフェッショナルとは…画像をクリックすると動画を見ることができます。

知ってることと、できることは違う。いくら知っていてもできなければ何の意味もない。最後まであきらめずにやりきることが、私はプロフェッショナルの条件だと思います。

経営者 大山健太郎


プロフェッショナルのこだわり

長年商品開発を手がけてきた大山。それを生み出す社内環境にも人一倍こだわりがある。
例えば、プレゼン会議室に据え付けられた大きな鏡。これは後ろの人とも目線が合うため、いい緊張感を生み出すことができるという。
また、社員の自席にパソコンを置かないというのも大山のこだわりだ。パソコンは共有スペースにだけあり、1回の使用は45分までと決められている。「パソコンからはアイデアは生まれない」というのが大山の考えだ。
さらに、社内のいたるところに置いてあるミーティング用の丸いスタンディングテーブル。このテーブルのいちばんの良さは、とにかく距離感が近いということ。さらに上席がないというのもポイントだと話す。アイデアは皆で頭を突き合わせて出し合うのがいちばん、という大山らしさが垣間見える。

写真プレゼン会議の鏡
写真 パソコンの使用は1回45分まで
写真距離感が縮まる丸いテーブル